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男性王国日本  作者: 初任者
第1章
12/35

第12話ーそれぞれの趣味ー

今回少し短めかもです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

第1章

第12話

ーそれぞれの趣味ー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー



☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆



久保竹にとって、それは趣味であった。その趣味が、時に危険な事は分かっているが、気をつけていれば問題なかった。


外国でやっても、それほど問題になったこともない。



ーーー久保竹の趣味とは………。



*********

○真白家○

○廊下○



「え? ちょっとそれは許可しかねます………」



警備の女性は、申し訳なさそうな声で久保竹の趣味の許可を却下する。



「やっぱりダメですか? これでも格闘技とかやってるんで護身術くらいはできますが………」



しかし、久保竹はごねる。



「いえ、いくらなんでもそれは危険なので………」

「まあ、そうだとは思いますが………」



久保竹は考え込む。



「ーーーダラニキ何やってんだ?」



丁度近くを通った近藤が久保竹に声をかける。



「うーん、ちょっと趣味をなぁ」

「趣味? アニメとか漫画か?」

「あ、いや、そっちじゃなくてな」



久保竹が頭をぽりぽりと恥ずかしそうにかく。



「いえ、外出されたいらしく」



近藤の問いに、警備の女性が答える。



「夜間の散歩が趣味でな。海外でもやってたんだが…………」



そう、久保竹の趣味は夜の散歩であった。変な意味でなく純粋な意味での散歩であり、音楽を聴きながら夜の道を歩くのが久保竹の趣味であった。


それは外国でも変わらなかった。ただし外国では、比較的夜間でも早い時間にそして狭い範囲で人の多いところを通っていたために、久保竹が犯罪に巻き込まれる事はなかった。



「外出か。 そういえば、俺もお菓子買い足しておきたいんだよなぁ」



近藤が呟く。



「あれ?2人共どうしたの?」

「ん?何かあったのか?」



夕霧と氷室が合流する。



「いや、かくかくしかじか」

「なるほど、夜の散歩か」



氷室がウンウンと頷いてから、真剣な表情になる。



「無理だろ。日中に護衛を頼んでからにしたほうがいいって」

「まあ、そうなんだが………」



久保竹は諦めの表情を浮かべている。



「ーーーいいじゃない‼︎ 行きましょう‼︎」



そう言い放ったのは真白 琴美であった。



☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りsideEND○

☆☆☆☆☆☆☆☆



というわけで、夜の街に繰り出すことになった俺達は真白家から車で十数分の大型商店に来ていた。



*********

○【商店:ルブルブ】○



「ほーん、なるほどなるほど、この国にも本屋とゲーム屋が合体したような店があるんだな」



この前行ったショッピングモールには本屋くらいはあったようだがゲーム屋とかはなかったために、俺達オタクにとっては死活問題であった。



「ルブルブは最近できた日本式のお店よ?」



そういうのは琴美さんである。



「日本の文化はこの国に多大な影響を与えたわ。特にこういう創作文化はね」



そう言って、琴美さんは本を手に取る。 それは日本で最近発売されて人気になっているラノベであった。



「正直言えば扶桑の創作文化は日本ほどでわないわ。ついでに言えばゲームといえばボードゲームだったわ」

「それはなんとも………」

「故に、日本式文化は衝撃をもって受け止められた。今じゃ、日本式文化を元に扶桑の創作文化は急成長を開始してるわ。ここもその一つよ」



琴美さんが別の本を手に取る。それは見覚えのない題名のラノベであった。



「これは日本式の手法で書かれた本よ。そして、こういった日本式の物をまとめたのがこのルブルブってわけ」

「なるほど………ん?ってことは日本のものがほぼほぼってことですか?」

「急成長中といってもまだまだ始まったばかりだから………」

「なるほど………」



しかし、3人共楽しんでいるようだ。



「………」



久保竹は無言でラノベコーナーを見ている。



「あ、これ買い忘れてたやつ」



夕霧が日本のアニメビデオを手に取る。



「この歌いいな。歌ってるのは………」



近藤が音楽を聴きながら、CDを手にする。



