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5-14 そしてツッコミは、季節を変えて

‥‥‥冬季休暇も過ぎゆき、ルルシアはミルガンド帝国へ帰国していった。


 そして学園に戻り、春先になる頃合いには卒業式が行われ、生徒会長だったペルシャ王女は無事に卒業すると同時に、王籍から抜けてただの魔剣士として、野に解き放たれ‥‥‥もとい、爆破して(・・・・)逃亡していった。



「いや、なんで爆破するんだろう」

「それだけ、王族として残ってほしかったのか、あるいは馬鹿な企みをして、どうにか取り入ろうとした人がいたのでしょウ」


 卒業式会場でぶすぶすと焦げつつ命はとりとめている人たちを片付けながら、俺たちはそう口にする。


 こういう不審者掃除に関しては、ゼナは色々と慣れているようで、次々に渡してはあっという間に消えていく。



「生徒会長は第3王女とは言え、この国の王族という立場でしたからネ。うまく取り入って公爵家にでも降ろしつつ、時がくればその子孫の方に王位継承権が転がる可能性もありまシタ。その為、この際完全に抜けられる前にどうにかして手籠めにでもしようとしたのですガ、相手が悪すぎましたネ」


 帝国の姫は姫で物騒な異名があったが、こっちの王女も王女で爆撃の姫だとかそういうのがついていたし、そもそも生徒会長として学園を治めるだけの実力や戦闘能力もしっかりしていたので、そんじょそこいらの人では相手にもならなかったようだ。


 ついでに、この際あぶりだされた馬鹿共はこの後丁寧にお仕置きが待っているそうで、良くて爵位を落とすか没収で、悪くて王族から抜けたとはいえ抜けきる前の攻撃として判断して処刑になるか‥‥‥大半は、ギリギリ前者の方になるかもしれない。貴族が一気に粛清されると、任せていた領地などに影響がでて、余計に面倒なことになりかねないからね。



「まぁ、命が助かっても今後どうなるのか分からない方も多くいますけれどネ。生徒会長、爆発の仕方で的確に狙うことができるほどコントロールがうまいデス」

「そこはちょっと、被害に遭った、いや、加害者というべき奴らかもしれないけど、男としては同情する状態になったやつらがいるので何とも言えない」


 正直言って、生徒会長と下手に敵対するようなことが無くてよかったかもしれない。


 全力でやり合った場合勝敗がどうなるのかは分からないが、ひとまず今はこの恐怖を忘れないようにして、被害を増やさないように加害者が出ないように何かしたほうが良いのかもしれない。


 そう思いつつも、卒業式は無事に終了し、次の新入生たちが来る入学式へ向けての準備が進み始める。



「そう言えば、ご主人様は生徒会長になりませんでしたネ。財務の副部長として昇進しただけでしたネ」

「俺自身が、人の上に立つ器ではないと分かっているし、そもそも副生徒会長がいる時点でその人が次の生徒会長になるのは目に見えていたよ。でも、この爆撃の悲劇を見ると、次は次で苦労しそうなんだよなぁ‥‥‥」


‥‥‥後に爆撃子孫滅亡惨劇祭りと呼ばれたこの卒業式のせいで、来年度の卒業式の際に生徒会長に就いていた人が、また何かやらかすのではないかと恐れられていたというのはまた別のお話。











…‥‥そんな爆撃の悲劇というか喜劇が王国の学園で行われていた丁度その頃。


 ミルガンド帝国の方にある魔剣士の育成する学園‥‥ダーインスレイヴ学園の方では、入学式のあとしばらく経ってから来る予定の留学生について、確認がされていた。


「ふむ、今年度はこことあそこと、そこのか‥‥‥学年は見事にそれぞれ違うが、それでも問題はないと思いたい」

「そうでごぜぇますなぁ。留学生という立場上、他国からの者という事で下手すれば国際問題になりかねないようなものもいるかもしれませんが、何事もなければそれでいいのでごぜぇます」

「むしろ、この帝国のダーインスレイヴ学園の素晴らしさを吸収して、良く学び、立派な魔剣士となってもらいたいな。魔剣士は世界の宝、魔獣に対応する手段としてどこの国の者であろうとも、強くなってくれたほうがより良いだろう」


 できれば優秀な魔剣士であれば、卒業後はここでの学びから帝国の方に居ついてくれないかなと思うところはあれども、将来がどうなるのかは分からないことも多い。


 それでも、ここでしか学べないことをしっかりと吸収してもらい、より強い魔剣士となってもらった方が世界のためになるだろうと考える教師たちの方が多いのである。


 一応、全部が全部そう思える教師だけとは言えないのだが…‥‥何にしても、優秀な生徒がここで誕生してくれたのであれば、それだけで誇らしい事だと思えるだろう。



「しかしながら、ドルマリア王国の方から出てきた留学生が‥‥‥フィーという、メイド魔剣とか訳の分からないものを持つ魔剣士か」


 生徒たちを今年はどう学ばせていくべきか、期待するような空気が流れていた中、ふと一人の教師がこぼした言葉に、場の雰囲気は一瞬にして暗転した。


「国の上層部の方だけで隠すようなことをしても、人の口に戸は立てられぬ」

「だがなぁ、出来れば知りたくなかったなぁ…‥‥青薔薇姫に子供が出来ていたとは」

「しかもドラゴンの血も引いており、現時点で相当なものだと聞く。ここで学べることがあるのかという想いもあるのだが‥‥‥」

「「「学園内で、青薔薇姫が突然飛び出るような事態だけはないと思いたいなぁ」」」


 青薔薇姫の所在は不明だが、現時点で入ってきている情報によると、生死も行方も分からなかった青薔薇姫が今年になって目撃されたというものが入ってきており、その原因となったものにはこの少年が関わっていると聞く。


 詳しく調べてみれば、思いっきり血筋だったというか、さらなる面倒事の大きな爆弾になりかねないという事まで、教師たちは知ったのだ。



「彼の青薔薇姫は魔剣士ではなかったがゆえに、ここで学ぶことはなかった」

「でも、当時の腐っていた教師とかに対して、制裁を加えたというか、混沌と災害を混ぜ合わせたという事がありましたなぁ」

「あの悲劇は、二度と味わいたくないのでごぜぇます‥‥‥面倒事が無いように、問題児を事前に刈り取りたいですが、できますかねぇ?」



 はぁぁぁっと深すぎる溜息を吐きつつ、留学してここにやって来る時を待つしかないだろうと結論付け、教師たちは気を取り直して今年度の学習の進め方に関しての議論に切り替える。


 今もなお、盛大に尾を引きまくっている青薔薇姫ではあるが、できればまた出現せず、彼の寿命が尽きるまで存在を忘れる程何もしないでほしいと、全員そう心に思うのであった…‥‥



「そう言えば、このフィーという少年、学年を見ると姫様と同じぐらいか」

「ふむ、ならば何か起きる前に姫様の方が先に動くかもしれませんな。それならまだ、被害を未然に防げる‥‥‥か?」

「ううむ、良い事のはずだが、何故だろうか。後で凄い厄介な気がするでごぜぇますなぁ?」



正直、不安はあるだろう。

見慣れぬ国、そこの学び舎で何を学べるのだろうか。

でも、期待も抱きつつ、その時は来るのだ‥‥‥

次回に続く!!



‥‥‥ちなみに、裏社会の方でも必死になって動いている人たちがいるので、何かやらかせばその時点でやらかす人は終わるのかもしれない。

そんなやらかそうとする人ほど、結構やましい事を裏社会に頼んでいるからなぁ

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