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戦禍の大地に咲く百華  作者: 大洲やっとこ
第二部 苦くて甘くて痛くて甘い
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第56話 月明かりに差す影

トワの手番です。



 ルゥナ様に呼び出された。

 宴の後に、ひっそりと。

 森の奥に進むルゥナ様の背中は、月明かりに照らされて幻想的な美しさだ。


 嬉しい。

 ご褒美をいただける。

 頑張った私へのご褒美を。


 随分と集落から離れてしまうが、もしかしたら――

 期待しても、いいのだろうか。

 誰にも聞かれたくないから、とても遠くに?


 イケナイことを期待して胸が高鳴る。

 ルゥナ様もきっと後ろめたい気持ちがあるから、皆から離れたいのだ。


 わかっている。

 アヴィ様には内緒。

 内緒で、密かな関係を。



「あの……あまり離れすぎると、迷うかと」

「あ」


 いい加減、大声を上げても届かないほどの距離だろうに、ルゥナ様の足が止まらなかった。

 よほど用心しているのか。

 よほど、いけないことを考えてしまっているのかも。


 いったいトワはどんなことになっちゃうんでしょうか。想像するだけでどうにかなっちゃいそうです。



「すみません」


 立ち止り、振り向いたルゥナ様の目線が泳ぐ。

 後ろめたい。そういう目だ。

 私の後ろから降り注ぐ月明かりが、そのルゥナの表情を照らし出す。


「……お話を、しておきたかったものですから。トワ」

「はい」


 そんな前置きはしなくてもいいのに。

 貴女のトワは、貴女の欲求になら何でもお応えしますのに。


 ああでも、だめだめ。

 ルゥナ様は素直ではないから、自分から私をどうしたいとか言うはずがない。

 前と同じ。

 トワが、ルゥナ様に我侭を言ってお願いをしなければ。



「……皆には、内密にしていただきたいのです」


 妙なことを言われた。

 いや、当たり前のことだといえばそうだけれど。


「? もちろんです、けど」


 言いふらすような軽い子だと思われている?

 秘密の睦事を、誰彼と。

 

 話したくないかと聞かれたら、話したい。自慢したい。

 ルゥナ様のあられもない姿を私がどうしたのか、私の為にルゥナ様が何をして下さったのか。

 甘い時間を。


 私の中だけで独り占めしたいという気持ちと共に、その優越を誰かに知らせたいとも思うのも事実。


 だけど、そんなに馬鹿じゃない。つもり。

 知られたら、失ってしまうかもしれないのだから。


 私にとってはたったひとつの特別。

 だけど、ルゥナ様にとっては浮気心。

 それくらいのけじめはわかっている。今はそれでも我慢できる。

 トワは素直な善い子になったのだから。




「……本当に、申し訳ありませんでした」


 深く、頭が下げられた。

 ルゥナ様の頭が、深く。その目は私を見ることがなく、地面へと。



「え……?」



「どんなに貴女に怒られても仕方がない。恨んで当然だと、わかっています。ですが」

「……」

「どうか……どうか、許して下さい。私を……」


 顔を上げることはなく、いっそ地面にまで額を擦りつけようかというほどの姿勢で。


「私を……許せなくても、構いません。ですがどうか……皆の為に、誰にも……言わないで……」


 何を?


「……何を、です?」


 意味がわからない。

 ご褒美をいただけるのでは、なかった?

 感謝の気持ちを、お褒めの言葉と、甘い時間を。



「……ルゥナ様。何をおっしゃっているんです?」


 声に、感情が乗らない。

 初夏でも、この辺りの月明かりは冷たい。

 静かで、透き通っていて、色を感じさせない。


 恐る恐るといった風に、ルゥナ様の視線が上がる。

 その頬には涙の筋が。



「私が……」


 眉が寄せられ、それ以上の涙が溢れるのを堪えながら。


「あの時、手を……引いたことを……言わないで……」



「……」



 嘘だ。

 嘘だ。

 そんなこと、嘘に決まっている。

 嘘だって知っている。


 私は見ていた。

 ルゥナ様は、あの時――


「……」


 私の顔を見るルゥナ様の瞳から、大粒の涙が溢れ出した。

 嘘では、ない?


