第11話ー検査ー
だいぶ遅くなりました‼︎
同人小説書いてたらついつい………。
それではどうぞ‼︎
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第1章
第11話
ー検査ー
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学校初日も無事に終え、授業中別室で待機していた護衛の方々に送迎された俺達は………巨大な神社にいた。
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○【神見寺】○
「「「「oh、ビック」」」」
俺達は巨大な寺を見上げる。まるで漫画の世界の建物のような、現実離れした大きさである。
というよりも、もはやその見た目は城である。木造の城というべきだろうか?
「神見寺。私達の国の国教【大見波教】の総本山ですよ」
篠暮さんがニコニコと微笑みながら、この場所の説明をしてくれる。
「なお、琴美は急遽軍に呼び出されて、本日は欠席となっております」
「「「「は、はぁ」」」」
俺達は篠暮さんに案内されて、中へと進む。
「すげぇ、世界遺産並みだろ」
近藤が辺りを見渡しながら呟く。
「そういえば、世界遺産に類似するシステムはこの世界にあるのかな? 加護とかあるってことは神殿や神社も実用的なものってことだろうし」
「歴史的遺産の保護のシステムはありますよ? ただ神社や神殿は対象外になってますが………」
夕霧の疑問に、篠暮さんが答える。
「ーーーん?やっと来たかみぃ?」
建物の入り口にピンク色の巫女服を着た女性が立っており、その女性が声をかけてくるーーーつか、その語尾何?
「【大巫女】様」
「篠暮ちゃん、息災だったみぃ?」
篠暮さんと女性こと大巫女さん?が挨拶を交わす。
「留学生諸君よく来たみぃ。連絡は受けてるみぃ。私は大巫女と呼ばれているみぃ。名前は捨てたから大巫女と呼ぶみぃ」
「「「「よろしくお願いします」」」」
自己紹介も終え、俺達は城のような建物の中に入る。
「(さて、どうなることやら)」
ーーー今日俺達がここに着た理由は、ククルカンもといい加護のためである。
たまに貰うと危険な加護もあるらしく、解析のためにこの大扶桑帝国の国教の中心部まで来たのだ。
なお、ホームステイ先から車で40分程であった。
「さて、ここみぃ」
ドアを開けて入ると、なにやら神棚とでもいえばいいのだろうか?捧げ物の並べられた棚の前に座布団が置かれている部屋があった。
「さあ、座って座ってみぃ」
俺達は並べられた座布団に座っていく。
「君が加護を受けた子みぃね?」
いつのまにか右手を持たれていた俺は、びくりと体を揺らす。
「ふむふむ………これは間違いなく」
「「「「間違いなく………」」」」
全員がゴクリと唾を飲み込む。
「ーーー"知らない加護"みぃ」
「知らない加護?」
篠暮さんが身を乗り出して問う。
「そうみぃ、多分異世界の神様みぃね。 蛇の神か精霊のような何かに心当たりないかみぃ?」
俺は少し考え込む………あっ。
「そういえば………ダラ」
「ん?何?」
久保竹が俺を見る。
「うちの近くにある社覚えてるか?」
「社?どこの?」
久保竹が眉間にしわを寄せる。
「ほら、公園横の竹だらけの」
「ああ、あの骨落ちてたところか?」
「なんか物騒なワードが聞こえてるんだけど⁉︎」
俺達の会話に近藤がツッコミを入れる。
「いや、家から少し歩いたところに竹藪の中にひっそりと社が立っててな。昔遊びに行った時に動物の骨を発見して、当時は人の骨かと焦ったぜ………で?その社がどうかしたか?」
「"蛇を祀ってなかったか?"」
俺の言葉に、久保竹が考え込む。
「………いや、あれは蛇かもしれんが、神様じゃなかったろ」
「詳しく覚えてないか?」
「よく覚えてないが、あれはどちらかといえば、鎮める意味合いが強かったと思うぞ?」
「鎮めるとはどういう意味みぃ?」
大巫女さんが久保竹に問いかける。
「えっと、なんて言ったらいいのかな? 専門知識はないから素人説明になりますけど………日本では怨霊やら危険な霊や怒れる神を、祀ることで鎮めることがあるんです」
「なるほどみぃ」
ウンウンと頷いている。
「一先ず悪いものではないみたいみぃ。加護の元が気にはなるけど、気にしすぎない方がいいと思うみぃ」
「俺も今度家族に聞いてみるわ」
「おう、頼む。大巫女様もありがとうございました」
俺は頭を下げる。
「加護からは神気を感じるみぃ。 昔はあれなものだったかもしれないけど、今は立派な神様みぃよ………それよりも」
大巫女さんの視線が久保竹に向かう。
「ちょっと背中見せるみぃ」
「えっ、ちょ」
大巫女さんが久保竹の背中を、服の上からジィッと見る。
「この子も加護受けてるみぃ」
「「「「「えっ?」」」」」
全員が絶句する。
「そこの子とそこの子も加護までいかなくても、微弱な神気を感じるみぃ」
「え、えぇええ」
篠暮さんが目を白黒させている。
「この子の加護からは巨人が見えるみぃ」
「おい、ダラ」
「え? 俺で巨人って言ったらあれしか思いつかんぞ」
俺達留学生4人組の中で、1つの名前が思い浮かぶ。
ーーーデイダラボッチ。
久保竹のあだ名の元である。
「分かってるなら構わないみぃが、特に加護を見る限りは悪影響はなさそうみぃ」
「ほっ」
久保竹が安堵の表情を浮かべる。
「大巫女様、申し訳ございませんが………」
「あとで行くみぃ」
大巫女さんが立ち上がる。
「それじゃ、これで私は失礼するみぃ。留学生諸君は観光でも楽しんでいってほしいみぃ。 ここは外国人が普通は入れない場所だからみぃ」
大巫女さんが立ち去る。
「それでは、見学でもしてから帰りましょう」
*********
○数時間後○
○真白家○
○留学生寝室○
「学校初日は疲れたな」
俺は畳の部屋に腰を下ろす。
「まさか初っ端からサッカーをする羽目になるとは」
「ダラニキと氷室ニキのタッグは無理筋だと思う」
久保竹がお茶のペットボトル片手に呟き、近藤が疲れ切った表情を浮かべる。
「………というか、思ったんだけど」
その中、夕霧が結局使わなかった教科書をバックから出しながら全員に言う。
「やっぱり、異世界だなぁって思うよね」
「まあ、そうだな」「うん」「だな」
俺達は頷く。
「加護やら男女比率の偏り、さらには国家イデオロギーすら違う………まさかここまでとは思わなかったな」
俺は思わずため息を吐き出す。
「確かに異世界がここまでとは思わなかったが………逆に言えば、こうでなくては異世界じゃないとは思わないか?」
俺はニヤリと笑みを浮かべる。
「確かに」
近藤が頷く。
「だね」
夕霧が微笑む。
「その通り‼︎」
久保竹が俺と同じくニヤリと笑みを浮かべる。
「明日は個人個人で積極的に動いてみよう。あまり固まっていてもこの世界のことはよくわからないだろうし」
「「「了解」」」
こうして、2日目は終わろうとしていた。
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エンド
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