裏切りの月② 仲間
登場人物
アランジュベール…幼少の頃、親に見捨てられ否応なしに暗殺者として訓練される、それにより人を信じられなくなり、やがてプロとして淡々と仕事をこなす凄腕の暗殺者となる、性格は無口で無感情、徹底したリアリストで〈目的の為なら手段を択ばない〉事を信条としている。
ジャック…アランのパートナー、表向きは裏路地の小さな店で武器や防具、家庭の道具に至るまで修理とメンテナンスを請け負っている道具屋をやっている、しかし裏では暗殺者の仲介、違法な商品の横流し、国外逃亡の手助け、書類の偽造や裏の情報提供と金額次第では何でも扱う裏社会の窓口になっている。
皆がその男子の言葉に耳を傾ける、しかし表立って同調する者はいなかった
皆奴隷として売られた挙句、いきなりこんな所へ連れてこられて突然
《暗殺者になってもらう》と言われたのだ、心の整理もつかず絶望感と不安感で頭が混乱していた
しかし人間という生き物は追い詰められれば追い詰められる程何かにすがりたくなるものである
その男子の呼びかけに困惑しすぐには同調はできなかったが
心強いリーダー格の人間がいる事は正直有難かった、《溺れる者はワラをも掴む》とはよく言ったもので
皆周りをキョロキョロしながら《この男子に付いていきたい》という気持ちが表情に現れていた
その空気を悟ったのかその男子は大きく頷き口を開く。
「反対意見がないなら俺の提案を受け入れてくれたと見ていいのかな
じゃあまずは俺の自己紹介からさせてもらう、俺の名はサム、サム・クラウデルだ、よろしく‼」
こんな状況でも努めて明るく振舞おうとしているサムに皆心強さを感じている様子だった
そんなサムに促され次々と自己紹介を始める子供達、最後にアランが
「アラン、アラン・ジュベールだ……」
そう一言だけ告げた、サムはその後も皆を励まし《これからもみんなで頑張ろう!!》と皆を励まし激励した
こんな地獄のような先の見えない現状の中、闇に差し込む唯一の光として
皆がサムを心の支えと感じた瞬間であった、そして次の日から厳しい訓練が始まった
そのハードな内容はとても子供に向けたモノではなく、先日ムゲナが言った
《脱落したものにも死が待っている、ここでついてこられない者はどのみち一流の暗殺者にはなれん
よって容赦なく切り捨てていくからそのつもりでいろ》
という言葉が嘘ではない事を物語っていた、アランは小さい頃から父の様な騎士になりたくて鍛えていた為
何とかついていけていた、しかし体力のない女子や体の小さい者などは何度も脱落しかけたが
その度にサムが《頑張ろう、みんなで、みんなで生き残るんだ!!》
という励ましにより、ギリギリついていくことが出来ていた
昼の訓練が終わり部屋に帰ってからもあまりの訓練の辛さと先の見えない絶望的な自分の境遇に
嘆きながら弱音を吐くものも少なくなかった、そんな時もサムは親身になって相談に乗り励ます
次第に男子も女子もサムを心の支えとして頼り実質的なリーダーとして認め始める
女子の中にはサムに心を寄せる者さえ現れる、しかしアランだけは皆と一定の距離を置き
決して慣れ合う事はしなかった、根本的に人間というモノを信じていないからである
こうして半年ほどが過ぎた、人間の適応力というのは凄いモノで
あれほど辛かった訓練にも脱落者を出すことなくたくましく成長していく子供達
こうして暗殺者となるべき為に徹底した訓練と教育が成された
その成果もあって訓練中と教育を受けている時は皆冷たい視線で黙々とこなし
無感情のまま冷徹に標的を仕留める殺人マシーンへと変化していった
しかし、訓練が終わり夜になると皆、年相応の態度に豹変する