「あ……」


 違う。

 やはり嘘だ。間違っている。


 あの時のルゥナ様は、自分の身の危険も構わずに手を差し出していた。

 身を投げ出していた。

 私は見ていた。


 なのに、ルゥナ様の記憶は違っている。

 自分が私を見捨てたと、そう思い込んでいる。

 どうして?


 ――どうして?


 生真面目なルゥナ様。

 私を犠牲にしそうになったことで、自分を責めてそう思い込んでいるのかも。


「……」


 私を見るルゥナ様の瞳から零れる涙は、怯えだ。

 怯えている。

 そうだった。

 あの時、ルゥナ様は怯えていた。



 私は助かったのに(・・・・・・・・)、ルゥナ様はひどく怯えて――



「……トワが、助かった……から(・・)?」



 ルゥナ様の唇が震えた。

 それが答え、か。


 私が、助かったから。

 私が生きて、生き延びたから。

 だから、ルゥナ様は怯えて……




「死にます」


 森に入るのだからと、危険を考慮して持ってきてよかった。

 包丁。

 別に特別な物でもないけれど、これで喉を突けば死ねる。


「トワ!」

「死にます!」

「駄目です!」

「止めないで!」

「やめて!」


 もみ合う。

 喉を突こうとした私の手を、彼女が必死で止める。

 力は彼女の方が強いけれど、だからといって止まることはない。

 自分の喉を突く。


「っ!」


 包丁の刃が、彼女の手を深く滑った。

 痛みに顔を歪める。

 綺麗な、大好きな顔が、痛みで歪む。


「あ……」


 大好きな彼女を傷つけてしまった。

 最愛の、ルゥナ様を。


 だふ、と。土に包丁が落ちる。


「ルゥナ様……?」

「お願いです、トワ……お願いですから、どうか許して……許して下さい」


 傷ついた手で、頬を撫でられた。



「……何を、許したら……?」


 いいんですか?

 何を、許せば?


 生きていることで貴女を苛んでいる私の存在は、どうしたら許されるのですか?


