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金の成る木




なんと僕の作品が日間1位らしいです。

とても嬉しいですね


↓主人公は金の事になると、少し我を忘れます。


緑色の肌、尖った耳、70cm程の身長、まさしくそれは、ゴブリンだった。


気持ち悪い。メノウ王国にいた隊長くらい気持ち悪い。


そんな感想を抱きながら、俺の手は無意識に動く。


ゴブリンは突如として自分の影から生えた黒い杭に股から頭まで貫かれ、奇怪な声を挙げて絶命した。


いかん、つい。あまりにも気持ち悪いものだから。


まあいいや。いまので、5匹倒した。残り3匹だ。


ゴブリンの素材はいらない。だって明らかにモブだもの。


そんなことを考えながら、来た道を引き返す。


また10分くらい歩いていると、今度は2匹でつるんでいるゴブリンを見つけた。


軽く腕を振り、串刺しにする。かわいそうにゴブリン。


また来た道を引き返す。あんまり進み過ぎると迷子になりそうだ。


あと1匹、あと1匹で白硬貨2枚なんだ。と、気合いを入れ直した。



────────────



どうしてだろうか。どうして、森の出口に向かっているハズなのに、進むにつれて樹木の背が高くなっているのだろうか。


奥に奥にと進んでいるような気がする。いや実際そうなのだろう。


───疲れた。そもそも、俺の体力は歳相応の物しかないのだ。そんな何時間も森の中を練り歩けるハズがない。


やっぱり道を間違えた。もうゴブリンをノルマ分倒し、疲れたからさあ帰ろう、と思った矢先にこれである。鬱になりそうだ。


このまま先に進めば、更に森の奥に行くことになるだろう。ならば来た道を引き返せば、森の外に出られる、だろう。恐らく。多分。


そんな淡い期待を胸に、引き返そうと足を止めると───


───聞き覚えのある声が聞こえてきた。


これは、と思い聞き耳をたてると、やはり奴らの声である。


醜い容姿をもつ、圧倒的弱者、ゴブリン。その声がたくさん聞こえてくる。


俺は疲れを忘れて、声のする方向へ急いだ。大金の匂いに、胸をときめかせながら。




やがて声の元に近づき、足を止めた俺の目に飛び込んできたのは、圧巻の光景だった。


どこを見ても、ゴブリン、ゴブリン、ゴブリンである。ざっと見ただけでも30はいる。


そう、俺がたどり着いたのは、───ゴブリンの集落。


奴ら、一丁前に家なんて建てて生活してやがる。


いま、宿すら満足に取れない俺からしたら、嫉妬の対象以外の何物でもない。


───金の成る木だとも思っているけどね。


次の瞬間、俺の体は集落に躍り出ていた。



「イィィヤッホゥ!! 俺の金ェ!!」



叫びながら、魔法を放つ。時には、闇魔法の弾丸、時には、巨大な火炎、時には、高電圧雷球。


その悉くが俺の登場に動揺し、動けない哀れなゴブリン達の命を刈り取っていく。


「……ふう、終わった」


襲い掛かって3分も経たない内に、ゴブリンを殲滅した。気付くと、あちこちに惨い姿のゴブリンの死体が転がっている。


その惨状を見ても、俺が思うのは汚い、臭い、といった感想と、暫くは生活に苦労しないな、ということだけだった。


「そういえば、まだ色々依頼って残ってるんだっけか。スライムと、コボルト。また雑魚か」


まあGランクだし仕方ないか。と納得した。


スライムとコボルトは追加報酬は出ないらしい。まあ、疲れたし、その辺はちゃちゃっとノルマだけ達成して帰ろう。


と、森を出ようとして踏みとどまる。


───どこへ行けば、出られるのだろうか。


やってしまった。


さっきはある程度まで出口の目処があったのだが、暴れた所為でどこがどこだかわからなくなってしまった。


一面が更地状態のため、どこから来たかわからない。


取り敢えず、と俺は勘を頼りにして歩き出すのだった。

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