1−9 王冠と計画と
9話です!
白い鎖の光がおさまった。
そして、アキラの掌の上に、小さな王冠らしきものができていた。
が、すぐに消えてしまった。
どんな意味があるのだろうか?
そんなことより、
「エンゲージ...........!?
つまり、これって........!
わかってるんですか!?シルンさんは、もう僕の命令に逆らえないんですよ!
僕のいいなりですよ........
いいなり......なんですよね?」
『王』の命令には逆らえない。
これが本当なら、シルンは僕の命令をなんでも聞かなくてはいけない。
「..........いいなりに、.....なるしか.....ない.....。
.....でも、....いっぱい.....愛情を...............注いで.......ね.........」
...........悪くない。
いやだってそうでしょ!美少女がいいなりですよ!イイナリ!
漢として、人生に一回はそういう状況に憧れを持つでしょう!
しかも、なんかちょっと、言い方がエッチィし!
さら〜に!なんと獣人ちゃんである!
完璧だ.......パーフェクト!エクセレント!
「ちょっと、なにやってるのよ!シルン!
こいつは、耳と尻尾しか眼中にないのよ!」
相変わらず辛辣ですね!桜さん!
あと、桜とシルンの仲は温泉を経て、深まったらしい。互いに呼び捨てにしている。
というか、
「耳と尻尾以外も眼中に入ってますよ!
それに、僕は、『可愛い獣っ娘の』耳と尻尾がだいすきなんですぅ〜!」
「見なさいよ!こんなこと言ってるわよ!」
「...........そんな........可愛いだなんて.............嬉しい!.......」
シルンが顔を赤くして、少し体をクネクネさせている。
「「.........」」
このメンタルの図太さは予想外だなぁ〜。
「.........それに、.....『エンゲージ』には、.........『互いの』同意が、.......必要.......。
.........つまり、........両想い......。
.......アキラは、.....私個人を........受け入れて.......くれてる............キュン.........」
........キュン?
まあ、いい。言っていることは、あってる。
カワイイなぁ〜とか、可愛いなぁ〜とか、かわいいなぁ〜て思ってたし。
ん?かわいいしか言ってないって?仕方ないじゃん!かわいいんだもん!
シルンに対する肯定的な感情が同意ってことなのだろうか?
........ゆるくない?
「..........普通は......そんなこと....ない.......。
....アキラが、.........ダーリンが、...........スキだらけ.......なのかも.......」
どうして名前を言い直した?
そして今、心の中で思っていただけじゃなかった?
口に......出して.....ないよね?きっと、顔に文字が書いてあったのだろう.......。
スキだらけって.........なんか悲しい。
でも、それが本当なら........
「マジですか.......それじゃあ、僕に好感を持った人全員ほぼ無許可で、僕のメンバーになってくるわけですよね?
それ、不味くないですか?」
「.....まずい......非常に......。
...でも、........安心...して...。
.....アキラについた....悪い虫は、...........私が始末...するから........」
コワイ。目が笑っていらっしゃらない。
そういえば、
「どうして僕が王だってわかったんですか?やっぱりって言ってましたよね?」
「........王は、.......特殊な...能力を.........持ってる......。
アキラは、.............ダーリンは、..........耳とかを....隠せた.......」
わざと言い直しているよね?そうなんだよね?
にしても.....
「...........理由はそれだけですか?」
少々理由としては弱い気が........
「..........あとは.....乙女の....勘........キリッ........」
さいですか〜。
「本当にエンゲージしちゃってよかったんですか.......?変な要求をするかもしれませんよ〜」
「........人の.......王よりは、..........マシ........。
......それに.......アキラなら、.......どんな......要求....でも、............ご褒美.........」
人の王様嫌われてるなぁ〜。僕も嫌いだけど!
だって、こんな可愛い娘たちにひどいことをするなんて.........。
僕ならむしろ、ヒドイことをされた....ゲフンゲフン!
ま、まあいい。忘れよう。その方がお互いのためだ.........。
つまり、シルンが仲間になった、ということですね。
ならば、ちょうどいい機会だから、いっちょ重大発表といきますか!
「そういえば、僕たちの目的を話していませんでしたね。
僕と桜さんは.......................
『もふもふ計画』を実行しようとしてます!」
それは、僕が異世界に行ったら絶対にやると決めていた計画なのであった。
今日中に、あと一話ぐらい投稿する予定です。
お楽しみに!