涙と彼女
あぁ女性が泣いているのを見たのははいつ振りに見ただろうか
幼稚園で女の子が泣いているのを見たのが最後だろうか
何故泣いているのだろうか僕には理由がわからなかった
でもとりあえず面倒くさいだろうということは伝わる
とりあえずスルーしていく、女性がこちらに気づかないように足音を立てずにそっと通ろうとすると
女性はこっちに気が付いた。見つかってしまった。相手がこちらを見て二秒位静止する
そして彼女は自分の隅々まで見るようにして大粒の涙を流した。彼女の涙を頬を伝い、雪へと垂れた
すると突然彼女が「どこに行っていたんですか?」そう尋ねた
自分はまさか話しかけられるとは思わず少し戸惑った「近くのコンビニへ行ってました」
とりあえずそう答えると彼女は微笑を浮かべた。彼女の涙と微笑は何とも言えないほど美しかった
「どうしてこんなところにいたんですか?昨日もいましたよね?」と問う
彼女は呆気にとられたような顔をして「昨日もここにいたんですか・・・そうですか」
解答になっていない 再度質問しようと口を開こうとすると
「昨日の私を覚えていますか?」質問を遮られた
「だいたいなら・・・」完璧には覚えてはいないけれどだいたいなら覚えている
「私は私のこと覚えていませんよ」彼女はそう言い残し走り去っていった
追いかけようか考えたが用事があるのかもしれないと考え追うのをやめた
どうしてあの女性は泣いていたのだろう?どうしてこんな田舎にあんな美人が?
考えれば疑問は尽きないだからなにも考えないで、速足で家に帰った
玄関のドアを開けて家に入り込む、家を出てから二十分くらいたっているからだろうか
また家の中は冷え込んでいてリビングもひんやりしていた
乾燥した部屋に乾いたテレビの音が響いている
空から降る雪はまだ止んでいない。天気予報ではもうすぐやむそうだが
そんな時ふと目に入り込んできた一枚の写真
彼女が映っていた