スゲェヤベェ
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「なぁなぁ、ちょっと聞いてくれよ。こないだダチがスゲェヤベェことになってさ、これちょーヤバくねぇ?」
「…………はぁ?」
「いやだから、ダチがスゲェヤベェことになったんだって」
「なんでそれで伝わると思ったんだよ。何?ダチ事故ったの?」
「…………はぁ?」
「…………はぁ?はこっちの台詞だわ。ダチがヤベェんだろ?」
「なんで事故の話になんだよ。いや、だーかーらー、ダチが結婚したんだってば。式行ったらちょー美人でさぁ」
「スゲェヤベェ」
「だろ?」
「いや分かるけど分からんわ。スゲェヤベェで伝わるとなんで思ったし」
「だってスゲェヤベェんだもん」
「だもん、じゃねーわ。最初からちゃんとそう説明しろよ」
「いやお前もスゲェヤベェ言ったじゃんか」
「言ったけ・ど・も。それは感想だろ。説明聞いたからであって。いきなりスゲェヤベェ言われてめでたい話とか思い浮かばんわ」
「マジで?お前ちょーヤバくねぇ?」
「ヤベェのはお前だろ」
「いやいやいや、だって式でもみんなスゲェヤベェ言ってたし」
「みんなってどうせお前と同じようなアホばっかだろ?そりゃ語彙力ある訳ないわな」
「いやいやいやいや、ダチだけじゃなくて。あれ、あの人も言ってたもん」
「あの人?」
「なんだっけあれ、あの、誓いますか、っていう人」
「神父さんな?」
「そうそれ、神父さん」
「言うわけねーだろ神父さんが」
「いやホントなんだって」
「そんなに言うならやってみろよ、その神父さんの真似」
「いいよやってやるよ、良く聞いとけよ?」
「いいからはよやれや」
「汝、ヤベェ時もスゲェ時もこの者を愛し続けることを誓いますか?」
「いやだからそれじゃ全然…………伝わるなぁ。もうええわ」
「ありがとうございましたー」
事件は起こり得ます。そう、会議室でも。




