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1−20 プラチナ

今更ながら、前の話のアイの言葉遣いを違和感少なめな感じにしました!

メンバーになった娘たちの一部は、若干口調が変化しています。


アアーキンロウカンシャダナーと思いながら、書いております!



20話です!

「ルート.....ベルトさん?」


「にゃ?どうかしたかにゃ?」


 そこで、僕と桜が以前ルートベルトさんと会っていることを話した。

 僕が懐から財布を取り出し、みんなに見せると、そこには、しっかりとスカッゼ家の紋章が描かれていた。


「にゃ!?」


 みんな驚いていた。

 なぜ持ち物を回収しなかったのかをたづねると、


「........忘れていたにゃ」


 だ、そうだ。

 そもそも人攫いの経験などなく、今回もシルンが仲間を雇っている(アキラと桜が店を訪ねてきている)という情報が本当かどうかを確かめるために、アイを向かわせただけで、攫おうなんて最初は考えていなかったそうだ。


 何はともあれ、説明を終えると.......


「白金貨にゃ!!」


「本物なのか!?」


「...........ゴクリ」


「さすがですね、マスター♪」


「「「ーー!」」」


 皆、白金貨が気に入ったようだ。

 その眩い光に見とれているッ!!



 話を聞くと、ルートベルトの『白金(プラチナ)の』というフレーズは、その圧倒的な才能と、圧倒的な金の使い方の荒さからきているらしい。

 ルートベルトは、とにかく変わり者で、人間の王のメンバーに加わっていないらしい。理由については諸説あるが、10歳ぐらいの時に、メンバーであることをやめたいと王に進言し、受理されたそうだ。それ以降、メンバーに再び加わったという話は聞かない。

 人間の王のメンバーになると、絶大な身体能力の強化が行われる(一部の噂では、数倍から10倍程度の力の差が生じるらしい)。

 王の加護を受けて、ハイソルジャーになると、それはもう天と地の差が生じるらしい。

 それを行われていない状態のルートベルトは、普通に考えたら弱い。

 にもかかわらず、ルートベルトは、Sランク級の冒険者を凌駕する能力を持っているらしい。

 

 知能についても非凡なものを持っていて、金稼ぎさせると白金の山を作り、理論を立てさせると世界を進化させる、とかなんとか言われている。

 政治に関しては、人間の王による独裁制のため、参加していない。


 金の使い方もとてもダイナミックなもので、いきなり田舎町を王都に劣らない街にしたこともあるそうだ。

 他にも世界最大のパフェ(全長120メートル)とか、世界最大の車(要塞エン・アトと呼ばれている)などを作って、遊んでいるらしい。


 控えめに言って、とんでもないバケモノだ。

 色々な意味で。

 ここまでだと頭の良いのか、おかしいのかよく分からない人だ。

 問題なのは、人間、魔物、他人種を使った実際の殺し合いをさせるコロシアムを各地で経営していることだ。

 そして、この街にもそのコロシアムがあり、近頃大会が開催されるらしい。

 そこには、獣人もたくさん参加していて、11ちゃんズはここから仲間を取り戻したいらしい。

 それで、王のシルンの力を必要としていたそうだ。


 

 ルートベルトさんはいい人ではなかったらしいが、正直あの人らしい話だと思った。

 だって、見知らぬ子に白金貨が入った財布をホイホイあげちゃう人ですよ!

 意味不明な金の使い方もなんとなくあの人に合っていると思うじゃないですか!


 ともあれ、事情は理解した。

 だが.......


「この白金貨何に使うかにゃ?

 うちは、ドレスとかいうのを着てみたいにゃ!」


「問答無用で新しい武器が欲しいな!」

 

「...........私も、服が欲しい(小声)」


「私は、マスターの愛がもっと欲しいです♪」


「ひとまず、キッチンのある部屋が欲しいですね〜」


「姉さんにさんせ〜い」


「........お菓子が食べたい」


「「「...........」」」


 僕と桜とシルンは、沈黙していた。

 

 服を一着や二着や三着買ったところで、金貨1枚いくかどうかだ。ドレスならわからないが。

 金貨数十枚あれば、おそらくだがキッチン付きの部屋もいいところを買えるだろう。

 僕の愛がほしい?無料提供じゃオラァ!!

 つまり、みんなの願いは安い!普通もっと願ってもいいくらいだ。

 

「..........ますたーの愛........欲しい........」


 シルンがイユのお願いを聞いたからか、両手を前に突き出し、抱っこしてのポーズをしてきた。


「わかりました。どうぞお納め下さい」


 そう言って、シルンをぎゅーっとした。


「........ありがたき.....幸せぇ〜......」


 本当に幸せそうな顔をしている。鼻血出そう。

 今晩こそ『可愛がる』ぞ〜!


「マスター!私も欲しいです♪

 ギュってしてください♪」


「シルンが先ですぅ〜!

