1−26 獣人月歩 4
26話です!
ドガァァンッ!!
そんな音ともに、ジャッジメント・レイは、ルートベルトの『足元』を破壊した。
爆風とともに、破壊された地面の破片が宙に舞い、少しの時間、ルートベルトの視界を遮った。
「クソッ!!」
ルートベルトが叫んだ。
本当はルートベルトに当てるつもりだったが、あんな高速移動ができるなら、回避される可能性は高いと思って、地面にも当たるように撃ったのだ。
そうすれば、時間稼ぎにはなるだろうと思ったからだ。
そして時間を稼いでいるうちに............
に〜げるんだよ〜!!
僕は全力で逃げた。
確かにコロシアムからは出られない。
だが、コロシアム内ならどこにでもいける。
だから僕は、コロシアム内の武器が置いてあるところに向かった。
武器がなくちゃ話にならない。
コロシアムは、中心に魔法の壁でドーム状になっているバトルドームと言われている空間、
その周りに、飲食施設、戦士待機場、その他もろもろがある。
バトルドームの入り口は常に開いていて、いつでも出入り可能だ。
そして今、僕はバトルドームを出た。
「おい、アキラ!!
逃げるのは卑怯だぞ!!」
目くらましが晴れて、ルートベルトが声をあげていた。
「ヌッハッハッハッ!!
逃げてはいけないなんてルールはないですよ!!
悔しかったら、追いかけてくればいいじゃないですか!!」
一応挑発のつもりだ。
開けた場所で、僕はルートベルトに勝てる見込みはない。
攻撃がほとんど見えないのに、勝てるわけがない。
なら、ごちゃごちゃしている場所の方がまだ勝機はある。
「わかった!!
『疾風』!!」
そう言って、一気にルートベルトが加速してきた。
挑発に乗るの早スギィッ!!
僕は、出口をすぐ右に曲がって回避ッ!!
危ない!!速い!!危ないッ!!
ルートベルトはまっすぐ通り過ぎて行った。
急に曲がることはできないようだ。
「そんなんでこの僕から逃げられると思っているのか?」
しかし、すぐに戻ってきた。
「ス、ストーカーはいけないんですよ!!」
「愛さえあれば無罪ッ!!
真実の愛は何よりも優先されるッ!!」
「イィ〜ヤァ〜!!!」
ルートベルトは、完全にストーカーのようなセリフを叫んでいた。
僕は、被害に遭っている女性のようなセリフを叫んでいた。
僕はさらに通路を左、右、右の順に曲がった。
ゴゴゴゴッという音を立て、ルートベルトは僕との距離を詰めてきていた。
こうなったら.........
日本人が生み出した魔法の言葉を使うしかない!!
「あっ!!
UFOだッ!!!」
僕はそう言って、ルートベルトの後ろをさした。
「えっ!?
『ゆーほー』!?」
ルートベルトは『ゆーほー』が気になって後ろを振り向いた。
僕はその隙に通路を右に曲がり、さらに左に曲がった。
「何もないじゃないかッ!!
アキラァ!!どこに行ったんだッ!!」
ルーちゃんはそう叫んでいた。
本当におバカしゃんでしゅねぇ〜。
僕は、どうやら目的の武器倉庫に入ったようだ。
剣とか、盾とかが置いてある。
ルートベルトのソードブレイカーもあった。
ルーちゃん.....適当な武器使って、あの強さとか.......マジかよ.....。
僕の刀は一応、結構有名な人が作ったらしいんだよぉ....。
そういえば、ルーちゃんの移動音が聞こえない.....。
まさかぁ〜......後ろなんかには.......いないよね?
僕が振り返ると........
「み〜つけた〜...........ア〜キラちゃんッ!!」
とんでもない至近距離にルー子さんがいた。
「ヒギャァァッ!!」
そう言って、離れようとすると、すぐさま両手を抑えられ、壁際まで追い込まれた。
壁に背をつけ、両手、両足を封じられている。
翼はこんなに接近されていると、迎撃できないし、
尻尾ちゃんは......ダメだ......無能ちゃんなんだ......。
「アキラァ〜.....よくも僕を、騙してくれたねぇ〜!!」
ル、ルーちゃんの顔が今にも剣で、ブスってやってきそうな表情なんだけど!!
「ヒィッ!!
そ、そそその節は誠に申し訳なく思っておりましてぇ......」
「御託はいいよ!
次抵抗したらぁ〜......本当にヤっちゃうよぉ〜!!」
マジかよ!!
.........あ....本気なお顔をしてらっしゃる......。
ルートベルトが、おもむろに顔を、僕の首元に近づけ.......
匂いを嗅いできた。
クンクン........
「ヒャッ!!」
声をあげてしまった。
く....首元は.....ダメぇ〜.......。
なんでルートベルトからものすごく甘い匂いがするの!!
なんか力が......抜けて......いけないッ!!
こいつも男だ!!
このまま行くと.........闇に落ちちゃうッ!!
そうだ!
男なら、どんな奴でも持つ『弱点』があるじゃないか!!
足は.......いける!!
........恨むなよ.....悪いのはお前の性癖だ!!
くたばれぇい!!このホモ野郎ッ!!
「セイヤァッ!!」
そう掛け声をあげながら、僕は足を90度ほど上げ、
全男性が持つ共有の、下半身にある『弱点』にぶつけた。
ゴフゥ.......
そんな音がして、直撃した。
威力は低いが、クリティカル!ダメージ10倍だ。
これで拘束は外れるはず.......。
ところが.........
「アキラ......抵抗したら......ヤるって言ったよね?」
ルーちゃん......超平然としていた。
「なっ!?
あなたの『物』はどうなってるんですか!?
鉄でできているんですかッ!?」
「はぁ〜?何を言っているんだ?」
バカな!!
ルートベルトの『物』は化け物かッ!?
ん?.....ちょっと待てよ......。
『あの』感触が.....なかった気がするんだが......。
........もしかして........
「ルートベルトさんって........女ですか?」
「.........」
ルーちゃん沈黙中.........。
そして、
「な、ナンノコトダカワカラナイナァ〜.......」
棒読みで答えてきた。
「........」
アキラ沈黙中.....。
「僕は男でござる!!」
ルーちゃんはござる言葉でごまかそうとした。
ミス!アキラは無表情で見つめ返した。
「俺様は、漢の中の漢だぜ!!」
ルーちゃんは俺様系になった。
ミス!アキラの表情は戻らない。
「「.........」」
僕とルーちゃんはしばらく沈黙した。
その時、
ドヒュゥゥゥン!!!
そんな音がしたと思ったら、
明らかにロケットランチャーの弾頭と思えるものが迫ってきていた。
ドガァゥゥンッ!!!
そして、僕とルートベルトは爆発に飲み込まれた。
今日は2話ぐらい頑張って作ります!
いろいろ疑問とかあると思いますが、次回のお楽しみにしておいてください!
次回、vsルーちゃん!!
アキラはルーちゃんを倒せるのか!?
その前に生きているのか?お楽しみに!!