「……ルゥナ、様?」

「……」


 泣きながら私を見つめるその顔は、月明かりに照らされてひどく美しい。



「ルゥナ様は、私の……トワの死を、願われたのですよね」


 私の生存は、貴女の希望にそぐわなかった。


「それなら、トワは死にます。トワはルゥナ様が望まれるのなら、いつでも死にます」

「違う……違うの、トワ」


「違いません!」


 夜の森に、怒声が響いた。

 びくりと身を縮めるルゥナ様。

 怯えて、竦んで。



「……違いませんよ、ルゥナ様」


 今度は、静かに。

 今度は、私の方からその震える頬に手を伸ばした。


「愛する貴女に、死を願われたんです」

「……」

「ね」


 両頬を両手で包んで、その視線をこちらに向けさせる。


 逃がさない。


「想像してみて下さい。最愛の誰かに、自分の死を願われたと」

「あ……あ、あ……」


 涙で揺れる紅い瞳が、恐怖に耐えかねて伏せられた。



「目を閉じるな!」


 びくぅっと震えて、再び開かれた。



 逃がさない。


「……ね、想像してみて下さい。ルゥナ様」


 いじめているわけではない。

 訊ねているだけ。


「貴女も、トワと同じように思いませんか?」


 一緒でしょ、と。



「あ……ごめ、ごめんな、さい……許して……」

「違いますよ、ルゥナ様。許してほしいのはトワの方です」


 生き延びてしまって、ごめんなさい。

 貴女の心をひどく乱してしまって、ごめんなさい。


「だから、ね。死ぬしかないじゃないですか」

「ち、ちが……」

「トワは、ルゥナ様を愛しているんですから」

「やめて……」


 小刻みに首を振る彼女と、ゆっくり首を振る私と。

 同じように横に振っているのに、向かう方向はまるで違う。



「トワは、期待しちゃっていたんですよ。ルゥナ様」


 死ぬ前になら、伝えてもいいだろう。

 恥ずかしい勘違いを。


「こうして呼び出してもらって、トワはですね。喜んでいたんですよ」

「……」

「ルゥナ様に褒めていただける、って。きっといろんなお願い事を聞いていただけるんだって」


 嗤う。

 自分の滑稽な勘違いを、鼻で嗤う。


「トワ、ありがとう。トワがいてくれて助かりました。トワ……愛しています、って」

「……」

「馬鹿でしょう。おかしいですよね、トワったら本当に……」

「トワ――」


「違うじゃないですか!」


 頬を包み、顔を寄せたまま叫ぶ。

 言いかけたルゥナ様の言葉は、きっと甘い囁きに続くのだろうと。

 名前を呼ばれただけでも嬉しくなってしまうのに、そんな囁きを聞かされたら。


「また、勘違いしちゃうじゃないですか……」


 涙が溢れる。


「ひどい、ですよ……ひどいです、ルゥナ様……こんなの、あんまりです……」


 褒めてもらえると思ったのに。

 喜んでもらえると、そう思ったのに。


 なのに、真実はまるで違っていて。

 貴女は私が生きていることを、疎んでいて。


「だから……死にます」

「トワ」

「貴女に望まれないトワならいらない。ルゥナ様がそれで安らぐのなら、トワはそれで――」



 本当に、それで満足だろうか。

 聞き分けよく、お行儀よく、犠牲となって。


 それで、いいのだろうか。

 本当にトワは、それで――



 ――いいはずがない。



 これまで生きて来た時間は、ずっとそんな風に過ごしてきた。