 でも、後でモフらせてください」


 今はシルンを愛でていたいが、後でイユも愛でたい。

 僕は欲張りちゃんなのだ。

 

「わかりました♪

 では、今夜その先までしましょう♪」


 イユはあっさり了承した。

 防御力低いなぁ〜。

 今の所、桜以外なら頼めば、もふもふさせてくれるんじゃないかな?

 ん?ちょっと待て、今夜?その先?


「ずるいにゃ!!

 うちも今夜マスターと一緒に寝るにゃ!!」


「私も問答無用で一緒に寝る!」


「........私も(小声)」


「じゃあ、みんなでマスターと添い寝しましょう!」


「オッケー!」


「.........うん」


「ちょっと待ってください!!

 そんなに一気に相手できないですよ!!」


「うちらは、マスターの近くでねれればいいにゃ」


「「「「「うんうん」」」」」


「私は、一対一がいいですけどね♪」


 クッソ!シルンと二人きりの状況が作れなくなっちゃう!

 こうなったら、桜だ!

 こういう不純なことは、チョップで制裁する破壊マシン、桜サンダーがこの状況を許すわけがない!

 チラッ


「私も.........参加していい?」


 ダメダッダー。

 えっ!?なんで?

 ついにデレたの?デレちゃったの?


「桜さん.......尻尾モフらせてください」


「えっ!?

 .........したいの?」


 桜がおろおろし始めた。

 あ、これしたいって言えばさせてくれるやつだ。

 なんで!?どうしちゃったの、桜さん!?

 どうして?なぜに?わからないよぉ〜.......。


 ......でも、これってもふもふパラダイスってことだよね?

 しからば、我が答えは(ひと)つ!!


「はい!みんなで楽しみましょう!」


「...........ますたーの........隣は.....譲らない.........」


「にゃに!?不公平にゃ!!

 ここはみんなでジャンケンにゃ!!」


 そう言って、ジャンケン大会が始まった。

 この世界でもじゃんけんは息してたかぁ〜、と思ったりもした。


 結論を言うと、シルンと桜は両隣、他のメンバーは羽の上となった。

 羽の上?と思う人もいるだろう。


 そこで、僕の羽について紹介しておこう。

 片羽の長さが、2メートル強ある。

 見た目は、鳥の羽にモコモコ割り増し!って感じ。

 質感は特上。すっごく滑らかな感じ。

 邪魔じゃないかって?

 収納しておけるから全然邪魔じゃないんですよ、これが。

 戦闘でも使えるし、自分で触っても心が落ち着くし、まさに至高の一品なんです。


 ついでに尻尾。

 いつもはしまっているが、一応ある。

 1メートル強ぐらいの長くて、モコモコしている愛らしい尻尾ちゃんなのです。

 一生愛でていたくなるような、手触り。

 神経がきっちり通っている。触ると少しくすぐったい。

 今日の朝、アイに踏まれた。

 すっっっっっっごく痛かった!!

 叫び声をあげながら、ジャッジメント・レイをぶっ放してしまった。

 それ以来、しまっておくことにした。

 

 羽も尻尾もどちらも濃い紫色となっている。

 とても愛しい..........ジュル....おっと、いけない、いけない。


 まあ、こういうわけで、メンバーの全員が羽の上なんてことができるのだ。


「解せぬにゃ。うちはマスターの隣がいいにゃ。

 でも、一緒に寝れるからいいにゃ」


「..........隣は、.......妻のポジション.....。

 .....当然の結果.........ポッ........」


「私がアキラの隣........よし!(小声)」


 これ、桜ね。残念ながら、僕の耳は地獄耳なんですよ〜。

 全部聞こえてますよぉ〜。


 まあ、ジャンケンの結果についてみんなが、それぞれの感想を言っていた。


「なんか大事なことを忘れている気がするんですけど.......。

 なんでしたっけ?」


「..............にゃ!!

 お引越しにゃ!!」


「「「「「「ああ〜」」」」」」


 みんな忘れていた。

 でも、普通こっちの方が重要だ。



 結論から言おう。

 街の外側に近い所の団体客向けの宿泊施設を借りた。

 本当はもっともっとリッチな場所を借りようとしたのだが、

 

「そんな贅沢できないにゃ!」


 などと言われ、却下された。

 本人たちが頑なに譲らないので、そこに決まった。

 みんな年頃の乙女なのだ。いろいろ気をつけることがあるだろうに。


 街中にいたら、ルートベルトとかに見つかってしまうのでは?

 とも思ったが、ルイたち曰く、


「ルートベルトは、そこまでしつこく獣人を追いかけないにゃ。

 それなら、他を探すにゃ」


 らしい。




 現在、時刻は、午後二時ごろ。



 今から、買い物という名のシルンとのデートだ!

 


おいおいアキラさ〜ん!

何デートなんかしようとしてんの?

早く獣人助けないの?


と思っている人もいると思いますが、理由がありますんでご容赦を。


次回、アキラの、ドキドキ!シルンとのデート!

お楽しみに!!


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