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男性王国日本  作者: 初任者
第1章
16/35

第16話ーナイトイベントー

久しぶりの投稿です。

二次創作が詰まったので、しばらくはこっちに集中すると思います。

もしかしたら新作小説を出すかもです(制作中)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

第1章

第16話

ーナイトイベントー

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俺達は基本的にオタクという人種である。漫画にアニメに映画に小説にゲームにアニソンにと、まあ日本によくいるオタクである。


そんなオタクが集まってすることといえば…………。



*********

○真白家○

○客室○



「持ってけ‼︎ フルコンボ‼︎」



俺は手に持ったタブレットを連打する。



「ギャース⁉︎ 必殺技決まっちまったぁああ‼︎」



近藤が悲鳴をあげる。



「ああ、俺まで効くんじゃぁ(白目)」



久保竹が巻き添えを食らったようだ。



「えげつないねぇ」



夕霧が苦そうな笑みを浮かべる。



「最近忙しくてまともにマルチプレイできなかったからな。久しぶりのゲームでテンション上がってんだよ」



瞬間、俺の画面にwinの文字が浮かぶ。



「そういえば、この前買ってた本とか読んだのか?」



俺は小説を購入していた久保竹と漫画を購入していた夕霧と近藤に問う。



「うーん、まあ面白かったけれど、やっぱり読んでて違和感があったな」



そう言いつつ、久保竹がコーヒーを手に取る。



「俺は少年、こっちだと少女漫画だったけど………主人公を男から女にしただけで特に問題はなかったぞ?まあ、この世界と同じで男女比率がとんでもなかったけれど」



近藤がお菓子の袋を開けながら答える。



「うーん、僕の買ったのは【私が男性王国に行ったら】って本で………うん、日本に行った扶桑人の逆ハーものだったよ」



タブレットの汚れを拭き取りながら、夕霧が苦い笑みを浮かべる。どうやら趣味ではなかったようだ。



「まあ、文化の違いは出るか………販売ターゲットというか読者層も日本とは違うだろうしな」



俺達4人は頷く。



「あ、そういえば、文化の違いといえば、歓迎会で広報委員の飯田から聞いたんだけど」



近藤が切り出す。



「飯田?………誰だっけか?」



久保竹が首を捻らせている。本気で覚えてないようだ。



「ほら、サッカー試合で解説してた………」

「ああ、あのコンビの片割れか」

「ダラニキは相変わらず人の名前と顔を覚えるのが苦手だな………」



俺も思い出した。確かサッカーの試合で解説をしていた放送委員の片割れで、名前は確か飯田 美湖だ。



「その飯田さんがどうかしたのか?」

「ん?ああ、その飯田から聞いたんだけどさ。 なんか明日から白銀連合王国って国から留学生達がくるらしいぞ?」

「白銀連合王国?確かその国って………」



白銀連合王国の名前に、夕霧が反応する。



「そう、この世界の列強国の1角で、世界3位の大国らしい」

「昔は世界1位の国だって聞いたよ?【世界王者】なんて呼ばれてたらしいし」



夕霧が補足情報を加える。



「んで、注意されたんだよ。"白銀連合王国は腹黒で有名だから、会話する時とか揚げ足取られないように気をつけて"ってさ」

「イギリスかよ」



久保竹がツッコミを入れる。



「確かにイギリスっぽい国だよな」

「興味深いな。今度他の国も調べておくか」



ゲームそっちのけで他国の話題で盛り上がる。



「そういえば、旅行慣れしてるダラニキからして、この国はどうよ?」



近藤が久保竹に感想を求める。



「あー、それな。どちらかといえば海外ってよりは、日本の田舎町というか昔の昭和初期ぐらいの日本にいるみたいだな」

「確かに言語は日本語、こっちだと扶桑語だけど、中身は同じだもんね」



そう、久保竹や夕霧の言う通り、言語や見た目が日本人に近い扶桑人は、俺から見ても外国人に見えなかった。



「正直タイムスリップでもしたような気分だぜ? 文化も結構似てるしな。海外きたはずなのに、全くそんな気がしない」



久保竹が肩をすくめる。



「ま、これはこれで面白いけどな」



ニヤリと久保竹が笑みを浮かべる。



「近藤君はどうなんだ?最初海外苦手だから来ないって言ってたけれども」



久保竹が近藤に問いを投げかける。



「楽しい、かな? 色々あったけど、来てよかったと思う。翼ニキはどうよ?」



近藤が夕霧に問いかける。



「僕はそれなりに楽しんでるよ? 流石に告白は驚いたけど」

「「「告白ッ⁉︎」」」



全員の顔が夕霧に向かう。



「「「こ、告白されたのか?」」」

「………え? あ、うん。すぐ帰国するからごめんなさいしたけど」



無言の空間が出来上がる。空気が重い。



「た、多分だけど、皆も告白されると思うよ………そして、びっくりすると思うよ」

「そうか?」



久保竹が首をひねる。



「この国ではモテるって言われてもなぁ」

「ああ、俺らだしなぁ」



俺ら4人は日本では全くモテなかった。人生で彼女を作ったというか作れたことなど全くの皆無。そんな俺達が世界が変わったとはいえ、すぐにモテるなんてことを受け入れられるはずもない。



「で、どんな告白だったんだ?相手のことは聞かないから流れくらい話してくれよ」



久保竹が夕霧の腹を指でつつく。



「うーん、結婚してくださいって"履歴書"渡された」

「「「………履歴書?」」」

「うん、履歴書」



再び場が無言に包まれる。



「えっと、就職とかに使われる履歴書?」

「いや、詳しく聞いたけど、この国だけじゃなくて、この世界じゃあ結婚や交際を申し込む時に、女性が婚活履歴書ってのを男性に渡すらしいよ?それを見てこの世界の男性は付き合うか結婚するかを決めるらしいよ」

