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第二話 違い


 キュルキュル。



 正面を見た。

 空だ。

 空が見える。


 晴天だ。



 空を見上げる僕。



 

 青い空が見れるが其れはわずかだ。


 見えるのは雄々しい黒い幹の様なビル。

 沢山黒い幹の様なビルが束になって生えているように見える。

 先端は遥か上空。

 普通の人間には良く見えない筈だ。



 だが僕にはよく見える。

 異形にして異質。

 元人にして人に非ず。

 異形にして怪。

 怪にして「都市伝説」の僕の目には見える。


 

 空の上を飛行する異形の影が。


 炎に包まれた顔の付いた車輪。

 猿の顔に胴体は狸それに足は虎。

 空を飛ぶ大蛇。

 羽を持った人に似た何か。



「普通に妖怪が飛んでいる」

『ああ』

「元の世界では考えられないぞ」

「ここが並行世界と実感できるな」

『より実感したいなら横を見ろ』

「うん?」


 相棒の言う通り横を見る。

 そこにも異形が居た。


「今日数学のテストだって」

「余裕だな」

「まあ~~俺らの年を考えれば当然か」

「普段予習しとけば簡単だろう」

 


 歩く草鞋に足の生えた皿。

 虫の大きさの羽の生えた人間。

 二足歩行の狸。



 妖怪が四体とも学生カバンを持っていた。

 四人ではなく四体。



「……妖怪の学校有るのか?」

『有るんだろうな』


 僕と相棒の目が死んでいる。


「おはよう~~田中草履君に山田皿ちゃん」


 そこに現れる一人の女子高生。


「おはよう~~玉木さん」

「玉木さんおはよう」


 歩く草履と足の生えた皿が返事する。


「げっ!」

「げっ! とは何?」

「朝から変態に会った」

「変態って何よっ!」

「あんたの男の趣味よ」


 虫の大きさの羽の生えた人間と言い争う女子高生。


「なあ~~相棒~~お皿は女の子みたいだ」

『付喪神に性別なんぞない筈だが……』

「これも元の世界との違いか」


 僕と相棒の死んだ声がでていた。

 元の世界との違いに具合が悪くなる。


「化け狸を彼氏って趣味悪いでしょっ!」

「どこがよっ!」


 この言葉に僕は更に具合が悪くなる。


「そうよねバー君?」

「お、おう」


 化け狸と腕を組む女子高生。

 幸せそうな女子高生。

 照れる化け狸。


「何だろう此の光景」

『言うな』


 僕らの目が死んでいるのが分かる。


「お~~いいい加減に黙ろうか未登録妖怪【アンノウン・211】」

「『は~~い』」


 僕の前方から声がする。

 僕を載せたリアカーを引いている陰陽師からだ。


 今現在拘束された僕はリアカーで彼らの本部に連行されてる途中だ。


「それはそうと……」

『どうした無明?』

「僕の拘束が聊か過剰な気がするんですが」

『同感』


 現在僕は陰陽師に掴まり拘束されてます。

 呪術的な守りを込められた梵字を至る所に刻まれた鉄タングステン合金製の椅子に。

 同じく梵字を至る所に刻まれた鉄タングステン合金製の鎖で。

 その上に塩を塗した女の髪で作られた縄で縛られてます。



 その僕を名も知らぬ陰陽師がリアカーに乗せて運んでいた。

 横には僕に近づくなという事を書いたプラカードを、もう一人の陰陽師が見せながら歩く。


「何だろう此の市中引き回しは」

引廻しひきまわしは、江戸時代の日本で行われた刑罰で、死刑囚を馬に乗せ、罪状を書いた捨札や刑吏と共に刑場まで公開で連行していく制度なんだが此れは違うと思うぞ』

「似てるだろうが」

『そうだな』


 僕と相棒の疲れたため息が出た。



「お前ら鬼は平然と鋼鉄を曲げるから此れぐらいで良いんだよ」

「酷い誤解だっ!」


 プラカードを持ってる陰陽師に非難された。


「お前の御仲間は太さ三十センチの鉄の棒を曲げたんだが?」

「出来るかっ!」

「そうか」

「僕は精々二十センチしか曲げられんぞ」

「そうかい」

「あ」



 失言した。




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