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天災

両親に別れの言葉を告げたかったけど

俺のスキルのせいじゃ、ある意味別の

別れの言葉になりそうだったからな…


さて、旅に出たはいいものの何を目的としようか。


「お前の、ジーニスの、原初を思い出すんだな」


スーマさんが言ったことを思い出す。


「原初、かぁ…あんな事があった後じゃ

自分のこと天才とか言えないよ…

言ってしまえば天災だな!ははっ…」


自分で言ってて悲しくなってしまう。

ダメだダメだ!マイナスな事を考えては

それを『心の干渉』で引き起こしてしまう。


「よし、まずはイマジーネに行って

里を攻めた後、どうなったか確認しよう。

ベラキサムとその親父さんの事も気になるし」


えぇと…確かイマジーネへの方角は…


「キャアア!!誰かぁ…誰か助けてくださいい!!」


里から出てしばらく歩いていると

そんな悲鳴が聞こえてきた。


「俺たちの里から引き返したイマジーネ兵が

何かしたのか!?急いで向かわなきゃ!!」


その悲鳴のした方へとダッシュすると

『心の干渉』のおかげかいつもより

早く走る事が出来た。


数秒ほどでその光景を目にする。

『心の干渉』により視力が強化されたか。

だが、少し距離が遠いために

間に合うには時間がかかりそうだ。


五人組の男達と、倒れている馬車。

殺されている運転手の人と、貴族っぽい?女の子。


「おいおい…こいつは上玉だぜぇ?」


「ヒヒヒッ!大したもんだ!

俺たち『狼の縄張り』はよぉ!!」


「馬車の運転手も速攻で殺せたしなぁ?」


「しかしこいつはすごい女だ…見たところ貴族。

しかも顔も悪くねえ。オモチャにすんのも

どこかに高く売り飛ばすのも悪くねえ…」


「キャキャッー!!楽しみだなぁ!!?」


女の子は酷く怯えながらもその手に

銀色の魔法の光を蓄えている。

「いや…やめてぇ…!来ないでぇ!!」


ピシュッ…


銀色の光を放つ魔法が、盗賊のひとりの

頰を掠めその頰を血で染めた。


「おい…おいぃ!?何してんだコラ?

ガキが舐めた真似してんじゃねえぞ!!?」


「ひっ…!!!」


やっと距離が縮まり、止める事が出来そうだ。


「よせ!お前ら!何をしているんだ!!」


盗賊5人が一斉に俺の方を向く。


「あぁ!!?なんだてめぇは。

引っ込んでろガキがよぉぉおお??」


5人の男どもは女の子に向き直る。


「その子から手を引けと言っている…!」


「舐めた口聞いてんじゃねぇぞクソガキ!!」


激昂した1人の盗賊の男が片手斧で

こちらへと振りかかってくる。


勝てる…勝てるッ…勝てる!!!!


そうして俺はその縦振りの斧を楽に避ける。


「遅いッ!!」


すれ違いざまに右手で曲剣を居合いで抜きはなち、

1人の盗賊の腕を両断した。


シュババッ!!


「びぎゅわぁぁあああああ!!!!?!」


両腕を切断された男が痛みで気絶する。

倒れようとする男の心臓にとどめに剣を刺す。


「や、…やっちまえオメェら!!!」


「「「うおおおおおお!!!!」」」


4人で一切に多彩な武器で切りかかってくる。

ダガーで、槍で、棍棒で、直剣で。


素早く先程殺した盗賊の心臓から剣を抜く。


まず、いの一番に突っ込んできた

ダガー持ちの盗賊に、思いっきり

顔面へと蹴りを食らわせる。


「ピギュッ!?」


その男の頭が千切れ、後方へと吹っ飛んだ。


その蹴りの反動を活かし、槍を持つ男へと

急速接近し左手で腹にパンチを食らわせる。


ボゴォ!!!メリメリ…ブチッ!!

拳が腹にめり込み、内臓が破裂する音がする。


「ぐぼぇえあ!!!」


そのパンチを食らわせた後、

棍棒で殴りかかってきた男に振り向く。


遅い、遅すぎる。いや、俺が速いのか…?


棍棒を横に軽く避けながらその棍棒に

かかと落としを食らわせると

男は前に勢いよく倒れていく。


ベキッ…ボギャギャゴギギッ!!


「がああああああ!!?!?」


棍棒を握っていた盗賊の指や

手の骨が全て折れたようだ。


すぐさま倒れた棍棒の男の首を断つ。


え?ちょっと弱すぎないか…?


直剣を持っている男が切りかかってくる。

曲剣でガードしながらよく考察してみる事にした。


ガキィィン!!!ギリリリ……


男の力は…弱い。すぐにでも押し返せそう。

とても巨漢とは言えないが筋肉は十分にある。


「うおおおお!!!!!」


盗賊が剣に体重を乗せ、押し潰し、叩き斬ろうとする


が、鍔迫り合いになった両者の

剣は一向に動く様子を見せない。


俺の華奢な体と比べれば、盗賊の方に分があるのに…

これが『心の干渉』の力ってことなのか…?


剣の反りを活かし、直剣を受け流す。

体勢を崩し、勢いよく倒れようとする

男の首筋に剣を立て静止する。


ズバッ!!ポロッ…


立っていただけで盗賊の首が取れてしまった。


「あわ、あわわわわわわわ…」


女の子が盗賊達に脅されている時より

さらに怯えた表情でこちらを凝視している。


「えっと…あの…大丈夫??」


「いやぁー!!助けてええええ!!!

誰かあああああああああ!!!!」


「あ、あの…?」


「うわあああああああああ!!!」


女の子は恐怖で気絶してしまった。


「どうしようかな…これ」

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