バス停と彼女
彼女のことを頭の片隅に置きながらも家に帰宅した。本当に変わった人だった。
玄関のドアを閉めると廊下は薄暗く、冷気が漂っている。この様子だと家の中全体寒いだろう
その部屋は外よりは暖かかったけど決して暖かいとは言えない。リビングに入ってエアコンのリモコンに手をかけて暖房のスイッチを押した。生暖かい、乾いた風が部屋を覆う。冷蔵庫においてあったコンビニ弁当を取り出し食べ始める。時計の短針は九時を指している
明日までにやらないければならないことは山ほどあるけれど寝室に潜り込んだ。電気はつけずに十分くらい無心になっていた。明日は土曜日だからこのまま寝てもいいかもしれない。そんな誘惑に負けて深い眠りについてしまった。
目が開いた。窓から日光が差し込んでいた。寝るならカーテンをくらい閉めておけばよかった。そんな後悔を抱えつつ携帯を覗く。十時三十分くらい。携帯の明かりが薄暗い部屋をほんのり明るく照らした
昨日、風呂に入っていないから汗臭いだろうか。一応軽く汗を流す程度なら入っておいて損はないだろう
そう思いバスタオルを一枚タンスから引っ張り出してきて浴室に向かう。
シャワーを浴び終わった自分は体を拭いて少し遅くなったが朝食を食べた。バターを使い切ってしまった
冷蔵庫にも食べ物は殆ど残っていない。めんどくさいが近くのコンビニに行くことにした。コンビニと言ってもここは田舎だか都会みたいにそんなに近くにあるわけではない。玄関のドアを開けるとやっぱり冷え込んでいる。昨日の雪がまだ降っていて昨日よりも冷え込んでいるかもと感じた
あまり近くにコンビニはないのでこの際少し多めに買っておくことにした。選ぶ時間に時間をとられてしまって少し長い間コンビニにいてしまった。少し速足で帰っているとバス停の前を通りかかったとき
「昨日の人だ」昨日の女性だった。内心でそう思いつつ自分は速足を止めずに通ろうとした。その時、女性の目から涙がこぼれた