サムを中心に仲間意識も芽生え団結力も出てきた、しかし相変わらずアランだけは
その輪に入らず一人浮き気味で孤立していて、何度もサムが声をかけてきたが
その都度《俺に構うな》と突き放していたのだ。
そしてある日、訓練が終わって皆が部屋に帰ろうとした時の事の事である。
「アラン、ちょっといいかな?」
後ろから呼び止める声に振り向くと、声をかけてきたのはやはりサムだった
アランはため息をつき《またか……》とばかりに露骨に嫌な顔をする。
「そう嫌な顔をしないでくれよ、俺はみんな仲間だと思っているんだからさ
もちろん君の事もそう思っているよ、どうだいそろそろ俺達と一緒に
この過酷な運命を乗り越えていく気になったかな?」
さわやかな笑顔でフレンドリーに話しかけてくるサムをしばらく無言で見つめるアラン。
「そう説得しろと言われてきたのか?」
冷たい視線を向けながら淡々と話すアランに対し明らかに動揺を見せるサム
「な、何の話だい?言われてきたとか、何のことだか……」
精一杯平静を装うサムだったが、その態度が余計に不自然さを感じさせた。
「誤魔化さなくてもいい、ムゲナの指示かは知らんがお前はそう言われて
皆をまとめる為に今まで動いてきたのだろ?こんな状況で頼れる人間がいたら皆心強いし
団結力が生まれれば結果的に脱落者を出さないという方向にも働く
そして絶対的なリーダーの存在は皆をコントロールするのに役に立つだろうからな……
ここに連れてこられた時、俺は二番目に馬車に乗せられたが
一番最初から乗っていたのはお前だった、大方その時にでも言われていたんだろ?
《みんなをまとめてくれたらその見返りとしてお前には特別な優遇措置をしてやるから》とでもな
こんな状況で何の見返りもなくお前みたいな行動をする人間なんかいる訳がない
能天気にお前を信じている連中と俺を一緒にするな、そしてあまり俺を舐めるな
お前が どういう条件でその指令を請け負っているのかは知らんが俺にはもう関わるな
だが安心しろ、俺はその事実を皆に話すつもりはない、だからもう声をかけて来るな
もしまだ俺に付きまとったり俺に嫌がらせをしてくるようならわかっているな?
お前の白々しい薄ら笑いを見ていると寒気がする」
そう吐き捨てるように言い放つとサムに背を向け立ち去るアラン
無言のまま固まっているサムの態度がアランの言った事が事実であると証明していた
次の日からサムは一切アランに声をかけてこなくなった
元々サム以外は声をかけて来る人間もいなかった為、完全に孤立してしまったアランだったが
それは自らが望んだ形であったので何の問題は無かった
それから数日が過ぎたある日の夜の事である、訓練が終わりいつもの様に皆が部屋でくつろいでいた時
女性陣の中の二人が急に激しい言い争いを始めた、最初は他の女子二人がなだめながら止めていたのだが
二人の口論は激しさを増していきヒートアップした二人はついに喧嘩を始めたのだ
女子同士の喧嘩といっても髪の毛を掴みあいながらギャーギャー言い合うようなものではない
なぜならばここにいる女子たちは暗殺者として厳しい訓練を受けてきた者達なのである
一人が左右の掌打から眼球、喉といった急所を狙う攻撃を見せると
その手を取り逆間接に決めながら頸動脈をかき切ろうとするもう一人の女子
さすがにサムを始めとする男子勢が止めに入り女子二人を羽交い絞めにしながら引き止めたが
まだ怒りが収まらないのか激しく罵り合う二人、どうやら喧嘩の原因はサムの様で二人とも
《サムに対して色目を使った》とか《サムにやたらボディタッチしてアピールしている》とかの内容であった
もちろんアランは二人の仲裁に関与しているはずもなく半ば呆れながら事の成り行きを見守っていた
