第20話 ある夜のこと
お待たせです!
今回はまるまる伏線なので分かりにくいかも。
とんでもない矛盾があったもんだから、一回投稿し直しちゃいました…
先に呼んでた方ゴメンナサイ!!
ある夜に、世界各地で起きていた事のお話です。
.......PM.8:42_
フランス=アルザス地方
……夜の涼しげな空気が、駅前を充たしている。
ガタガタと音を立てる、ローカル線の古びた列車……それが完全に停車して、ドアが軋みながら開いた時。
プラットホームへ、白いパンプスが降り立った。
『ふわぁ〜…。
…あらら?到着かしら』
のんびりした口調。
人気のない駅のホームを見渡して、その女性は眠そうに目を擦った。
夜霧の中、純白の髪がふわりと風に舞う。
ヒラヒラふわふわしたロリータ調のドレスに、フリルのヘッドドレス。
透き通るような白い肌。彼女は、手に提げていたバックから携帯を取り出して、いそいそと電話をかける。
プルルルル……
『もしもし〜?
指定のポイントまであと少しですっ。
次の列車でドイツに入りますからね♪』
.......PM.9:38_
ドイツ=ネルトリンゲン
……円形の外壁に囲まれた、小さな街の中。
街灯の薄明かりの下で、煙草の火が瞬いた。
風に揺れる髪を細い指で弄び、ふぅっと煙を吐き出す。
『…ええ、ワタシよ。
こっちはだいぶ前から到着してるわ。
他のみんなはどう…?』
携帯越しの相手に微笑を送り、女性は眼を細めた。
綺麗なウェーブのかかった長髪が、夜闇のなかでいっそう緋色に輝く。
『…そう。
順調みたいで嬉しいわ。
ところで…この街も相当面白い事になってるみたいよ。
…わかってる。
今はまだ不干渉、でしょう?
安心なさい。
何もしないから……たぶんね』
クスッと笑い、電話を切る。
そして、小さく囁いた。
『…今は放って置いてあげる。
そのあいだ、せいぜい楽しみなさい♪』
目の前の闇の先……この街のどこかに潜む、怪物へと。
煙草が石畳の路地に落ち、レザーブーツに踏み消された。
.......PM.10:27_
ドイツ=ベルリン
…この時、世界はどこか違っていました。
むかしの大戦によって、大きな傷をおったこの街も……すでに、首都としての機能を回復し、ヨーロッパ有数の世界都市として繁栄の一途をたどっている……
そんな事はどうでもよかったのです。
都市としての風貌や歴史なんて関係なく……この短い時間、まさにこの瞬間。
ベルリンの様子は、いつもと全然違いました。
……部屋の中で遊んでいる、小さな男の子。
彼がふと顔を上げると……さっきまでソファーに座っていた筈のお父さんがいません。
キッチンを覗くと、お母さんの姿もありませんでした。
静かすぎる家の中。
すると……
どこからでしょう、音が聞こえてきます。
その曲を聞いた途端、男の子はとても楽しい気持ちになりました。
"この音楽が聞こえてくるところは、きっと世界中のどこよりも楽しい場所だよ"
音色が、男の子の耳元で囁いています。
男の子は玄関のドアを開けました。
いつも賑やかな街の様子は、死んだように静まりかえっています。
きれいなビルの明かりは全て消えていて真っ暗。それに、人の話し声も、車の走る音も聞こえません。
でも男の子は、怖くなんてありません。
音が聞こえていたから。
楽しい楽しい、笛の音が。
ふと見ると、家の前に男の人が立っていました。
月明かりの下で、笛を吹いていました。
男の人が、手招きします。
"さぁおいで……"
男の子は、その人と一緒に行ってしまいました。
…遠いところへ。
しばらくすると…
街に明かりが戻ってきます。
自動車は騒がしい音をたてて、道路を走り出し、
街中に、人々のにぎやかな声が戻ってきました。
ざわめき。騒がしい街の音。
大都会の喧騒が、長い夜を彩っていきます。
大都市ベルリンの時間は、再び、マトモに動き始めたようです。
いつも通り。
……そして。
子供がまた1人、いなくなったことに……まだ誰も気づかない。
この日。
さまざまな場所で、数え切れない"異変"が起きていました。
たくさんの陰謀と、たくさんの思惑が、渦巻いていたのです。
この、ドイツという一国の中に…。
それは誰にも気づかれることなく、こっそりと。
そして最後の締めくくり。
試合開始の合図があるのは…深夜0時。
おとぎ話の住人達が、固唾をのんで見守るなか。
ドイツ南西のとある街で、なにやら不思議なコトが、起きようとしています。
その街の名前は……
なんか分かりにくい話でごめんなさい!
次回から新キャラ登場です。




