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Sランク



まだ作者も大まかなプロットしか出来ていないので、まだ暫く不定期更新が続くと思います。


申し訳ございません

クロークの森に、3つ、男達の絶叫が木霊こだまする。


「オマエらちょっと五月蝿い。人が来たらどうすんのさ」


むしろこいつらにとっては好都合か。


触手で口を封じる。男達はそれでも必死に呻いて助けを求めている。


「ったくよぉ、何が『新参が調子に乗るな』だ。自分の力量を弁えろよゴミムシ……おっと。言っておくが、この空間では魔法は使えないからな」


必死に魔法を使おうとしている奴がいるので、忠告しておく。


「ん?」


その時、俺が森の奥に張り巡らしておいた索敵に、何かが引っ掛かった。


「これは……」


索敵に引っ掛かったのは、大きさにして3m程のヒト型のモンスター。やたらと体にトゲが多かった。名前までは分からない。


「おい、ゴミムシ1号」


冒険者の1人は俺の独断と偏見でゴミムシ1号に決まった。そのゴミムシ1号の口にあてがっていた触手を外し、問う。


「トゲがやたらと生えている、デカいヒト型のモンスターはなんつー名前だ」


簡潔に特徴を述べて伝える。男は一瞬呆然とすると、元々蒼白だった顔を更に白くさせてガタガタと震え始めた。


「リヴァヴィウス……!! なぁ、あんた、命が惜しかったら今すぐ逃げた方がいい。強さはSランクの下位だが、一匹で街を半壊させる事が出来るんだ……。魔法も、物理的な攻撃も効かない。なんで奴がクロークにいるんだ……!!」


そんな強いのか。というか、そんな奴がこんなに街の近くにいるのに、街側は放置ですかそうですか。


そのリヴァヴィウスとやらは、迷いの無い足取りでこちらに向かって来ている。どうやら餌認定されたらしい。


「そいつの攻撃法は?」


ゴミムシ1号に尋ねる。


「トゲを使った攻撃と、魔法攻撃が主な攻撃手段だ……」


魔法? モンスターが魔法を使うのか。まあ、それだけだったら、問題ないか。


 やがて俺の耳にノシン、ノシン、という重量感溢れる足音が聞こえてきた。


 男達は、歯をガチガチ言わせ、震えている。そんなに強いのか。


 その時、俺の耳に金属を強い力で擦り付けたような音が響いた。


『ギギギ……。我、空腹。オ前ラ、食ウ』


 ……なんだこれ、そのリヴァヴィウスとやらの声か?


 リヴァヴィウスが視認出来るまでの範囲に入る。そこで俺はリヴァヴィウスに声を掛けてみた。


「お前がリヴァヴィウスとやらか」


 言うと、1拍遅れて返答がきた。


『我、高位的存在。貴様ノ様ナ下等生物ガ気安ク話シ掛ケルナ』


「もう一度問う。お前はリヴァヴィウスか」


『……ソレハ貴様ラ下等生物ガ付ケタ名称ダ。真ノ名ハ、貴様ニ明カス必要スラ無イ』


「嫌な奴だな。取り敢えずお前がリヴァヴィウスなのは分かった」


 言うと、リヴァヴィウスは醜悪な顔を歪め、笑った。


『我ノ糧ノ分際デ何ヲ偉ソウニ』


「糧……ねえ。そうだな、俺は現時点ではお前の糧だ。さあ、喰いやすい様に魔法でも撃って俺を殺しなよ」


 不敵に笑い、俺は言った。2つの歪んだ笑いが交差する。


『ドンナ策ガアルノカハ知ランガ、図ニノルノモイイ加減ニシロヨ、小僧』


 そう言って、いくつもの突起が付いた腕を振り上げるリヴァヴィウス。


 それは俺に届く距離ではなかった。


 ……ハズだった。


───ヒュンッ


 風切り音が聞こえ、咄嗟の判断で前方に闇魔法の盾を形成する。


───ガキィィィン!


 リヴァヴィウスから飛来した『何か』は俺の盾に激突し、甲高い音をたてた。やがてそれは重力に従って地面にボトリと落ちる。


「トゲか」


 てっきり魔法を撃ってくるものだと思っていた。Sランクともなると知性もそれなりらしい。


『……闇魔法カ。フン、卑怯ナ能力ダナ。与エラレタ力デ自己ガ強クナッタト勘違イヲシテイル』


「負け犬の遠吠えなら聞きたくないな。下等生物に打ち倒される気分はどうだ? 与えられなかった・・・・・・・・・よ」


『マダ勝負ハツイテイナイトイウノニ、モウ勝ッタ気デイルノカ。浅ハカナモノダ』


「勝った気じゃあない。もう勝っているんだよ」


 闇魔法は、俺の意思によって硬度を自在に変えられる。それこそ抵抗の全く無い空気の様な物から、ダイヤモンドなんかよりずっと硬い物まで。あれ、ダイヤモンドって、別に壊れ難い訳じゃないんだっけ。まあ、とにかく闇魔法だからあらゆる属性も無効だし、無敵だと言いたいんだ。



『クッ……体ガ動カヌ』


 リヴァヴィウスの周りだけ闇魔法を硬質化させ、リヴァヴィウスを拘束した。

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