「さて、俺も………」



俺が漫画コーナーに行くと、琴美さんが背後から付いてくる。



「あ、あの………」

「護衛ですから」



ニコリと琴美さんが微笑む。



「は、はぁ………」



俺はしばらく漫画を物色し、扶桑の作家さんの本を数冊購入した。



ーーー。

ーーー人。

ーーーは、ーーー。

ーーー元に。



「ん? なんか言ったか?ダラ」

「それ飛行機の時も言ってなかった? 何も言ってないよ。 店内の放送の声じゃない?」

「そう、か」



☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆



ーーー日本消失事件。

地球でそう言われる日本列島消失事件は、世界にありとあらゆる衝撃を与えた。


始めに問題が起きたのは、日本と友好関係にありしかし反日を活発化させていた大韓民国であった。



ーーー第二次朝鮮戦争の勃発である。日本という後ろ盾を失った隙をついた奇襲であった。



とはいえ、最初のうちは韓国軍だけでも北朝鮮軍を押しとどめていた。そう、最初のうちは。


日本列島がなくなったがために、大韓民国の最大支援者であるアメリカの支援が大韓民国に届きにくくなったのだ。


しかし、韓国の悲劇は続く。なんと、アメリカの新大統領がゴリゴリの反韓感情を抱いており、おまけとばかりに過去に日本人に助けられたことのある親日派だったのだ。



「日本を消滅に追いやったのは大韓民国だ。彼らは異常な反日で日本を消滅に追いやったのだ。そして、彼らは自滅の道をたどっている」



アメリカの新大統領の言葉である。この言葉には根拠などは一切なかったが、日本マネーが消えて煽りを受けた世界中の被害者達はその言葉に反応した。



「韓国のせいだ‼︎」

「俺はあの事件で職場を失ったんだぞ‼︎」

「お前達の反日に何故俺達が巻き込まれなければならない‼︎」



慰安婦像の破壊など反韓暴動や反韓デモが、日本の影響のある国家で多発した。 さらには国内までも………。



「日本が消えて輸出が大赤字に‼︎」

「いや、そもそも日本から機械やら色々買ってたのに、日本がいないのでは………‼︎」

「これも大統領のせいだ‼︎ 政府のせいだ‼︎」

「弾劾だ‼︎」



韓国が荒れる中、北朝鮮も危機を迎えていた。



ーーー中華人民共和国にて同時多発クーデター。



これにより中国は、元の中華人民共和国共産党政府、真の腐敗なき共産主義を目指す【真中華主義】、資本主義社会を目指す【民主化中華】、そして軍閥や少数民族と国が幾つにも割れた。


これにより支援を受けていた北朝鮮は支援をまともに受けられなくなり、第二次朝鮮戦争は千日手の様相を呈していた。


しかし、世界の混乱は続く。



ーーーウクライナをめぐりEUとロシアが開戦。

ーーー中東にて大規模テロ組織連合が結成。勢力を拡大。

ーーーアフリカ中心部に独裁ファシスト国家が建国。周囲の国家を武力により吸収。

ーーーアジアの国家がアメリカの影響下からの独立を宣言。新アジア連合体制を結成。



流れるように世界は混乱していった。


しかし、これは全てとは言わないでもいくつかは日本を失ったがために起きたことであった。



ーーー日本がいれば、日本とアメリカの介入を恐れた北朝鮮が宣戦布告してこなかったかもしれない。

ーーー日本がいれば、大韓民国はアメリカから支援を受けれていた。

ーーー日本がいれば、アメリカの反韓親日大統領でも、日本に甘い顔を見せることで反韓感情が薄れたかもしれない。

ーーー日本がいれば、中華人民共和国共産党政府は日本を敵としてある程度はまとまることができたかもしれない。

ーーー日本がいれば、日本マネーを失ったロシアは慌ててウクライナに手を出さなかったかもしれない。

ーーー日本がいれば、日本がいれば、日本が日本が日本が………。



混乱の中、地球の人々は考えていた。



「「「日本よ、何故消えた」」」



とある歴史研究家はこう呟いたという。



「平成が続けばよかったのに」



☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りsideEND

☆☆☆☆☆☆☆☆


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エンド

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― 新着の感想 ―
[良い点] 当たらずとも遠からず… もし日本が消えたら大体この通りになるだろうね というよりもっと悲惨なことに… [一言] 面白い! 是非続きをお願いします!
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