ギルド
なんか毎日投稿みたいになってますが、いつまでこのペースが続くか分かりません。
ある日いきなり不定期更新に戻るやも……
バタン、と、後ろで扉が閉まる。
その音に反応して、数名の顔を赤くしたガタイの良い男たちがこちらを見た。俺はそちらを一瞥すると、受付と思われる場所にスタスタと歩み寄る。
「冒険者ギルドに登録したいのですが……」
受付の女の人に声を掛ける。勿論、愛想笑いを浮かべて。
「はい、冒険者登録でしたら、こちらの紙に貴方の情報をご記入下さい」
そうして、羽ペンと紙を受け取り、漢字で記入する。以前、謎の男にこの世界のあれこれを教えて貰ったとき、日本の文字が共通文字だと教わったのだ。
「はい」
受付嬢に紙とペンを渡す。
「マサト・ヤマダさんですね。主な使用武器は剣、得意属性は炎・雷、と」
使用武器を剣にしたのは特に深い理由はない。
闇は、ある事情から書くことはしなかった。
事情とは、
『勇者様は闇魔法を使うらしいですね。闇魔法は強大です。それ故に一部の地域では邪の象徴として扱われる事があります。なので、その闇魔法は出来るだけ隠しながら魔王を倒して下さい』
と、謎の男に言われた為である。
俺の闇魔法は知られると色々厄介らしい。だから伏せたのだ。
まあいい。俺は炎と雷だけでも十分強い部類に入る。
「それでは、ギルドの簡潔な説明をさせて頂きます」
「お願いします」
「冒険者ギルドというのは、基本的に何でも屋です。依頼という形で、ギルドにお金を払い仕事を頼むのが依頼者、その仕事をギルドから斡旋され、こなすのが冒険者となります。ここまで大丈夫ですか?」
「大丈夫です。続けて下さい」
「冒険者は、ギルドからどんな依頼でも斡旋されるという訳ではありません。強い魔物に駆け出しの冒険者が勝てる可能性は限りなく低いので。その為、冒険者の強さを簡単に表す『ランク』というのが出来ました。ギルドは、そのランクを基準に冒険者に仕事を斡旋するのです」
「なるほど」
「ランクには、G、F、E、D、C、B、A、S、Xがあります。Gが最低、Xが最高ランクとなっております。ランクを上げるには、一定数の仕事を成功し、ギルドにその力量を示すことで上げる事が出来ます。仕事を成功すれば、ギルドに認められ報酬も貰えます。失敗すれば、違約金を取られギルドからの印象も落ちます。報酬は、やはり高ランクの仕事が格段に高いですね。ギルドの概要はまあ、こんな所ですね。長々と申し訳ありません」
「いえ。色々ありがとうございます」
「マサト様は、新規のご登録ですのでGランクとなります」
「では、早速依頼を受けたいのですが、いまGランクで魔物討伐系の依頼はありますか?」
「はい、こちらになります」
受付嬢はカウンターの下から冊子を取出し提示する。
「ゴブリン、コボルト、ピクシー、スライム……ちなみに、ランクを上げるのには幾つ依頼をこなせばいいのですか?」
「マサト様の1つ上、FランクになるにはGランクの依頼を3つ成功すると上がれます」
「では、スライム、コボルト、ゴブリンの依頼を受けたいのですが」
「わかりました。では、こちらのカードを無くさないで下さい」
そう言って渡された物は、名刺程の大きさの金属のプレートだった。プレートの表面には、大きく『G』の文字が刻んであった。
「こちらのカードは、依頼の受理状況が記録されています。過去に受けた依頼も記録されていますので、その冒険者の細かな力量等も測る事が出来ます」
「わかりました」
「いまそのカードには、マサト様の情報と、ゴブリン、スライム、コボルトの依頼の受理状況が記録されています。その魔物を倒せば自動的にプレートに討伐状況が記録されるので、依頼の偽装は出来ませんよ」
釘を刺された。まあ、こんなに一度に依頼を受けたのだから当然か。
受付嬢に礼を言い、依頼を達成すべくギルドの外に出る。すると、
「おいぃ、小僧ぉぉ、お前ぇ、目が合っておきながら俺サマを無視するとはぁ、いい度胸だなぁ……」
後ろを振り向くと、
まあ、案の定というか、酔ったガタイのいい男に俺は絡まれていた。
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次回も明日投稿します。