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依頼達成


様々な人に公園の場所を訊ね、散々に迷い、やっとこさ公園に着いた頃には、既に日の光は街の壁に遮られ、辺りは夜の様に暗かった。


上を見上げると、朱色に染まった空が見えるため今は夕方だと分かる。


壁のお蔭で、思ってたより早く辺りが暗くなったのは嬉しい誤算だった。これではスライムを狩るのに3分も掛からないだろう。


石で造られたアーチをくぐり、公園の中に入る。公園の中にはアスレチックなどは無く、ただ小さい池と、こぢんまりしたベンチ、申し訳程度の広さの草原くさはらがあるくらいだった。


寂れている。何故こんな所で子供が襲われたのだろうか。


早速、闇魔法の索敵を広げる。いた。液状だと思われる生物が5体。内4は草原にいるが、もう1体は池の中にいた。


腕を軽く振り、スライムを闇魔法で切り裂く。しかし、草原にいた4体は死んだが池にいる奴は生きている。


───このスライムは池の水と同化しているな。


そう確信した俺は池に近寄り、雷の魔法を池に放った。


索敵範囲から全てのスライムが消える。これで依頼達成か。



────────────



俺は公園を出たその足で冒険者ギルドに寄った。まだ冒険ギルドの建物の中からは、喧騒と明かりが漏れていた。


扉を開き中に入る。出来るだけ素早く、音を起てずに。


───ほぅ、誰にも気付かれなかった。


またヘタに絡まれても面倒だからな。慎重に行かねば。


酒を飲んでバカ騒ぎしている冒険者どもに気付かれないよう受付に向かう。


受付嬢はさっきの人とは違う人だった。


「ようこそ冒険者ギルドへ。今回はどういった御用向きで?」


「受けた依頼を達成しましたので、その報告に」


悩殺スマイルを浮かべ、今朝貰ったプレートを渡す俺。プレートを営業スマイルで受け取る受付嬢。


受付嬢は俺が渡したプレートを何やら機械に入れ、モニタを見ていた。


「Gランク、マサト・ヤマダ様、受けた依頼はゴブリン8体討伐、コボルト5体討伐、スライム5体討伐。……結果は、全て達成。ゴブリンは47体討伐……コボルトは7体、スライムは規定の5体。報酬は、……こちらになります」


小切手を渡された。


168500と書いてある。


「そちらの小切手を、2階にあります換金所に提示すれば報酬を貰えます」


「はい。分かりました。それとランクの方は……」


「失礼致しました。マサト様の現在のランクがG、Gランクの依頼を3つ達成しましたので、マサト様のランクはFとなります。おめでとうございます」


やったぜ。ランクアップだ。これで少しはいい報酬のでる依頼を受けられるかもな。


プレートを受付嬢に返され、ポケットにしまう。


「では」


「またのご利用、お待ちしております」


2階へ上がる階段は何処にあるのだろう、と視線を巡らすと、見覚えのある人と目が合った。


「やあ、マサト君だったかな」


「こんばんは、アンリさん」


目が合った相手──アンリはごつい男どもに混じって紅一点、酒を飲んでいるようだった。同じテーブルにいるのは、パーティーのメンバーか。


軽く会釈すると、彼女の周りの男どもに睨まれた。


───新参が調子に乗るな、ってことか。


イラッときたが、騒ぎを起こすのも面倒だ。ここにいても厄介な事が起こりそうなので、さっさと見つけた階段を登り2階に向かった。




換金所とやらに小切手を渡し、金を貰う。だが困った。全部硬貨で、相当な量があるので腰の袋に入り切らない。


その事をギルドの換金所の窓口の人に話すと、金を預かるサービスもしているという。取り敢えず白硬貨5枚だけを受け取り、後は全部預けた。


また小切手を貰った。


68500、と書いてある。


どうやらこの小切手には金額が記されているらしい。無くしたら一大事である。


まとめて腰の袋に突っ込み、換金所を後にした。




階段を下り、1階に降りる。相変わらず冒険者達はバカ騒ぎしていて、クソ煩い。


俺はそちらには目もくれず、ギルドを早足で出た。


ギルドを出て、上を見上げると暗くなってきた空が見えた。


ひゅうっと、冷たい風が吹いた。寒い。宿を探そう。


そこら辺を歩いていた人を捕まえ、長期滞在出来る宿って近くにありますか、と訊き、今度は場所をしっかり頭にインプットした。




ギルドを出てから30分くらい歩き、着いた宿は、まあ、そこそこに綺麗で1泊、緑硬貨1枚(500円)とリーズナブルなお値段だったので、そこに泊まる事にした。


取り敢えず白硬貨を1枚渡す。これで大体40泊くらい出来る。店側に儲けはあるのだろうか、と逆に心配してしまう。


部屋の鍵を渡され、鍵に書いてある番号に合う部屋を探せと言われた。眠かったので素直に頷く。




部屋はちょっとこぢんまりとしていたが、別にずっといるわけでもないし、ベッドとかクローゼットとかあれば冒険者の拠点としては十分だ。


今日は、やたら走り回った所為で物凄く眠い。夕食を食う気にもなれず、そのままベッドにダイブした。布団を被って10秒も経たずに眠ってしまったのは言うまでもない。




そろそろ超展開かも……。

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