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魔法と科学とサバトの時間

作者:緋色友架
 境界坂礼儀は、困窮していた。
 2つ折り式の財布に眠るのは、吹けば飛ぶような小銭程度。明日以降の生活さえ危うい礼儀は、秋風の冷たい道を一人とぼとぼと、歩く羽目になっていた。漏れ出る溜息。逃げていく幸せたち。陰鬱な空気を纏いながら、彼は夕暮れを背に浴びつつ歩いていた。
 そんな礼儀の視界に、奇妙な城が映り込む――――1人の少女の、姿と共に。
 己の忌み嫌っていた異能、夕暮れに煌めく少女。境界坂礼儀の当たり前な日常は崩れ去り、奇妙な日常が幕を開ける――――。
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