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プロローグ

ネット小説大賞が今日の10時までだからなんか勿体無い気がしてとりあえず書いた。



ここは日本のとある街にある病院の一室。

この部屋には10年前から入院し続け、病棟の主といっても過言ではないであろう、少年が生活している。

彼の名は御神勇輝みかみゆうき

彼は病気というわけではない。

生まれた時から身体が弱かったがどれだけ検査を重ねても原因が分からなかった。

いや、見つからなかったと言った方がいいだろう。

同年代の健康的な子供と比較しても何一つ問題はなかった。問題がない事が問題だった。

他の子と同じように過ごした筈だし、食事量も筋肉量もそれ以外の要素も全て殆ど差は無かった。

それなのに彼は他の子と比べても圧倒的なまでに体力はないし、力もない。

運動すれば直ぐにバテるし、直ぐに病気になる。

それ故、彼は6歳になった頃からこの病院で入院している。

少しでも病気になりにくいように、即座に治療を出来るように。


そんな生活を十年。

今日は彼の誕生日だ。

普段は喧騒とは無縁の彼の部屋もこの日ばかりは心地よい騒々しさに包まれていた。

家族に幼稚園の頃からの幼馴染に、医者に看護師に彼より後に入院し彼より早く退院した同年代の友達。

今日が終わればまた、静かな生活になる。

だから彼は少しでも記憶に刻めるように騒ぎ、笑う。

だが時間というのは必ず過ぎる物。

一人、また一人と帰って行き、ついには担当医と担当の看護師だけとなった。

そしてその二人も、病棟の就寝時間という事で帰っていった。

そして訪れる静寂。

彼は楽しかった時間をもう一度と願い、眠りにつく。

夢で楽しい時間をを過ごせるように。



そして彼が深い眠りについた頃異変が起きる。

彼の寝ているベッドの下に幾何学模様が浮かび上がる。

見る人がみれば魔方陣だと叫ぶだろう。

そしてそれはその通りで彼は異世界へと召喚される。

彼の暇つぶしに読んでいた異世界モノのラノベやネット小説のように。

彼があり得ないと思いつつも、心の奥底で願っていた異世界召喚。

それを彼は体験する。

寝ている間に、知らず知らずの内に、なんの感慨も驚きもなく、唯々静かに、彼は召喚される。


果たして、彼に待ち受けているのは戦火渦巻く闘争かあるいは誰もが羨む異世界ファンタジーか。

それは神さえも知らない。



所変わってここは剣と魔法の世界トライザード。

その世界のとある国の王城のとある一角。

そこには勇輝のベッドの下に浮かんだ幾何学模様と同じ物が描かれており、その側には宝石のような蒼い瞳にゆるふわの金髪をもつ美少女が息を荒げていた。


「はあ、はあ、はあ。な、何故ですか。儀式は成功した筈なのに、なんで勇者様は現れないのですか。こんな、筈では…」


そう呟くと彼女は倒れ意識を失った。

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