4.ドラクエ10とRMTの関係 下
誤解されがちであるが、『RMT行為は違法行為ではない』。
しっかりした判例がないのがその理由で、万一合法だと判決が出てしまえば業者が大手をふるってしまうのでどこも訴えないのだという。
RMT業者とは様々な方法、たとえば
・BOTプログラムの大量起動
・外国人による人海戦術
・アカウントハック
などでゴールドを大量に稼ぎ、それをリアルのお金で売る業者のことである。
BOTプログラムとは自動プログラムのこと。
ダンジョンで敵に当たり続けて戦闘をしてゴールドを稼ぐものが代表的であるが、高性能なものになると自動で職人をして装備を作り出すものや、バザーへの自動出品をBOTまで存在する。
ドラクエ10の世界ではWii時代からBOTが存在したが、PC版の登場後はより高性能で人の目を欺く巧妙なBOTが活動を続けている。
人海戦術とは、海外の低賃金で雇える人々を雇用してゲームをプレイさせ、大量のゴールドを生み出す方法である。
本来ドラクエ10は日本国内からしかプレイできないのだが、海外からのアクセスを偽装する業者などを経ることで全世界からプレイが可能となると言われている。
そうなると中国の農村部のような人件費がおどろくほど安いところの人々を雇用し、延々と敵と戦わせる人海戦術で大量のゴールドを生み出す方法も取られているのだ。
真偽は不明ながらも、中国の刑務所で囚人のRMTをさせているという記事が海外ニュースサイトに掲載された。
アカウントハックは名前の通りハッキングである。
RMTとは違ってこれは完全な違法行為。今でも定期的に被害者を出していることでも知られ、私の周りでも被害者が3人出た。
業者が使うアカウントハック方法はリスト型ハッキングと呼ばれるもので、ドラクエ以外のネットゲームやネットサービスでID・パスの使い回しをしていると被害に遭ってしまう。
しばし行を割くが、太郎さんというドラクエ10のIDがtaroパスが123456というプレイヤーが居たとしよう。太郎さんは他のネトゲやSNS、通販サイトでも全て同じIDのtaroとパス123456を使いまわしていた。
ある日、SNSが大規模なハッキングを受けて会員のID/パスが流出してしまう事件が起きたとする。その一覧を業者はリストとして入手し、ドラクエ10のログイン画面でそれを全て打ち込んでいく。
そして、漏れたリストに記されたID・taro、パス・123456を入力した時に、業者はドラクエ10の世界に太郎さんに代わってログインすることが出来てしまう。
ログインしたら何もかも業者の思うつぼ。全てのアイテム・装備を剥ぎ取られて、ゴールドに換えた後に業者プレイヤーに郵送。
被害に遭ったプレイヤーは持ち金0G・裸の状態で郵便局の前に放置されてしまう。
現役プレイヤーならすぐに異変に気が付き、運営に通報すれば復旧することができる。(それでも復旧に1週間ほどかかってしまうが。)
問題は引退・休止したプレイヤーが被害に遭った時である。こうなると悲惨で、身ぐるみはがされるだけではなく、被害者本人が運営に訴えない限り延々とゴールドを稼ぐ業者の駒になってしまう。
一時期ドラクエ10のRMT業者の求人広告の画像がネット掲示板で話題になったことがある。中国語で書かれており、たしか月収は日本円に直すと7~8万位だったのを覚えている。
また、広い会議室のようなところに何十台もWiiが置かれ、BOTプログラムで延々と業者キャラが稼働している画像もプレイヤーに大きなショックを与えた。
RMTは法律的にグレーゾンである代わりに、ほぼ全てのネットゲームにおいて規約違反である。
もちろんドラゴンクエスト10でもRMT行為は規約違反で処分される。
対策する運営、それをかいくぐるRMT業者のいたちごっこがサービス開始時から続いているのだ。