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氷の女王
目を閉じれば、見えてくる。
果てなきましろの、氷の鏡面。
動かぬ水平線は、蒼き空と溶け合って、
こおこおゆらゆら、つめたい炎をあげている。
吹雪はぴたりと止んでいて。
空には雲ひとつなくて。
さえぎるものは、なにもない。
真っ青な鹿が、日輪へとすばやく駆けていく。
たすけて
たすけて
金の獅子に、食われてしまう――
哀れな鹿は、叫びながら逃げていく。
かわいそうな鹿から目をそらし、僕は固まった水平線を見すえる。
さあ滑りだそう。
競争するんだ、どちらが速いか。
兄さんには負けない。今度も勝ってやる。
冷たい息吐く、氷の女王。
あなたなんか、こわくない……