騒ぎを聞きつけたムゲナの部下達が駆けつけ女子二人による喧嘩騒動は治まった
その日を境に男子と女子は別々の部屋へと分けられる
そして訓練や教育の半分が男女別で行われることとなる、歳月がたち皆が成長してくると
どうしても男女は互いの異性を気にしだすようになる
特に男子は日々体つきが女っぽくなっていく女性陣を意識し始めた
元々同じ部屋にいたときはそれほどでもなかった者達が隔離されてから意識し始めるというのは
なんとも不思議な現象だった、最近では訓練が終わり部屋に戻ってからの男子達の雑談はもっぱら
〈女性陣の誰が好みだ?〉という話題で持ちきりだった
「おい、お前は誰がいいんだ?」
「俺はアンヌかな、最近可愛くなったと思わないか?」
「わかるわ、昔は子供っぽかったのに最近ドキッとするほど女っぽいんだよな」
「アンヌもいいけど俺はデボラだな」
「え~デボラも可愛いけどアイツ気が強すぎないか!?」
「それがいいんじゃないか、なんかあいつに見つめられるとゾクッとするんだよ」
「変態かお前は、俺は断然セシルだな、アイツ最近凄く胸が大きくなっただろ」
「確かに、体なら断然セシルだな……顔はデボラ、体はセシルで最高って感じだ」
「なんじゃそりゃ、誰がいいかって話になってないじゃんか!?」
談笑しながら盛り上がる男子勢、その時一人の男子がサムに話を振った
「ところでサムは誰が好みなんだ?」
「えっ、俺か?俺は……いないよ、そんなの」
「この野郎、俺達がこんなに赤裸々に語っているんだからお前も吐け、ズルいぞ‼」
「そうだそうだ、男子たるもの女子に興味ないわけないだろ、いいから言え‼」
他の男子にもみくちゃにされながら問い詰められるサム
一見ほほえましい光景に見えるこの状態も少し離れた所から客観視しているアランには馬鹿馬鹿しく映った。
『お前らが誰を好みだろうが女子勢は皆サムに惚れている
サムもそれを知っているから特定の誰とは言えない、言ったら最後
女性陣の輪が崩壊するからな……しかもあいつらはそれを薄々感づいていて
サムに誰が好みかを聞き出してそれを女性陣にリークし
振られた女たちをモノにしようとしている、あさましいというか姑息というか……人間って奴は本当に……』
皆の色々な思惑が入り乱れる中、アラン以外の人間は皆、それなりに仲良くやっていた
そんなある日の事メンバー達にとって運命の日が訪れる
最初訓練にもついていけなかった者達もすっかり慣れてきて、脱落者も出ないまま数か月が過ぎた
元々奴隷商人に売られるような環境で育ったため、故郷や親にも未練が薄い者が多く
もう何年もここにいるような錯覚すら感じていた、そんな中で皆が一番辛く感じたのは食事である
なにせ食べ盛りの年齢であり毎日激しい運動をしているのだから腹が減るのは当然なのだ
しかしここで出される食事は決して満足のいくものではなかった、固いパンにしなびたサラダ
わずかばかりの野菜が入ったスープと質、量のどちらも最低限のものと言えた
たまに肉も出るのだが噛み切れない程固い干し肉であり、しかもやたらと塩辛い
特に男子はいつも腹を空かせていた
「あ~あたまには腹いっぱい美味い物が食いたいよな……」
「俺はチキンを丸ごと一匹食べたいぜ」
「俺は魚だな、前に住んでいた所は海の近くでよ、とにかく魚が美味かった
ここじゃあ魚なんてまず出ないからな」
「そんな言い方だとまるで肉なら出るみたいじゃねーか」
「一応肉は出るだろ、美味いか不味いかは別として」
「あんな塩辛くって固い干し肉なんか肉じゃねーよ、本当の肉ってのはなぁ」
「そんな話をしていても虚しいし逆に腹が減るだろ、止めようぜ」
男子勢がため息交じりにそんな話をしていた時、サムが慌てて皆の所に走って来た
