15.あとがき
2016年5月。
小山さんからのメール連絡が絶えて3ヶ月ほどが経った。
途絶えてから2回ほど返信を促すメール等を送ってみたのだが反応がない。
いろんなことを勘繰ってしまう。
またパチンコにハマったのだろうか。
他のゲームを始めたのだろうか。
リアルの生活が忙しいのだろうか。
それともBANされてしまったのだろうか。
私にはわからない。
そういえば実家がお金持ちの小山さんには定期的にお見合いの話がくるらしい。
小学校時代に宿題を手伝ってくれた母が最近は自分の婚活に熱を入れ始めているという。
「迷惑な話なんですけれども、僕は一人っ子だから親に孫の顔を見せてあげたい気持ちも少しはあるんです。
でもまだまだゲームしていたいんですよね。」
小山さんはそんな風に話していた。
今月も相変わらず、冒険者の広場にはRMT対策情報がアップされている。
数千もの業者アカウントが停止されたことと、
彼らの生活を支える数百のラムターが処分されたことがまるで定型文のごとく掲載され続けている。
この処分者の中に小山さんがBANされた1件が加わっているのかもしれない。
メールの返信がないことについて寂しいという気持ちも有るのだが、
これもなんとなく小山さんらしい別れ方なのかもしれないと思う自分がいる。
改めて小山さんがRMTに使ったお金を計算すると、私が取材したときでおよそ70万円、そして2016年の1・2月のペースで今も購入を続けていれば、100万円に達する。
改めて書くが、RMTは違法行為とは呼べないものの、ドラクエ10の規約違反である。
1回目でも重い処分が下り、2回目の処分では大切に育てたキャタクターで永久に遊ぶことができなくなる。
ラムターでBANされてしまった人がその後どういう行動をするかわからないが、
小山さんの場合、しばらくしたら新しいアカウントを作ってアストルティアのどこかでプレイをしていそうな気がする。
懲りずにRMTに手を出しながらというおまけが付きそうではあるけれど。
最後になるが、長時間にわたってリアル・メールでの不慣れな取材を快く受けてくださった小山翔平さんに心よりのお礼の申し上げます。
どうもありがとうございました。
※次回、ここまでまとめ切れなかった小山さんへの一問一答コーナーを掲載して完結となります。