終わりなき使命
蒼鷹総合病院のMORUチームに突然の知らせが届いた。
政府からの解散命令だった。理由は国家医療体制の再編成と予算削減。
医療現場の効率化を図るため、MORUの独立した活動を終了させるという。
チームのメンバーたちは動揺を隠せなかった。
長年、命の最前線で戦い続けてきた仲間たちの絆は強く、解散の文字はまるで未来を断たれたかのように響いた。
しかし、チームリーダーの神崎拓真は即座に決断した。
「俺たちの仕事は、行政の都合で終わらせられるものじゃない。
命を救うことに終わりはないんだ」
その言葉にメンバー全員の目が燃え上がった。
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だが、その混乱の最中、国内では未曾有の大規模地震と豪雨による多重災害が発生。
被災地は瓦礫の山と化し、道路は寸断され、救助隊も医療チームも足りない状況だった。
避難所では体調を崩す被災者が続出し、病院もパンク寸前だった。
神崎はすぐさまチームを再招集し、解散命令を無視して現地への急行を決めた。
「ここで助けられる命を見捨てるわけにはいかない」
MORUは廃止の危機に瀕しながらも、最後の使命に向けて動き出す。
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チームは現地に到着すると、倒壊した家屋の下敷きになった人々や、重症を負った被災者たちの姿が広がっていた。
緊迫する現場の中、神崎は手早くトリアージを指示し、限られた医療資源で最大限の救命活動を開始する。
しかし、行政の圧力も強まっており、活動を制限される場面も多かった。
それでも神崎は、仲間たちとともに命をつなぐため、あきらめることなく現場で戦い続けるのだった。
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「この戦いに終わりはない。
だが、俺たちは必ずやり遂げる――誰一人犠牲にしない」
そう誓い合うMORUチームの決意は、嵐のような現実の中でも揺るがなかった。