「おいみんな、ビックニュースだ、今晩の食事、物凄い豪華なメニューらしいぞ‼」
サムの話に皆が立ち上がり目を輝かせる
「本当かよサム、嘘だったら承知しないぞ!?」
「夢じゃないよな、よし食うぞ~腹いっぱい‼」
「しかし何で急にそんな食事が出るんだ?」
「まあいいじゃねーか、理由なんか、美味いもの食えれば何でもよ」
そんな皆の喜び様に、嬉しそうに何度もうなずくサム
「俺達が今まで頑張ってきたご褒美だよきっと
ムゲナ様が認めてくれたんだ、感謝して食べようぜ‼」
そんな皆のはしゃぎように一歩引いて見ているアラン
『一体どういうつもりなのだろう、今まで質素な食事しか与えられなかったのに
ここにきて豪華な食事とか……ムゲナに限って〈ご褒美〉なんて有り得ない
しかしサムの奴もよく言うぜ、奴隷として売られた挙句に問答無用で暗殺者にされているのに
(感謝〉とか……ムゲナの意向とはいえまるでピエロだな
そんなサムもサムだがそれを聞いてもまだサムがムゲナの手下になっている事すら見抜けないとは
全くどいつもこいつも揃っておめでたい奴らだ、まあ俺には関係ないがな』
そんなアランの思いとは別に、皆がワクワクしながら食堂に入ると
そこには今まで見たこともない豪華な食事が並んでいた、まだ湯気の立っているチキンの照り焼き
ビーフシチュー、ローストビーフに魚貝のサラダ、オレンジジュース……
何もかもが信じられ合いメニューだった
「うわっマジかよ、これ全部食べていいの!?」
「すげ~こんな豪華な食事今まで食べたことないぜ」
「本当に、本当に私達が食べていいの?夢じゃないよね!?」
中には涙ぐむ女子もいた、皆の興奮が治まらない時
ムゲナがゆっくりと姿を現し見たことのない様な笑顔で優しく語り掛けた。
「今宵はお前らの頑張りに敬意を表して私からのささやかなプレゼントだ、皆よく頑張ったな
今日は思う存分食べるといい、さあ召し上がれ」
今までとは別人と思える表情で微笑みかけるムゲナ、サムなどは感激のあまり涙ぐんでいた
しかし皆は素直に感謝する気にはなれなかった、というよりムゲナの態度がいつもとあまりに違う為
どうしていいのか戸惑っているのである、豪華な食事を前に今すぐかぶりつきたい
衝動を抑え周りを見渡すメンバー達、早く食べたいが先に食べるのは躊躇してしまうという人間心理が働いたのだ
《早く先に誰か食べろよ》という心の声が聞こえてきそうな探り合いが続く
そんなメンバーの空気を読んだのかサムがヤレヤレといった感じで皆に語り掛けた。
「みんなどうしたんだ、せっかくのご馳走が冷めちゃうぜ、じゃあ俺から食べるぞ、頂ます‼」
目の前の食事にかぶりつきムシャムシャと食べ始めるサム
その姿を見て安心したメンバー達は枷が外れた様に食べ始める
「うめ~何だこれ、メチャクチャ美味いぞ!?」
「私こんな美味しい物食べたの初めてよ」
「毎日こんな食事だったらどんな厳しい訓練にも耐えられそうだけどな」
皆が和気あいあいと食事を楽しむ、アランも腑に落ちない点は多々あったがムゲナの考えがわからない以上
食事を楽しむことにした、そんな和やかな空気の中でしばらく皆が
談笑の中で食事を楽しんでいると、急にサムが立ち上がった
皆は何事かと注目するが、サムの様子が明らかにおかしい
両手でのどを抑え床にバタリと倒れる、もがき苦しむサムを唖然と見守るメンバー達
何が起こっているのか全く理解できない、するとムゲナがサディスティックな笑みを浮かべ
状況を説明するかのように口を開いた
「今から私がいう事をよく聞け、お前らが食べている食事には毒を入れておいた
だが安心しろ、死ぬ程の量は入れていない……ん?
