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3-4 ひとまず安全は確保できており

‥‥‥村にもう間もなくで、到着するその時に、急に響いた魔獣への警戒に対する声に、俺は嫌な予感を抱いた。


 そこで、翼を広げて全速力で駆け付けたのだが‥‥‥‥


「何とか全員、無事だったのは良かったが…‥‥こうも突破されるとは肝が冷えたなぁ」

「ですが、全部無事に消し飛びましたネ。周囲に魔獣の反応無し、全滅確認デス」


 熊の魔獣をこの世から消し飛ばし、その他にも騎士たちが相手していた魔獣も一気に切りつくした。


 こういう時に瞬歩やらその他のモードなども使いこなせるように、日夜鍛練を欠かさなくて良かったと思えるだろう。



「助かったと言えば助かったが、以前よりもはるかに凄い強くなっているな、フィー」

「ああ、確実に村から出る前よりも確実に凌駕しているだろ」

「まぁ、色々あったからなぁ」


 事後処理もなんとか終え、騎士たちの様子を見に来たところで、オッサンズに声をかけられて俺はそう答えた。


 他の魔剣士たちもすぐに到着して、犠牲もなくなんとか平穏に終わったが…‥‥それでも、魔獣の襲撃があった分、不安はあるだろう。


「でも不安よりも、お前のその姿の変わりように度肝を抜かされたんだがな」

「成長を見てきた分、ここまで大化けすると逆に大丈夫なのかと聞きたくなったぞ」

「…‥‥いや本当に、あり過ぎたからね」


 角や翼の方に視線が行くのは分かるが、目をそらしつつ説明が面倒なので省いておく。


 ドラゴンやら青薔薇姫やら、何かとあり過ぎて説明しにくいからね。ある程度は手紙で教会の方に届いており、それを見ているかもしれないが、実物を見るのとそうでないのでは感覚が違うだろう。


「それにしても、オッサンズの方は変わりがないよね。あ、でもそれなりに離れている間に、彼女が出来たとかそういうめでたい話はないのかな?」

「「「ナイ」」」


 自分には変化があったが、オッサンズの方は変わらないようであった。あ、お見合い最後は確か30連敗まで聞いていたけど、最近45連敗とペースが速まっている気がするな。

 


 何にしても、魔獣の警戒はしつつも、今回の襲撃はこれで終わったという事で、村の警戒態勢は解かれ、避難場所にいた人たちが戻ってくる。

 

 そしてその中には当然‥‥‥‥


「うわぁぁ!!フィー兄ちゃんだぁぁぁ!!」

「お帰り、フィー兄ちゃん!!」


「ゼナ姉ちゃん、お帰りお帰り!!」

「姉ちゃんの飯は美味しいもんねー!!」

「フィー兄ちゃんのお世話で疲れてないかなぁ?」

「王都でのお話を教えて、ゼナ姉ちゃぁぁん!!」


‥‥‥あれぇ?なんかゼナの方に声が多くないかな?


 駆け寄って来た教会に身寄りを寄せている弟や妹たちの大半がゼナの方に群がったのを見て、俺はちょっと悲しい気持ちになった。

 

 何故だろう、一緒だった年月は長かったはずなのに、この中で一番短いはずのゼナに対しての全員の想いが強いのはどういう訳なのか。あれか、飯で胃が掴まれているのか、メイド魔剣とは言え綺麗な女性だからか、男よりもしっかりした女の人の方が良いのか…‥‥どれもこれも思い当たる要素があり過ぎるんだが


 いつか彼女に勝てるようにしたいのだが、人徳の時点で決定的な敗北を味わっている気がしてならない。でもどうにかなる‥‥‥ことはあるのか?人気ってどういう基準で勝敗が決まるのだろうか。いや、既に敗北している時点でどうしようもない事なのかもしれないと思うと、かなり悲しいのだが。



 目の前で起きていた悲しみを感じつつも、無事に帰ってくることが出来たこの育った故郷。


 魔獣たちに踏み荒らされるよりも前に、守り抜けたことに関して魔剣士になってよかったと思える。ドラゴンの翼も大きいけれども、無くても飛んで迎えるからそのあたりはノーカウントか。


 そう、例えその魔剣が自分よりも弟や妹たちに人気があったとしても…‥‥あ、この点に関しては悔しい思いの方が強いなぁ。なんでゼナの方が人気なのか、考えると要因があり過ぎて自分の存在意義が揺らぎかねないので考えないほうが良いのだろうか。


 少しばかり涙が出そうになるのを我慢しつつ、帰ってきた実感を味わうのであった。










‥‥‥そして一方、生徒たちが帰省していなくなった王都の方には、一台の馬車が進んでいた。


 物々しい警備とまではいかないが、しっかりとした護衛たちが周囲を囲んでおり、万が一の魔獣襲撃に備えて魔剣士たちもついており、その規模からただの馬車ではないと周囲は思った。


 このクラスになると、かなり上位の貴族か、王族関係か…‥‥少なくとも、一般市民が下手に触れてはいけない領域だと思い、誰も彼もがそっと道を開けて逃げておく。


 中にはこういうくらいの高そうな方々の目につけば、何かあやかれるかもしれないと思う不遜な輩もいたようだが、理性ある周囲の人たちによって止められる。誰だって、面倒事になってほしくないのだ。


 そして馬車は進んでいく。王都内にある王城へ向かって。


 その馬車に記されている、どの貴族家なのか示す紋章をきらめかせ…‥‥

相変わらずな騎士たち。

変わらぬ村。

でもそれが、育った故郷なのである・・・・・・

次回に続く!!


‥‥‥にしても、面倒事の予感。仕事が明日からあるのも、辛い。

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