崩れゆく日常
大規模地震の揺れはまだ収まらない。
その直後に襲った豪雨が被災地をさらに混乱の渦へと巻き込んだ。
街は瓦礫と泥に埋もれ、道路は寸断され、通信も途絶える。
被災者は避難所に殺到し、体調不良や感染症の兆候が次々と現れ始めていた。
医療物資は不足し、医療スタッフも足りない。
病院のベッドは満床で、重症患者が溢れかえっていた。
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MORUチームは現地に駆けつけ、限られた医療資源の中で救命活動に奔走する。
神崎は指示を飛ばしながらも、疲労の色が隠せないメンバーの状態を気にかける。
「みんな、休める時に必ず休め。無理はするな」
しかし、救助の手は止められない。
彼らの使命は、誰一人として見捨てないことだからだ。
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そんな中、突然の土砂崩れが発生。
支援物資を運ぶ車両が巻き込まれ、孤立した集落からの救出が急務となる。
神崎は迅速に対応を指示し、チームは救助ヘリと連携して孤立地域へのアクセスを試みる。
しかし、悪天候の中での救助は難航を極めた。
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一方、現地の行政は混乱状態で、情報の伝達も遅れていた。
現場と行政の連携不足が顕著になり、医療チームの動きを制限する声も上がる。
神崎は苛立ちを隠せず、行政担当者と直接交渉する場面もあった。
「現場の声を聞いてほしい。今必要なのは規則じゃない、命を守る行動だ」
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激務の中で、チームメンバーの一人が体調を崩し倒れる。
それを見た神崎は自らも無理を押してでも戦う決意を新たにする。
「俺たちは、ここで倒れるわけにはいかない。
誰かのために、誰かの命を守るために――」
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過酷な現実が続く中、MORUチームは心をひとつにし、絶望の中にもわずかな希望の光を見つけ出すのだった。