「うわ⁉︎ 告白に書類審査があるのかよ⁉︎ 嫌な風習だな………」



俺達はドン引きしていた。この世界の婚活履歴書とやらに。


正直言って、ど、ごほん。独り身を拗ねらせている俺らからしたら、告白とはもっと神聖なものであるのに、そんなビジネスライクな告白された日にはドン引きするだろう。付き合うかはともかく、な。



「なんとかお友達からでって収めたけど、ガンガン来そうで今から戦々恐々としてるよ」

「お、おう、流石に翼ニキだぜ」



何が流石か分からんが、近藤は納得したようだ。



「うーん告白か。確かにあまり長く滞在しない俺達と付き合っても、超がつくほどの遠距離恋愛になるしなぁ」



久保竹が頭をぽりぽりとかきながら、不安要素をつぶやく。


しかし、久保竹の話も一理ある。俺達はただの高校生だ。流石に国を超えての遠距離恋愛は遠い。



「一先ず、断る方針で行こう。本気の時は4人で相談すればいいさ」

「だな」「だね」「了解」



こうして、俺達の夜が更けていく。



☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆



突如として政府を打倒して誕生した黒曜総帥国。その外交は手探りのスタートであった。


何せ外交を行っていたのは汚職した人間ばかりであり、その全員が今や裁判待ちであった。


しかし、そんな場所に運悪くというべきか、革命のその日から黒曜総帥国に滞在していたとある国の外交官がいた。



ーーー日本国の外交官であった。



*********

○黒曜総帥国○

○暫定政府城○



かつては帝政であった名残である王城は、今や政府の中心部としての働きをしていた。


そんな場所の一部屋に2人の人間が対面で座っていた。



「【メアリー・フォン・メフィト】外務大臣に命ずる」



ソファーに体を預けたスーツ姿の少女は、目の前に座るメガネをかけた中学生くらいの少女を指差す。



「男性王国ニホン国へ赴き、ニホン国との国交を樹立せよ。隙あらば、内通者を作れ」

「………です」



メガネの少女は、うつむいた頭をプルプルと震わせながらつぶやく。


ーーーそして。



「無理ですって‼︎ ぜっっったい無理‼︎」



メガネの少女はワンワンと泣き始める。



「総帥閣下だって私が男性恐怖症なの知ってるでしょーーー‼︎ なんで私なんですかーーー‼︎」

「優秀だから」

「ちくしょうめぇえええ‼︎」



その時、部屋がノックされドアが開く。



「失礼します。総帥閣下、大臣の声が外まで聞こえていましたよ?」



軍服姿の中年男性が入室する。



「あー、すまんな」

「まだ説得できないのですか?」

「ああ、よほど男が嫌いと見える」

「嫌いじゃなくて、怖いんですよぉおおおお‼︎」



メガネの少女は叫ぶ。



「男を屈服させようという気概くらい出せ。お前は黒曜総帥国の大臣なのだぞ?」

「無理無理無理無理無理無理無理無理‼︎」



メガネの少女は頭を高速で横に振る。



「【ヘルメット君】ならともかく、海外の高官相手なんて………自国の一般男性でも無理なのに………」

「ヘルメット君ではなく、【ヘルダー・メット】です」



軍服の男ことヘルダーが名前を訂正する。



「ところで、どうしてニホン国なのですか?あえて謎の多いニホン国に大臣を?」

「男性王国という部分とその娯楽文化が前に出ていて、白銀連合王国らも見逃しているのかもしれんが………ニホン国は軍事技術だけでなく、科学技術が飛び抜けて進んでいる」

「そうなのですか?」



ヘルダーと大臣は驚愕の表情を浮かべる。



「ああ、革命前にニホン国に行ったことがあってな。父の仕事の関係だったが、観光する暇もあった」



少女こと総帥は一冊の本を取り出す。



「これによると、我が国程度の技術力は70年前ほどにはチキュウにはあったそうだ」

「な、70年前、ですか?」

「は、半世紀以上前にですかッ⁉︎」



2人は絶望感にとらわれる。



「我が国でも研究しているが未だに全く芽の出ないジェット機の技術だけでもその技術差は高いだろう」



総帥は両目を閉じる。



「ニホン国の技術を吸収し、再び列強………いや、世界の大国となる。そのためにはニホン国をこちらに引き込む必要があるのだ」



そう、それは男性目当ての他国とは違う目的であり、軍事野心的目的であった。



「………わ、分かりました。に、ニホン国に、い、行きます」

「おお、行ってくれるか」



総帥は大臣の言葉に笑みを浮かべる。



「その代わりヘルメット君も連れて行かせてください。盾にします」

「いいぞ」



大臣の提案に総帥はゴーサインを出す。



「ヘルメット君じゃなくてヘルダーです‼︎ というか肉壁にする気ですか⁉︎ というか、総帥も許可しないでください‼︎ 俺は宣伝省の所属で………‼︎」

「ついでにニホン国に我が国を宣伝してこい」

「ち、ちくしょうめぇえええ‼︎」



ヘルダーは大臣に引きずられていく。



「そ、総帥閣下ぁあああ⁉︎」

ーーーバタン。



☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りsideEND○

☆☆☆☆☆☆☆☆




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第1章

第16話

ーナイトイベントー

エンド

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