 苦痛と汚辱に塗れ、それをやり過ごして何でもないというように。

 そうやって生きて、そうやって死んで。

 それで満足だなんて言いたくない。


 やっとなのに。

 やっと、自分の意思で、自分の望む生き方が出来る場所に立ったのに。

 なのにどうして、何も得ることが出来ずに満足などと言えるのか。



「ルゥナ様」

「……」

「返事は?」

「……はい」


 怯える瞳と、震える唇。

 何を言えばいいのかわからず、どうすればいいのか迷っていて。

 しようのない女だ。

 いつも冷静で正しくあろうとするくせに、まるで正しくない。


「違いますよね?」

「……はい」

「トワに言うべき言葉は、何ですか?」


 導いてあげなければ。

 この迷える愛すべき彼女を、誰が導いてあげられるのか。



「……トワ、ありがとうございます。貴女のお陰で、助かりました……」


 よくできました。


「許してほしい、ですか?」

「はい……お願いです、トワ」


 吊られた甘い餌に、すぐに擦り寄ってしまって。

 本当に、浅ましい。

 人間と変わらないのではないか。



「本当に、許してほしいですか?」

「はい、トワ。私は――」

「ルゥナは、と言って下さい」


 正す。

 私への話し方から、まず。


「え、あ……ルゥナは、トワに、許してほしい……です」


 よくできました。

 可愛らしい。

 愚かで浅ましいのであれば、せめて可愛らしさは損なわないでもらわないと。


「トワは、ルゥナを許しません」


 でも、まだ足りない。

 私の心を殺した貴女には、全てを捧げてもらわなければ。



「そんな……お願いですから」

「お願いお願いと言いますけど」


 貪欲な人間のように、尽きることなく何度も。


「ルゥナ様、違うんじゃないですか?」


 要求できる立場ですか、と。


 私は貴女に殺された。

 谷底に、見捨てられ。

 そして今ここで、生きていることを否定されて。

 愛する貴女に。


「……私は」


 ぎり、と睨む。


「ルゥナは……トワを、愛しています」

「……」


 人間でも、これほど卑劣な嘘は言うまいに。

 おかしい。

 おかしくて、信じてしまいそう。


「愛しています、トワ……」

「ルゥナ」


 まだ許さない。

 まだ足りない。

 どこまでいっても、満たされることなどない。


「何でも、しますから……」

「違いますよね?」


 だから許せと、要求するな。

 そんな権利はもう貴女にはない。


「……口づけを、させて下さい」

「……」

「お願い、トワ。貴女に尽くしたい。貴女の喜ぶことを、何でもしたい」

「誰が?」

「わた……ルゥナは、トワの喜ぶことをさせてほしい、です。貴女に愛されたい……です」


 可愛らしい。

 少しは、わかってもらえただろうか。

 上辺だけでも言葉を並べて、気に入られようと。


「アヴィ様よりも、ですか?」

「っ……」


 唇が結ばれる。

 なるほど、そこはまだ崩せない。


「……嘘ですよ、ルゥナ様」


 引いた。

 手を引いた。

 そこの一手は早計だ。アヴィの存在はルゥナにとっては聖域――神域と言ってもいい。

 もし不用意に踏み込めば、今度は本当にルゥナの手で殺されることもあるかもしれない。


(それは……幸せ、ですね)