どうしてこんなことをするのかって顔をしているな、じゃあ説明してやろう理由は二つ
まずは満腹になるまで食事をとることは厳禁だ、人間満腹になると頭の回転が鈍る
眠気が起こり動きも鈍くなる、それは暗殺者としてあってはならん事だからな
決して満腹になるまで食べるな、そして毒を自分の舌で覚えるんだ
今日使った毒は〈メヌゲ草〉といって比較的わかりやすい種類の毒だ
ゆっくりと味わい毒の匂いや味を覚える、そうすれば毒を口にしたときスグに反応できる
そして少量ずつでも毒を摂取しておけば徐々にその毒に対して耐性ができる
人減の順応力というのは実に素晴らしい、鍛えれば鍛えるだけ身になるのだ
わかったな、これからも食事には気を付けるように、以上だ」
ムゲナはそう言い放つと背中を向け部屋を出て行った、するとメンバー達にも徐々に毒の反応が出始める
皆床に倒れ込み呼吸困難と腹痛、そして嘔吐を繰り返す、さっきまで団らんが
まるで嘘の様な地獄絵図が広がる、サムが身体の異常を示した時
アランはすぐさま毒を疑い、口に指を入れ胃の中の物を吐き出した
そのおかげもありアランは一番症状が軽く済んだ、それでも激しい腹痛と嘔吐はしばらく治まらず
息苦しさもしばらく続いた、素早く対応したアランでさえこれほどの苦痛を味わったのだ
他のメンバー達はそれこそ地獄の苦しみを味わっていた
一日中立ち上がることも出来ず毒の症状に苦しんだ者も少なくなかった
しかしムゲナの言う通り一日経てば殆んどの者は普通に動ける様になり
翌日から普通に訓練へと参加することになった、しかしそんなことがあった以上
益々ムゲナへの不信感は高まり疑心暗鬼のまま訓練へと参加するメンバー達
いつもであればサムが真っ先に来ていてムゲナの擁護をしながら皆を励まし元気づけるのだが
そのサムの姿が見えない、先日一番ひどい症状だったサムは医務室に運ばれていったが
その後部屋には戻ってこず、二日目の朝を迎えたのだ
皆昨夜まで自分の事で手いっぱいだったからサムを気にする余裕がなかったのである。
「ねえサムは、サムはどうしたのよ?」
「俺達も知らない、部屋には戻ってこなかったから……」
「何よそれ、アンタ達仲間でしょ、何で知らないのよ、心配じゃないの!?」
「俺達だって毒で苦しんで寝たきりだったんだ、サムの心配している余裕なんかなかったんだよ」
「じゃあサムはどうなったのよ、もしかして毒の影響でまだ医務室にいるとか?」
皆がサムの事を心配して語り合っている時、ムゲナが姿を現した
朝の訓練の前にムゲナが顔を出すなんてことは今までなかった為
メンバー達に嫌な予感が漂う、そんな雰囲気を破る様に女子の中でも
特に気が強いデボラがムゲナに問いかけた。
「サムはどうしたのよ、ねえサムはまだ苦しんでいるの?」
鬼気迫る勢いで問い詰めるように質問するデボラ、他の女子たちも思いは同じとばかりに
ムゲナをジッと見つめている、するとムゲナは何事もなかったように軽く答えた。
「ああサムか……サムは死んだよ、毒を取りすぎたせいだな、お前らも気を付けろよ」
実にあっさりと何の感情もなくサムの死を告げるムゲナ、デボラはその場で崩れ落ち
女子たちからすすり泣く声が聞こえ始める、男子達も急にリーダー格のサムがいなくなった事に絶望していた。