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戦禍の大地に咲く百華  作者: 大洲やっとこ
第三部 沈む沼。溢れる湖
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閑話 ~花の夢~



 花園の記憶。

 色とりどりの花が揺れ、香る香りは甘かったり涼やかだったり。


 物心ついて唯一美しいと思った景色。


 世界はもっと汚くて、救いようがなくて。

 だから思ったのだ。汚いものが生きる世界なのだと。


 美しいものは幻想だと。夢の中だけに存在する。


 それまで見て来たものもそうだったし、それから目にしたものもそうだった。

 世界は汚い。どうしようもない。


 それを見ている己もまた汚い。

 汚濁と腐臭ばかり。


 あの花園の景色は夢の中。

 女神が見た夢に違いない。



「才がある」



 拾われて、それまで手にできなかったものを手にしてみても。

 綺麗な花弁かと思えば、触れた先から腐ってしまう。枯れてしまう。


 世界はやはり汚濁と腐臭に塗れて。

 同じ悪臭を振り撒く己の手を呪ったこともある。



  ※   ※   ※ 


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