 そんな気持ちもあるけれど。

 今日は、今手に入れたもので良しとしよう。

 私は人間とは違う。

 手に入らないものを無闇に追い求めるほど愚かではない。


「……トワは、生きていてもいいですか?」

「お願いです、トワ。私の……ルゥナの為に、生きて下さい」


 偉いですよ、ルゥナ様。

 ちゃんと言いつけを守ろうとする姿は。


「トワは、ルゥナ様の何ですか?」

「……」


 ルゥナの表情が、困惑に歪む。

 不愉快だとか、恐怖だとか、そういうものとは違って見えて。



「?」


 なんだろう。

 ルゥナ様の頬を包む私の手が、熱を感じる。

 色のない月明かりの下で、ルゥナ様の頬に赤みが差して。


「あの……私にも、本当にわからない、のです、けど……」


 途切れ途切れに紡ぐ言葉は、たどたどしいくせに、やけにすんなりと耳に入ってくる。

 まるで真実であるかのように。


「とても身勝手で、恥ずべきことですが……アヴィとは別に、貴女を……トワを、愛おしく、思っています」

「っ……」


 まるで、真実であるかのように。

 戸惑いながら話す彼女の言葉は、取り繕う様子ではなく、ただ本当に恥じらいながら心の内を晒しているのかと。


「……嘘つき」

「そう、思われます、よね……今更」


 寂しそうに笑うルゥナ。


「事実です。信じてもらえないかもしれませんけれど」


 頬から手を離したら、今度はルゥナ様が私の頬に手を添えた。

 心から慈しむように。


「ミアデに言われました。わた……ルゥナはトワのことを好いているのか、と」

「……」

「その時は違うと、そう言いました。そう思っていました。特別に好いているのはアヴィのことだけだと」


 ルゥナの顔が寄せられる。

 目の前に迫り、そして首筋に流れた。

 息を吸われる。


「……トワの香りが好きです」


 清廊族の女性の香りは、花に例えられる。

 私の場合は、爽やかな花水木のようだと。


 ルゥナ様は鈴蘭に近い。

 ちょうど今の森のように、若葉のような清涼な雰囲気の中に微かな甘さを感じる。

 この香りが嫌いだと思う者はいないだろう。


「……軽蔑、しますか?」


 首下で囁かれた。


「アヴィを特別だと言いながら、トワのことも愛おしく思う私を……ルゥナのことを、軽蔑しますか?」


 二股だと。

 ルゥナ様は潔癖な性分らしい。


 清廊族の仲間の話を聞く限り、特定の伴侶とのみ添い遂げるという例は多数派ではないという。

 決まった誰かというパートナーだけと生きることを選ぶと、どこかで歪みが出てくるのだとか。

 着かず離れずという距離感の方が長続きする。そういう風潮が多いのだと村でも言っていた。


 人間の生活習慣の方を目にすることが長かったトワとすれば、そういう清廊族の生き方は今まで知らないことだったが。

 寿命が人間よりも長いことも、そうした習慣の違いに出ているのかもしれない。


「否定しようとしました。アヴィを裏切っている気がして……」


 そう言いながらも、私の体を離そうとしない。

 抱きしめて、貪るように香る。


「私は、貴女が怖かった」

「……」

「トワが、私の……ルゥナの心をどんどん占めていくのが、怖かった」

「もういいですよ、私、で」


 何度も言い直すものだから、いい加減かわいそうになってきた。


「こうして話してみるまで、自覚がなかったのです。貴女を愛しているのだと」

「……アヴィ様よりも?」


 もう一度、踏み込んでみた。

 彼女の、特別な領域に。


 今度は表情は固まらずに、やんわりと首を振る。


「よりも、ではありませんが……ですが、特別に。そう思っています」

「トワは、生きていても良かったですか?」

「トワ」


 彼女の手は、まだ血が流れている。

 傷ついた手を私の背中に回して、強く抱きしめた。


「貴女が、生きていて良かった」

「……」

「私を助けてくれた。ありがとう」

「……」

「愛しています。あの……」


 少しだけ体を離して、紅潮した顔でトワを見つめる。

 媚びるように。

 せがむように。


「……ルゥナのことを、嫌いにならないで……くれ、ますか?」


 恋する少女のように。


「……仕方のないルゥナ様、ですね」


 どこまでが本心で、どこからが演技なのだろうか。

 演技が得意なタイプではないと思うのだが。

 これで騙されるのなら、本当にもう仕方がない。

 元々、惚れたのはこちらの方なのだから。最初から負けているのはトワの方。


「トワは、ルゥナ様を愛しています。だから……もう、捨てないで下さい、ね」


 目を閉じて、唇をねだる。

 柔らかな温もりが重ねられた。




 密やかな関係。

 今はそれでもいい。

 今は。


 ルゥナの心の中に、トワの場所が出来た。

 ルゥナ自身が作ってくれた。


 アヴィよりも下と位置付けていたけれど、関係がない。

 その特別な席は、ルゥナがどう思ったとしても、アヴィと並ぶ特別な場所だ。

 今までその領域にアヴィ以外の誰かを並べたことはないはず。


 足がかりになる。

 ルゥナの心を占有する為の足がかりに。

 後は、邪魔な誰かをそこから消してしまえばいい。

 そうすれば、その聖域に残るのはトワだけ。


「……」


 トワだけでいい。

 もう善い子などという馬鹿げたことはやめた。気の迷いだ。

 欲しいものは手に入れ、好きな生き方を選ぶ。

 待っていても、良いことが向こうからやってくることなどない。


「……」


 一度だけ、あった。

 牧場で、ルゥナがトワを迎えに来てくれた。

 奇跡はあの一度だけだ。

 これからは、どんな道を選ぼうが、欲しいものを求めていく。


 善い子のトワはもう死んだ。

 殺された。

 誰に?

 わかっていますよね、ルゥナ様。


 だからこれからどんな結末が待っていても、全部。

 全部、ルゥナ様のせいで、それは全部トワが許してあげますから。


「許してさしあげますからね、ルゥナ様」

「ありがとう、トワ」


 いえいえ、どういたしまして。



  ※   ※   ※ 

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― 新着の感想 ―
[一言] リーディングカロリーというかなんというか色々重すぎて、この回だけで半日くらいかけて読みました… 先が気になって仕方ないのに疲労感が半端ない…
[良い点] トワ浄化されたと思ったらより深い暗黒面に落ちてるじゃないですか!!! これもうルゥナめぐっての泥沼化不可避ですね
[一言] ラスボスはトワちゃんじゃったか…
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