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男性王国日本  作者: 初任者
第1章
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第2話ー留学生ー

久保竹のあだ名が分かりにくいということで変更しました。

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第1章

第2話

ー留学生ー

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日本が突如として異世界に転移した通称【日本転移事件(にほんてんいじけん)】が起きて10ヶ月が経とうとしていた。


当時は『ワームホールが云々(ワームホール説)』『いや、これは政府の陰謀云々(政府陰謀説)』『某国新兵器云々(新兵器説)』『徹夜しすぎて現実と妄想が分からなくなっちまったよ』『これは魔法少女達の奇跡云々』と色々な議論がネットでなされていた。


でも、最後の魔法少女は無いと思う。あと徹夜の人は是非寝てくれ………そして現実を受け入れてくれ。


さて、そんな世界で自給率の低さにより資源不足に陥りそうになり混乱した日本だったが、10ヶ月経った現在は安定した貿易で一先ずの安定を得た。



ーーーそう、留学生をこの世界の国に出すぐらいには。



*********

○日本国○

○とあるホール○



そのホールには白い机と椅子が並んで置かれていた。 そしてその席に日本人学生達が座っていた。 その数約30名。



ーーー全員が大扶桑帝国への留学者である。



全国各地から集まったため所属している学校はバラバラである。 北海道から沖縄まで各地から希望者集められている。


今日は明日から出発予定の留学についてのオリエンテーションである。



「ーーーしかし、こんなご時世でよく情報のない国に行こうと思ったな?」



学生服姿の青年こと俺【氷室(ひむろ) 緋色(ひいろ)】はボケーっと前を見ながら素朴な疑問を呟く。



「そういう、氷室君だって参加してるじゃん♪」



俺の隣の席に座る巨人こと【久保竹(くぼたけ) 一馬(かずま)】がニコニコと微笑みを浮かべてツッコミを入れてくる。


一馬ーーー俺達の仲間内は【ダラ】というあだ名で呼んでいるがーーーダラは俺の友人であり、今回参加する留学生の一員でもある。


なお、あだ名の由来は彼の出身地に伝わる巨人【デイダラボッチ】からきている。さらに言えば昔はぼっちと呼んでいたが、流石に………ということでダラになった。



「まあ、色々と思うことがあってな………そういうお前はどうなんだ?」

「えー、普通に帝政の国を見てみたいなぁってね? それと異世界なんて面白そうじゃん♪」



久保竹がそう言って笑顔を浮かべる。



「そういえば、海外旅行好きだっけ?」

「応よ‼︎ 台湾は毎年行くし、台湾行かない時はフィリピンとかマレーシアとかインドネシアにも行ってるぞ? 今年からはもうどの国にも行けないけども」

「ヨーロッパとかアメリカとかは行かないのか?」

「遠いから、金もないし」

「そういえば、この留学の費用はお土産代まで大扶桑帝国が負担してくれるって話だったよな?」



そう、今回の留学の費用はすべて留学先の大扶桑帝国の負担となっていた。 おまけにお土産代も2万円以内なら可という話だ。



「俺それに惹かれて参加したクチだぜ?」

「日本が出すならともかくとして大扶桑帝国が費用を出す理由が分からん。 何か裏があるかもな」

「なるへそなるへそ、ok分かったぜ」



久保竹が親指を立てる。 本当に理解したか? 怪しいな。



「つまり、これは大扶桑帝国の陰謀」

「やたらめったらなこと言うな馬鹿」



久保竹のデコにデコピンを食らわせる。



「いて」

「つか、相変わらずデコピンしにくいな。 縮めや」



俺の身長は170㎝だが、久保竹の身長は190㎝越えであり、少々デコピンしにくい身長差である。 席を立ってたらかなりやりにくかった。



「いやー、これでもやっと身長の成長は止まったんだぜ?」

「体重は?」

「10㎏痩せて100ジャスト」

「110㎏もあったんかい………」



ふっと時計を見るとそろそろオリエンテーションの時間であった。



『それではそろそろオリエンテーションを始めさせていただきたいと思います。席についていない人は席についてください』



司会役と思われる男性がマイクを使って留学生達にオリエンテーション開催を伝える。



「はてさて、どうなることやら」



*********

******

***



『ーーーっと、ここまでが留学の流れになります』



司会役の外務省職員の男が留学の流れの説明を終える。



『なお、この世界のことは未だ情報収集の最中で詳しい情報が集まり切っていません。 各々文化の違いなどに注意して生活してください。 これにてオリエンテーションを終了いたします。 当日また会いましょう』



