1−10 襲撃とおやすみなさい
10話です!
「「(............)なにそれ?(............)」」
シルンと桜は声を合わせてそう言った。
「待って...........内容は、まあ、察しがつくとして........
どうして私もその計画に参加してるのよ!」
桜が吠えた。
僕は首をかしげた。
「桜さんは...........獣人でおらっしゃらない?」
「獣人よ!でもだからと言って、参加するとは言ってな.........」
「シャラァップ!
この計画は、『僕が』全ての獣人を手中に収める計画です!
相手の意思は、関係ありませんし、尊重しません!」
「思っていたよりもひどいじゃない!」
「.........すてき.......まい、ますたー..........うっとり.........」
「シルン!ダメよ!
アキラ!!
あなたシルンに何したの!?」
「すみません、僕にもわかりません!」
「.................愛ゆえ.......仕方ない.........ポッ.........」
「.............。
まあいいとして、私は嫌よ。そんな計画。
何より、私にメリットがないじゃない!」
「チッチッチ。
さっきも言った通り、相手の事情は関係ありません。
よって、桜さん。あなたには、モフられる義務が生じます!
さあ、尻尾を差し出しなさい!」
「い.......いやよ!
それに、やっぱり意味がわからないわ!」
「............ますたー.......私なら...........いつでも.....カモン....だよ..........」
「さすが、僕の計画のひがいsy..............いや、被験体一号です!
その精神、褒めてつかわします」
「..............ありがたき、.........幸せ......うっとり.........」
「ちょっと待ってよ!今、被害者って言おうとしたよね?しかも、言い直しても被験体って、あんまり変わってないじゃない!」
「そんなことはどうでもいいです!
今すぐ、その尻尾を差し出すのです!
さもなくば............一号!例のブツを!」
「.........イエス、.......マイ..........ロード........」
シルンはそう言うと、鉄製の手錠を持ってきた。
「「Oh...........」」
僕と桜は同時に声をあげた。
「あなた、シルンに何教えてるのよ!」
「知りませんよ!適当に言ってみただけですもん!」
「............ますたーには、.........いづれ必要....かと.........」
シルンの中では、僕は一体どうなっているんだろうか............。
それより、今こそ好機!
「シルンさん!いきますよ!
僕が階段側を押さえておきます!シルンさんは、桜さんを挟み込むように攻めてください!」
「.........イエス、...........マイ...ロード........」
「シルンやめなさい!
アキラ、ちょっ!やめ!.........」
バゴォーン!!
下の階で、木製の何かが壊れる音がした。
「2039〜、いるなら出てこい..........ワン!
仲間を雇っているのは、もうわかっている................ワン!
二階か?..............ワン!」
そう言って、喋り方に一癖も二癖もある、『何者か』が階段を登ってきた。
声は女性特有の高さがあった。
ギシ.....ギシ.......ギシ..........
そして、登り終え、その『何者か』は、目の前に広がる状況を確認した...........
「え..............何これ?」
『ワン!』が抜けていた...........。
そこに広がっていたのは、
知らない獣人が一人、よく知った獣人の2039と.........翼のある、よくわからない獣人が一人いた.........。
そして、2039とよくわからない獣人が、知らない獣人を押さえて、手錠をつけていた。
理解できない。
アキラから見ると、
桜をやっと、押さえることに成功したと思ったら、
黒いフード付きのマントをかぶった『人』が、現れたのである。
「ど、どどど、どちら様でしょうか?」
アキラは、激しく動揺していた。
「...........ますたー......そいつは、.............敵..........」
「「えっ!?」」
僕と黒マントは、同時に驚いた。
「いや、でも獣人ですよね..........?
一応『ワン』って言ってますし...........尻尾見えてますし........猫の......」
「にゃ!にゃに!
...................ほんとだ!.............ワン!」
いやいや、にゃに!って言った後で、ワンってつけても意味ないでしょ!
尻尾がマントから出ていたから、一発で分かった。
「...........でも...........敵.....」
「............まあいい。今は敵同士かもしれない。
けど、必ず『こっち』に来てもらう............ワン!」
そう言って、おもむろに武器を取り出した。小ぶりのナイフだ。
「!!
ちょ、ちょっと待ってください!何か勘違いしてませんか?
僕たちは、ただの買い物客..........『だった』..........ですよ!」
「やっぱり、今はもうそっちの仲間なのか!」
「いや、仲間とかじゃなくて..........」
「問答無用!」
そう言って、武器を構えた。
「加速!」
黒マントが、そう言うと、急激に加速し、アキラの目の前に迫ってきた。
「え!?
ちょ、やめて!」
ぼすっ!
そんな音が出た。
アキラが、翼でナイフを防いだのだ。
羽剛毛過ぎでしょ!
でも、危なかった。思ったより、翼が動かせて、ガードできたけど、動きは、ほとんど見えなかった。
「その羽.........厄介。
でも、これなら!」
『何者か』は腰のポーチから袋を取り出すと、アキラに投げつけた。
それをアキラが羽で防ぐと、袋の中から青い粉のようなものが部屋中にまき散らされた。
それを少し吸ってしまった。
すると、途端に眠気がしてきた。
「........眠り...........粉..........スゥー、スゥー...........」
そう言って、シルンが眠ってしまうのが見えた。
アキラも、意識が遠くなっていき、眠ってしまった............。
「悪く思わないで...........」
そんな声が聞こえたような気がした...........。
バトル......シーン?みたいな感じになってしまいました.....申し訳ない。
ですがこれからも戦闘はある......はずなので、乞うご期待です!
今日中に、もう一話いけるかな?
いや、頑張って書いてみます!
ぜひ、読んでみてください!