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拷問




ちょっと主人公の残虐性を垣間見る、そんな回でございます。


背後に複数の気配を感じつつ、街の外に出る。


今度も街道を外れて進んだ。気配は、俺から付かず離れずの距離を保ってついてきているようだった。


後ろは敢えて振り向かなかった。ここで交戦しても街に近過ぎて大した事が出来ない。


後ろの気配は、恐らく俺が気付いている事に気付いていない。


脳筋共は下手くそな尾行を続けている。


目指すはクロークの森。暗い所へ誘い込んで、むふふのふ。


1時間程歩いてクロークの森に着く。さあここからだ。


森の入り口に着いた途端、脱兎の如く走り出す。森の入り口付近は木の背も低いが、人を隠すくらいには密度もある。


後ろの気配も、急に走りだした俺の事を見失ってしまったようだった。


ひたすらに俺は走る。森の奥を目指して。闇魔法が自在に操れるくらいに樹木が日の光を遮っている所へ。


やがて襲ってくる雑魚モンスター共を蹴散らしながら、5分程走った所で足を止めた。


辺りは暗く、闇魔法も変幻自在に操れるだろう。


そして───



「わあああああっ!!」



俺は声を張り上げた。


きちんと目的はある。別に発狂したわけではない。


周りに薄く闇魔法を広げる。


よし。準備は整った。


後は脳筋共を待つのみである。



────────────



───来た。


デカい男共が4人。固まらず三日月型に散開して迫って来る。


ギルドの新米相手に用心過ぎないか?


だが、俺の闇魔法の前には陣形など無意味。


やがて木の影から出てくる男4人。


「へへへ……。おい、新参。オマエ、何アンリさんと仲良さげに挨拶交わしてんだよ」


右から2番目の奴が言う。


「あのヒトに話掛けられんのは、最低Bランクってルールがあんだよ。それを破ったからには、あり金だけじゃすまねぇよなぁ」


なあ、と同調するように周りも笑う。


五月蝿い。馬鹿騒ぎはギルドの中だけでやってくれないか。


「聞いてんのか新参。おい、聞いて驚け。俺達はなあ、ハイアンに1つしかねぇBランクのパーティーだぜぇ」


何?


俺の事をコケにしやがったから半殺しにして身ぐるみ剥いで森の奥に放置しようと思ったが、唯一のBランクパーティーと聞いてはそうはいかない。


成る程。こいつらが風呂を汚ねぇ垢で汚してたのか。


「おい何とか言えよしんざ……うおっ」


闇の触手で4人全員に足払いを掛ける。


「何だよ……モンスターか?」


「残念ハズレ」


急いで立ち上がろうとする4人に『ある魔法』を掛けた。


それは、


「うあっ、何だ一体、体が、重く……ぐぉ」


重力の魔法。


俺の闇魔法を未知の物質『重力子グラビトン』に置き換えて、奴らに掛けた。本当に魔法とは便利である。


この魔法、かなり便利な物で、全力でやればブラックホール並みの重力まで出す事が出来る。……らしい。


「クソが、おい新参、こいつはオマエの仕業か」


くくくっ、と喉の奥で嗤う。


「おい聞いてんのか───」


「くくくっ、五月蝿えなぁおい。ゴチャゴチャ喚きたてるのは、この舌か」


触手で1人の口を無理矢理こじ開け、舌が見えるようにする。


「汚ねー口内だな。ちっとは見栄えが良くなるように、紅く染めてやるよ」


「ひぃぃぃ!わいを(なにを)」


もう1本触手を出し、その先端を刃状にした。それを見た4人の冒険者は悲鳴を挙げる。


「んじゃ行くぜー。そーれ」


───ザクッ



「イ゛ィ゛ィ゛ィ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!」


肉を断つ音と共に挙がる、絶叫。


そういえば、舌を切ると窒息して死ぬんだっけ。くそ、惜しい事をした。


まあいいや。


あと3人もいるんだ。


闇の杭で、叫ぶ冒険者の喉を貫き、ニイ、と嗤う。


───力無き者が、力有る者に蹂躙される。それが世界の、不変であり普遍の理だろ?


屁理屈で構築された免罪符を手に入れた俺は、更に笑みを深くした。




急いで書き上げた為にオチが適当になってしまった……。


また機会があれば直したいな、なんて。

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