外務省職員が壇上を降りる。



「ダラはこの後どうする?」

「特に予定はないけど………どうせならいつものメンバーで集まるか? いつものファミレスで」

「そうするか」



俺と久保竹は会場を見渡す。



「おーい、ダラニキと緋色ニキ」



俺達の前にヘッドホンを首元につけた学生服姿の青年ーーー【近藤(こんどう)昌幸(まさゆき)】が現れる。



「どこいたんだ? 近藤君」

「翼ニキと前の席にいたぜ?」

「全然気付かんかった」

「酷w」

「僕も忘れないでよ〜」



近藤の後ろから眼鏡をかけた学生服姿の青年ーーー【夕霧(ゆうぎり) (つばさ)】が現れる。


久保竹、近藤、夕霧に俺を加えたのがいつもいる仲良しグループである。


おまけに、この4人共に留学に参加する留学生でもある。



「あ、これからいつものファミレス行こうって話してたんだけど、2人も行かないか?」



久保竹が近藤と夕霧を誘う。



「わりっ、今日は積みゲーやるつもりでさ。留学前に終わらせておきたいんだよ」

「僕は学校の課題を片付けないと。 締め切りより早くやらないと留学の日になっちゃうからさ」

「そうか、ならしょうがないな。 氷室君はどうする?」



久保竹が俺の方を向く。



「そうだな………今日は留学の買い出しに行きたいからファミレスはやめておこうかな? 代わりに買い物に付き合ってくれないか?」

「ok」



久保竹が親指を立ててニッコリと笑顔を見せる。



「それじゃ、またな」

「うん、また明日」

「またなー」

「また明日」



俺達は別々のところに向かった。



*********

相模原市(さがみはらし)

上溝駅(かみみぞえき)



「やっと戻ってこれたな」



俺は背を伸ばす。



「で、あとはどこに買い物行くんだ? さっき町田(まちだ)で色々買ったけども」



久保竹が首を傾ける。その手には俺と共に購入した物が袋に入っていた。



「先ずは【ダニェー】、次に本屋かな?」

「ok」



俺達は【チェーン店スーパー:ダニェー】に向かって歩き始める。



「そういえば【魔神旅行記〜南米編〜】の新刊が出てたな。 ついでに買うかな?」

「なにそれ?」

「新しく生まれた新人魔神が先輩魔神ちゃんと各国を回って神話を紐解いていく漫画だよ。 いやー、先輩魔神ちゃんが可愛くて可愛くて」

「なにそれ面白そう」

「………でも、考えてみればこの漫画も終わっちまうかもな。 こんな事があった後だし」

「………」



無言のまま足を進める。



「でも、俺は日本的には良かったかなとは思うんだよこの事件が起きて」

「え?」



俺は久保竹を見る。



「ほら、地球だと大日本帝国時代のことで一部のアジアの国から批判され続けてたろ? 重なった恨みってのはいつになってもわだかまりを残すもんだからな」



久保竹は空を見上げる。



「ーーー"関係のリセット"ってのかな?まるでゲーム機のリセットボタンを押したみたいなもんだろ? 今回の一件はさ?」

「まあ、見方によってはそうだな。 リセットよりステージを変えたって方が似てると思うぞ」



だって、リセットの場合は元の国は残ってるわけだし。



「あー、それもそうか」

「で、そのリセットが何だってんだ?」

「いや、だから関係のリセットができて良かったかな? って話だよ。 まあ、友好(親日)国とも別れてしまったのは辛いけどな」

「そういえば、国内の外国人が消えたって話があったな」



久保竹の話をしてて思い出したが、現在一部の日本国籍を持つ外人以外外国人が日本から消えたらしい。 詳しくは調査中らしいが在日米軍は丸ごと消え、観光客も消えたらしい。



「ああ、そうみたいだな………ま、つまりマイナスもプラスもないんだから頑張ろうぜって話だよ」

「そ、そうか」



俺は衝撃を受けていた。



ーーーまさか、久保竹がここまで国際情勢を気にかけていたとは。 てっきりゲームアニメ漫画小説ばかりだと思っていた。



「お、着いたぜ。 ダニェーだ」



俺と久保竹はダニェーに入店した。


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第2話

ー留学生ー

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