1.ファーストコンタクト
◆70万円以上RMTにつぎ込みました。小山翔平(仮名)
テーブル席の向かいに座った小山さんは「とりあえずビール」と注文した。
この一杯がこれから始まるアルコール三昧の序曲だったという話は置いておいて、
まず私は取材に応じて会ってくれたお礼を述べた。
ビールとつまみが一通り運ばれてきてから乾杯して、話をうかがうことにした。
いきなり堅苦しいインタビュー形式の質問もなんなので、私は本当に軽い気持ちでゲーム内の近況を聞くことにした。
「最近のドラクエはいかがですか?」
小山さんは笑顔で
「あ、RMTの話ですか?実は最近2回目の垢停(アカウント停止)くらってしまいまして、参りましたよ~」
といきなりとんでもない発言。
私は驚いて小山さんの顔を見るが全く悪びれる様子はなかった。
この一言をきっかけに小山さんがペースを握ることになり、以後饒舌に語り続け、私はそれに追従するというという形になった。
しかしこれはこれで非常に楽になった。インタビュー初体験の私にすれば、無口な人から話やエピソードを根掘り葉掘り聞き出すよりも口数の多い人に話してもらったほうが気が楽だ。
「●●という業者と取引してたんですが、あそこはだめですね~」
「××やっている人の中にはラムター多くて~」
私があっけにとられているうちにすごい大事な話を小山さんがしていた。
このままではまずい!
インタビューの本筋であるRMTの裏事情的なことにも興味があったのだが、小山さん本人にも興味が沸いていたのだ。
そう思って私は、小山さんの子どもの頃のエピソードに話を向けた。