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2-5 あるがままに、受け入れても

‥‥‥プチデビルの集団との戦闘も経つつ、フィーたちは無事に王都内へ入った。


 そして、事後処理に関しては大人たちに任せるので深く関わることも無く、真っ直ぐ目的地である学び舎に到着できたのは良いだろう。


「ですが、入寮にもめるとは‥‥‥少々、疲れましたネ」

「いやまぁ、ある程度予想は出来ていたけれどな」


 学び舎もとい、王都にある魔剣士になる者たちが集う魔剣士養成学園、正式名称『デュランダル学園』。


 国名と同じ名前のようなイメージがあったが、どうやら昔あった魔剣士の中でも有名な人の魔剣の名をもらった学園のようで、ここに集められた生徒たちが過ごす場所として寮室が与えられていた。


 とは言え、男女間のいざこざが魔剣士同士で起きると割とシャレにならないのもあってか、男子寮と女子寮に分けられていたのだが…‥‥ここで、ゼナの存在が問題になってしまった。


 なぜならば、彼女は俺の魔剣であるのだが、容姿がどう見ても美しい女性もとい盗賊トラウマ製造機メイドなせいで、男子寮にそう簡単に入れるわけにはいかない。


 けれどもゼナ自身が俺と一緒でないと意味が無いと、メイドや魔剣としての矜持をもって交渉を行い…‥どうにかこうにか、何とか一緒の部屋になる事を勝ち取ったのである。


「一応、貴族家の方でも使用人を連れて入寮される方がある例が存在していてよかったのデス。後は、私自身が毎晩寝静まる頃合いに寮内を見回る役目を持たされましたが、ご主人様のためを思うのであれば、この程度の制約は意味をなさないでしょウ」

「基本夜寝ないから、大丈夫なのか?」

「ハイ。どうせ、夜は見回り以外することも無いでしょうし、役目があるだけでもありがたい事なのデス」


 寝る必要が無い魔剣だからこそ、夜何かあったほうが楽なのだろう。


 まぁ、この魔剣士が集う学園に対して、何かを仕掛けるような輩はいないと思いたいけれどな。というか、いたらいたで彼女の犠牲になるのだから出ないでほしいとは思う。‥‥‥盗賊たちのあの哀れな姿がまだ忘れられなくて、早く記憶の彼方に消し去りたい‥‥‥



 とにもかくにも、入寮して部屋が与えられつつ、正式な学園での生活が始まるのは明日からのようで、今は寮内で各地から集まって来た今年度の魔剣を獲得した生徒たちが互いに簡単な自己紹介を先にしたり、お互いの魔剣に関しての話で盛り上がっているようだ。



「おおおおぉ、魔剣を扱うものがこれほどにまで‥‥‥」

「これはこれで、新しい研究対象が増えそうですね先輩!!」

「特にあそこの、メイド!!魔剣なのに人型で、話すとは非常に興味深いぞな!!」

「ぜひ、詳しい話しを聞きたいですね先輩!!」


「そして後方から、何やら熱い視線というか、纏わりつくような視線を感じるのですが…‥‥あれ、どうしようもないのでしょうカ」

「あれは流石に、見るな聞くな知らぬふりをしろとしか言えないなぁ…‥‥」


 うん、各地から色々と人が集まって来るし、何かと僕らだけではなく元々この学園に在学している人たちもこの寮内にいるからな。多少の変わり者がいてもおかしくはない。


 けれどもじーっと思いっきり見てきている様子に関しては、やめてほしいと思う。





 一応、上の学年の人は、今はまだ俺たちに関わることはできない。


 というのも、過去に入寮したての魔剣士に対し先輩面をしてやらかした人がいたらしく、正式に入学しつつ授業で魔剣を使っての戦闘をきちんと基礎的な部分からものにするまで干渉できないそうである。


 その為、現在進行形で見てきている人たちも俺たちより上の学園に当たる人なので、今のところは話しかけられる可能性はないはずである。


「まぁ、アレ以外にも色々と視線は感じるけどな…‥‥」


 少々関わってはいけなさそうな人の視線以外にも、ちょっとばかり他のものも感じてはいる。


 そもそも人の姿を成す魔剣なんぞ例に無く、明かに目立っているのだから。


 貴族家で使用人を引き連れてきている人がいたとしても、魔剣ではないし、珍しさから見る眼もあれば、そうでもない悪意に満ちたような視線もあるのだ。




「ご主人様に危害を加えそうな輩もいそうですが…‥‥今のうちに、〆ておきましょうカ?」

「どこで覚えた、その物騒な感じの言い方」

「他の魔剣の方々からデス。私以外の魔剣ともちょっと交流しまして、色々と話を得ていますからネ」


 そう言えば、彼女は他の魔剣とも会話できたっけ。今は俺の側についているけれども、機会があれば他の人の魔剣に触らせてもらっていて、しっかり魔剣同士の交流も進めているらしい。


「何かと情報も多いですし、魔剣同士話も弾みやすいのデス。とは言え、人語以外の会話をする魔剣はどう対話すべきか、検討中ですがネ」

「いや、そもそも魔剣に人語での会話をする概念とかあるの?」

「んー、方言と言うべきか地域によって魔剣の口調も異なるようなんですよネ。これはこれで面白い情報とは言えるのですが、訳すのが大変な方々もいるのも悩みの種なのデス」


 色々とやらかしているメイド魔剣なゼナではあるが、彼女でも流石に悩みは抱えるようである。


 完璧超人ではなかったことに喜ぶべきか、魔剣に方言があるのかとツッコミを入れるべきか悩みつつも、もう間もなく入学式の時が来るのであった‥‥‥‥




「ほうほう、魔剣に方言、言語の概念…‥‥今すぐにでも、色々と聞きたいぞなぁ!!」

「興味が尽きないほど、ありますね先輩!!」


「ちょっと気になってしまうから、あれどうにかできないか?」

「流石の私でも、変態臭が漂う方はちょっとNGデス。いえ、魔剣同士の会話の中ではアレを越えた変態魔剣士がいるという噂も気になりますガ‥‥‥」

「あれ以上がいるのかよ!?」


 魔剣にいわれるのもなんだが、人間って業が深いのだろうか…‥?

ちょっと変態研究者っぽい二人組。

でも、それを凌駕する方もいるようで、出来るだけ出会いたくはない。

会うことは無いと思いたい…‥‥

次回に続く!!




‥‥‥なお、データ上としてはまだどうにかできそうだったりする。でも、好きこのんで関わることも無い。

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