第13話 The illegal One
なかなか更新出来なくてごめんなさい!
では、本編をお楽しみくださいませ〜。
…ハートの女王のお城から、さらに西へ西へ。
その先にあるのは、薔薇、ばら、バラ。
大量の薔薇の垣根で創り出された、女王陛下の大庭園。
庭の中には見張りがいっぱい。
今日の当番はスペードの兵隊たち。
侵入者を拒むため?
いいえ。
彼らの役目は迷い込む人を助けること。
あまりに広大なその庭は、どうも迷路と呼ぶ方がしっくりするのです。
「…ふぁ〜。
今日もヒマだの」
「ほれ5番、ボサッとしていると自分まで帰り道が分からなくなるぞ」
思わずあくびをしたスペードの5に、スペードの7が言いました。
「おっといけない。ええと、確かここを右に曲がって、それから左、その次も左で…」
「まったく…こんなにデカい庭をお造りになるんだもん女王様ったら。
きっと今日も、ネズミかトカゲあたりが迷い込むぞ。」
ガザガサッ
おや?
薔薇の茂みから、かすかな物音が聞こえてきました。
「やれやれ…
また誰か迷い込んだみたいだな。
5番、ちょっと見てきてくれよ」
「はいよ。
さぁ〜て、今度は誰だろな?
ネズミかいな?」
スペードの5は、眠い目を擦りながら揺れた茂みの方へ歩いていきます。
「それともトカゲかな?ウサギかな?
さ〜て、出ておいで。
出口まで連れてってあげるから」
曲がり角を3つほど通り過ぎた時。
ガサッ
また、茂みが揺れました。今度はとても近くのようです。
「おお、そこにいたか」
スペードの5が振り返ると、後ろの茂みから、迷子が顔を出していました。
「よしよし、こっちへおいで。外に送っていってあげよう。
はて、君はなんて名前だったかな?
ネズミかい?
トカゲかね?
ウサギでもないようだし…なんだろねぇ」
そう言って、スペードの5は首を傾げました。
迷子の動物は、スペードの5がまだ見たことのない生き物だったのです。
「いや待て待て。
答えなくてもいい、当ててみせるから」
迷子は何か言おうとしたのですが、スペードの5は頭のいい所を見せたくて、張り切っています。
「そうだなぁ……
カエルにしちゃ毛が生えてるし…
チョウチョでもないな、羽根がない。
豚よりは口が大きいし、じゃあビーバーか。
違う?
うーん、ビーバーにしちゃ耳が大きいもんな。
まさかマウンテンゴリラじゃあるまいし…。
そうか分かったぞ、さてはジャイアントパンダってヤツだな。
そうなんだろ?ジャイアントパンダ!」
『…豚でもカエルでもパンダでもネェよ。
てめぇ喧嘩売ってんのか喰い殺すぞ?』
迷子の動物は、耳まで裂けた口を開くと、よだれをたらして言いました。
『お"い紙屑野郎。
大人しく答えろや…
【Alice】とかいうガキ、……今どこにいる?』
□ □ □ □
■ ■ ■ ■
「………?」
お茶会へ戻る道の途中。
帽子屋は女王様と話をしてる。
「いやぁ〜
まさか女王様がこんなとこまで遊びに来てくれるなんてなぁ。
俺もうビックリ」
「たわけ。
近くに用があったのでアリスを見に来ただけだ。紅茶を一杯飲んだら帰るからな」
「…アリス、どうかしたの?」
「え?
あ、ううん何でもない!」
「そう?
急に立ち止まったから、どうかしたかなって」
あたしの足元に寄り添いながら、子猫くんが言った。
「…ふふ、ありがと。
ほら急ごう?
置いてかれちゃうよ」
何か…聞こえたような気がしたけど……?
気のせいだよね!
「行こっ猫くん。
ほら帽子屋さん待って…
っていないし?!」
前方を見れば、200メートルほど先に女王様と帽子屋の姿がありました。
「おーいアリス〜
早くおいでよ〜」
「ふざけんなホントに置いてくヤツがあるかっ!!
あっこら走るの禁止!
しかも足速いんだもん帽子屋のバカヤローっ
うわーん待ってよぉー!!」




