詳細
家に近付くにつれて、すごく
美味しそうな匂いが外にまで来ている。
「おかえり〜!今日は腕によりをかけたわよ!」
母さんが普段は滅多に食べられないような
美味しそうなご馳走を用意していた。
「じゃあ早速食べようか!」
「その前に手を洗ってきなさーい?」
手を洗い、食卓に3人で座る。
「「「いただきます」」」
そうして豪華な食事を終えた後、
俺のスキルの話になった。
「そういえばお前のスキル、調べてなかったな。
明日にでも里長の家に伺って占ってもらうか?」
「そうだね!今のところ身体能力が上がることと、
俺が天才って叫んだ事によって、さらに
スキルの効果が高まった事も気になるし」
「ふむ、じゃあ明日は仕事を休みにして、
スーマさんの家に訪問しにいこうか?」
「私も行こうかしら?」
「おお、ぜひ来た方がいいな。
ジーニスのスキルはみんなで見て、
どんなことに使えるか考えよう」
食事をし終え、風呂に入り、寝床につく。
ジーニスはある事を寝る前に考えていた。
(う〜ん…こんな平和な里じゃあ
天才の俺の才能は持て余しちまうな。
あ〜あ…なんか面白い事起きればいいのに)
――――――――――――――――――――――――
「よし、行こうか」
「ジーニスのスキル、どんな能力なんだろうなぁ」
「楽しみね!」
スーマさんの家に着き、呼び鈴を鳴らす。
「ふぁ〜い。なんだこんな朝から?」
ガチャッとスーマさんの家の扉が開く。
「ああ、お前達か。今日はどうしたんだい?
ジーニス…昨日の事は反省してるんだろうね…?」
寝惚け眼で寝間着のまま、スーマさんが出てくる。
ジーニスはその様子に思わず…
「はい!内緒で興奮するようにしました!」
またしばらく気を失うことになるジーニス。
――――――――――――――――――――――――
なぜかまた、気を失っていたようで
里長の家のソファに寝ていたようだ。
「ハッ!?」
「起きたか?この愚か者め。」
スーマさんはいつもの仕事着を着ている。
もっと寝間着姿を見ておきたかったな。
「はい!なぜか頬っぺたが痛いんですが
スーマさん何か知ってますか?」
「知らないよっ」
「おい、ジーニス。またやらかしたな」
「え?俺なんか言ったっけ?覚えてないな…」
「早く来たまえ、このバカジーニスめ」
そうして占いの部屋に入ると
なんかさも妖しい気分になってくる。
桃色の照明のせいなのだろうか?
「ああ、そういえば俺のスキルを
占ってもらうつもりだったんでした」
スーマさんはため息をつきながら
「いいよ、早く水晶の前に座りな」
水晶が設置されている机…付近の椅子に座る。
確かこの水晶は滅多に見られないんだっけな。
桃色の照明の部屋の中で滅多に
見られないスーマさんの水晶…
「なんかエロいな(小声)」
「おい、なんか言ったか?」
「な、なんでもないです」
「はぁ…いいから指先を切って
この水晶の上に血を一滴垂らしてみろ」
俺は腰に差している小刀を抜き
人差し指をちくっと刺して血を一滴垂らした。
すると水晶は血を吸い始め、やがて俺の髪の色、
つまり白色の光を発光し始めた。
「えぇ〜と、なになに〜??…!!?!
なんだこのスキルは!?」
「えっ?どうしたんですか!?」
「こんなスキルは今まで見たことがない…
自分…の…思…う…通りに…歴…史を作…る?」
「自分の思う通りに歴史を作る?」
「色々詳細が書いてあるが…つまりだ。
自分の思う事を信じれば信じるほどに
それが本当に起きる、というものらしい」
「なんですかこのスキルは…」
「つまりジーニスが天才だと叫び、
速さが増したのは、自分を天才だと
信じる力が増えたから。その思いが
スキルに反映し、身体能力が強くなったと…?」
「ああ、このスキルはそういうものだ。
少々ジーニスには手に余るスキルだな…
ん?…なにか他にも書いてあるな」
すると里長の家の玄関が叩かれた。
「なんだ?」
「さあ?とりあえず出てみましょう」
――――――――――――――――――――――――
「おいジーニス!昨日が誕生日だったろ!
家族水入らずでお祝いさせてやろうと
時間を置いたけど、今日は許さないぜ!!」
友達であるベラキサムが声を上げる。