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第23話 腹がへっては戦はできぬのです。

サブタイトルで遊びすぎた…!


あれって毎回かんがえるの結構たいへんですよねっ

かといって「第23話」とかだけなのは味気なさすぎる……う〜ん、むずかしいのぅ。











図書館の入り口で突っ立ている人影が2つ。

追い出されたフランツと麗奈である。


「…うあぁぁ…また追い出された…」

「僕はもう慣れてきたけどね」


落ち込んだ様子の麗奈を見て、フランツはしれっと言った。


「だいたいノイフィロなんかじゃ勉強できないのよ。

いかにも勉強するための場所〜って雰囲気で、嫌なカンジだわ」


振り返って図書館を睨みつける麗奈。


Neu Philologicum 。

通称ノイフィロと呼ばれるこの図書館には、近代以降の文献が数多く納められている。

文献の持ち出しが禁止されているかわり、学生達が休憩をとれるようにカーペットを敷き詰めた仮眠スペースがあるなど、図書館の利用者に対しかなりサービスがいい。

が……麗奈の難癖からは逃れられないのだ。



「図書館は勉強するための場所だよ…

特に大学の図書館は」


そう言って、眠そうに歩き出すフランツ。

その後ろから、麗奈がタタタッと駆け寄ってくる。



「ねぇねぇねぇ、図書館追い出されちゃったしさ、

ほかに行くとこないしさっ」


「いやいや、行くとこならたくさんあるでしょ。

中央図書館だって開いてるんだし……」


また眠そうにあくびをしてから、フランツは麗奈を振り返った。


「なに?

僕ん家になら、来てもいいけど…ちゃんとレポートかいてよ?」


「ううん。

勉強じゃなくってね、おやっさんのトコにお昼食べにいこっ♪」

「腹ごしらえかよっ…」



そういえば……お昼はまだだったっけ。

腕時計を見て、フランツはおなかをさすった。


「うん、まぁ……そだね。

じゃあ、何か食べにいこうか」

「やった〜フランツのおっごりぃ!」


「だれもそんな事いってません」




ミーハーな日本人と、低血圧なドイツ人。

一見両極端な性格の二人組は、石畳の道を西へと歩き始めた。










流れるネッカー川に、プラタナスの小道。



ここはドイツの南西部、バーデンヴュルテンべルグ州の小さな都市。


名前は"テュービンゲン"。



人口は8万ちょっとという比較的小さな街で、なんとその4分の1が大学生と大学関係者。 


実はこの街、17世紀から19世紀にかけてルター派正統神学の中心地となった、正真正銘の "大学都市"なのだ。

世界中から学生の集まるこの街には、ドイツ人だけでなく、白人から東洋人まで様々な人々が住んでいる。

 

フランツと麗奈は、そんな学生達のウチの二人。












「ふっふふ〜ん♪」


上機嫌で鼻歌を歌っている麗奈。

どうやらレポートの件を忘れて息抜き出来るのが嬉しいらしい。


そのとなりで、フランツはコツコツと足音をたてている。

初夏の眩しい日差しに目を細め、彼は少しのびた前髪をかき分けた。


「今日は何食べよっかな〜

ねぇフランツ、今の持ち合わせって上限いくら?」

「だから〜…

おごるなんて言ってな……」


「…ん?

ね〜フランツ、あれ…」


フランツの呆れたような返事を遮って、麗奈が二人の前方を指差した。


「え?」


フランツがそちらを見ると、道の端に停められた郵便局の黄色いバンが目に入った。



「郵便局の車がどうかしたの?」


フランツが麗奈に向かって言うと、彼女は頭をぶるんぶるんと振った。


「ちが〜う!

後ろよ、車の後ろ。ほらよく見て!」


いきなり麗奈がフランツの頭を掴み、車の方へぐいっと向き直させる。

首をへし折られるのかと思ってフランツは内心ギョッとしていたが、おかげで寝ぼけ眼がすっかり覚めたらしい。

再びバンの方を見て、彼は納得したようにうなずいた。



停車されたバンの後ろで、赤いものがひょこひょこ動いている。

一瞬なんだろうと思ったフランツだったが、すぐに見慣れた人物の事を思い出した。


「…スカーレットさん?」



フランツが声をかけると、その女性はバンの後ろからひょこっと顔を出した。



眼が覚めるような緋い長髪。

唇も深い深紅で、服装までもがほとんど緋ずくめ。


「あら、久しぶりね二人とも。」


フランツと麗奈を見つめて、緋色の瞳がにっこりと笑った。



「お久で〜す!

スカーレットさん何してるの?」

「えぇ、ゴミ出しを手伝おうと思ったんだけど……」


身に纏う緋と比べて極端に色白な彼女の両手には、大きなゴミ袋が一つずつ握られていた。


「あ、そうなんだ。

でもスカーレットさん、ゴミは……」


麗奈が苦笑いで言いかけた時、すぐそばの店の扉がバタンッと勢いよく開いた。

中から出てきたのは慌てた様子のウェイトレス。



「ちょ、ちょっとスカーレットさん!?

何してらっしゃるんですかぁ!」


「ゴミ出し手伝ってくれるんだって」


麗奈が代わりに答えると、ウェイトレス姿の少女はさらにギョッとしたようだった。


「えっ!?

そ、そそそんな手伝ってくださるだなんて感激というか畏れ多いというかもったいない……

っていうかゴミ捨て場は裏口ですよっ!」 


「あら、そうなの?」


スカーレットは大して驚いた様子も無く、そのままゴミ袋を裏口まで運び始めた。

その様子を見て、ウェイトレスがまた悲鳴のような声を上げる。


「ああっ!

いいですそんな私がやりますからっ!」


「え?でも……」


「スカーレットさんは中でお休みになっててください!

長旅でお疲れになってらっしゃるんですから……

っていうか!」


少女はスカーレットからゴミ袋を奪い取ると、


「アナタみたいな絶世の美人にゴミ捨てなんてさせられませんんんっ////!」


と、叫びながら大急ぎで店に帰っていった。



「あらあら。

あたしも一回やってみたかのに、ゴミ出し」


クスクス笑いながら、少女の背中を見つめるスカーレット。

その姿が店の中に消えると、彼女はフランツ達の方を振り返る。

ウェーブのかかった緋髪が風に揺れた。



「さて、わたし達も入りましょうか。

あなた達、お店に用があったんでしょう?」


「あ、はいっ!」



そして、スカーレットに促されるまま、フランツと麗奈はお店の入り口へ入っていったのだった。









またキャラがふえましたー。


とはいえ、現在はあくまでフランツと麗奈が主軸。

なので、キャラの増え過ぎで収拾つかねぇぜ!な状況にならないように頑張りますっ


あぁ……早く帰ってきておくれ主人公っ!>△<


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