第1話ー始まりー
気付いたら出来てました。
8月2日に編集行いました。
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第1章
第1話
ー始まりー
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○語りside○
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蒼歴1994年。 世界は深刻な問題に直面していた。
それは人類が滅亡する可能性すらある大問題であった。
しかし、それは核戦争でもなく、世界大戦でも、大飢饉による飢餓でも、好戦的な宇宙人の来襲でもなかった。
ーーー『1対32.5』。
これはとある比率である。 たかが数字ではあるが、これこそすべての問題を表す比率であった。
そして、この比率は何かと言えば。
ーーー『人類総人口の男女比率』
女性32.5人に対して男性1人。それがこの世界の男女比率であった。
各国に多少の数値の違いがあるものの、世界平均男女比が『1対32.5』という比率である。
無論各国もただ指をくわえていたわけではない。 一夫多妻制や給付金制度、人工授精など様々な手法がとられたーーーが、その努力は結果として実らず、それどころか、年々その比率が離れてゆき、現在の『1対32.5』まで落ち込んでしまった。
そして、男性が減少を続けていった結果、男性は宝として扱われ、ほとんど人前に出てくることはなくなった。
一生独身どころか男性の実物を一生見ない女性も現れ始め、人類滅亡のカウントダウンが始まったと叫ばれるそんな世界。
しかし、そんな世界に転機が訪れた。
男性が減り続けるその世界に突如として国が現れた。 建国などではなく。 "突如として現れた"のだ。
その国は自らを異世界から転移した異世界転移国家と主張した。
その国は世界各国との外交と貿易を求めようとしていた。
ーーーその国の名は。
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○【大扶桑帝国】○
○皇居○
大扶桑帝国の皇族が住まう皇居の一室に4人の男女がテーブルを囲んでいた。外国の外交官と話し合うその場は国家の財力を見せつける為に豪華な装飾品であふれていた。
「え、えっと、今なんとおっしゃいましたか?」
大扶桑帝国伯爵にして外務省の大物【七村 志穂子】は、先程まで浮かべていたにこやかな笑顔を硬くして目の前の女性外交官に問い直す。気のせいか冷や汗らしきものも浮かんでいる。
にこやかな笑顔を崩したことのない故に【笑顔の外交官】の異名すら持つ七村 志穂子の異常。 しかし、護衛についていた精鋭ボディーガードもそれは仕方ないと思った。 なにせ、今この外交官の言った言葉はそれ程衝撃的であった。
「え? "我が国の男女比はほぼ1対1だったと記憶しております"とお答えさせていただいたのですが?」
女性外交官は先程告げた言葉を思い出しながら答える。 確か先程の会話はこうだったはずだ。
『貴国の使節団は大分男性が多いようですが、貴国の人口は男性が多いようですね?』
『そうですか? そこまで多くないと思いますが………確か、我が国の男女比はほぼ1対1だったと記憶しておりますが?』
ーーー特になんの問題もない言葉、よね?
「申し訳ございません、それは事実ですか?」
「え?ええ、国を出る前のニュースでやってたので、間違いないと思いますが………」
女性外交官は少し前のニュースを思い出す。 そのニュースは確か人口増減を取り扱ったニュースで、その際に男女の比率も言っていたはずだ。
「確か、誤差程度に女性が多かった気がしますが、間違いなくほぼ1対1だった筈ですが」
「「な、な、な」」
大扶桑帝国の2人に激震が走る。 もしもそれが本当であれば、この女性外交官の国はこの世界で最も必要とされる資源である『男』の宝庫である。
「き、貴国の人口は?」
「約1億2500万人です」
その半分が男である。 まさに大扶桑帝国からすれば男資源の山である。 なお、大扶桑帝国の総人口は約9800万人。その内男は約300万人………その差は歴然としていた。
まさに男という資源の宝石箱とも呼べる国であった。
七村 志穂子は少し息を吐き出し、自らの使命を認識する。
ーーーなんとしても、この国と深いつながりを手に入れる必要がある。
「………国交樹立に向けて、交渉いたしましょう」
七村 志穂子はやっと笑顔を復活させたが、それを言うのがやっとであった。
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***
この後、国交樹立までノンストップで交渉は進み。 女性外交官の国に有利な形で友好条約も結ばれた。
女性外交官はホクホク顔で帰国したが、内心うまく行き過ぎではないかと思っていた。
そして、全世界に向けて、大扶桑帝国は発表した。 その事実を見せつける為に。
『我が大扶桑帝国は異世界から転移した国家【日本国】との国交樹立成立を正式に宣言する』
全世界及び政府高官以外の扶桑国民は頭をひねった。 と言うよりも色々と疑問に思った。
ーーーそもそも日本ってどんな国だ?
結果として様々な国の外交官達が日本を訪れ、その圧倒的な男性の数に愕然とした。
会社に向かうために電車にぎゅうぎゅう詰めにされるサラリーマン、学友と楽しく青春を謳歌する男子学生、テレビに出演する男性アイドルや芸人達………この世界では異様な光景が外交官達の目を釘付けにした。
そして、外交交渉の嵐が日本国外務省に吹き荒れることになる。それと男性アイドルのアルバムや、男性芸人のビデオなどが飛ぶように外交官達に売れた。
ーーー【男性王国日本】。
かつて地球で黄金の国ジパングと呼ばれた日本は、異世界の地にて男性の国日本と呼ばれていた。
そしてそんな異名が広まり始めた頃、大扶桑帝国の学者達がとある事実を発見する。それは大扶桑帝国の男と比べて日本男性の異常なまでの受精能力の強力さであった。 その能力は大扶桑帝国やこの世界の国家の男性の受精能力と比べると約10倍というとんでもない数値を叩き出した。その数値は下手すれば1回の行為で妊娠させることができるかも知れない数値であった。
全国家が日本という国に野心を持っていた。
ーーーこの国(の男)が(性的に)欲しい。
そんな中、先手を打ったのは………無論というべきか、大扶桑帝国であった。
それは、大扶桑帝国にとって、国家レベルの一大計画であった。
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○語りsideEND○
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第1章
第1話
ー始まりー
エンド
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次も完成し次第投稿します。