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尚、士気については旺盛であります!  作者: 固太 陽
第一章
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第22話 発 見 ~人を隠すなら人の中~

やさぐれてましたが頑張ろうと思います。

「庄野さん?」

「あぁぁ!そうか・・・。」


「・・・ビックリするから行きなり大声出さないでね。」

「あ、すいません。」


「で、どうするんだね?」

「・・・。虫を放つには必ず城の外に行かないといけない。サリアンには城の中は結界が張ってあり出入りが困難ですから。だったら。放つ環境を作ってあげましょう。」





「・・・これでどうでしょうか?」

「ホントに行けるのかね?本気で疑ってはないけどね、よくもまぁこんな作戦考えるね・・・。ギルドにはワシから言っとくね。」

「やらないことには始まりませんから。城下町へは私から伝えます。」



後日、サリアン城下町の市場通りに謎の張り紙がありお祭り状態であった。


『明日はかつて魔族討伐の勇者の誕生日です!

勇者といえば・・・あのマント!

マント祭!開催!

市場通りでお買い物をするお客様限定!

フードつきマントを着ているだけで3割引!』



もちろん嘘である。勇者の存在は間違いではないがフードつきマントなんて着ていたかどうか、知ってそうなのは()()()()()()()()()()くらいである。


「・・・ワシが言い出したことにすれば信憑性は上がるね。庄野さん、あんた、極悪人だね。」

「知ってましたか?昔から正義は悪から産み出されたんですよ。その行動を正義かどうか決めるのは大衆と時代ですから。」


「・・・勤勉なんだね。歴史は廃れた知識だと否定する人が多いけどね。」

「友人の受け売りですよ。じゃあ、行きましょうか。」



当日、3人もマントを着けて城下町へ赴く。城下町は渋谷の交差点、池袋のハロウィンよりかはマシだが人に溢れていた。


「うわぁ、サリアンにこんな人が来たのは始めてです。」

「・・・懐かしいねぇ。魔族討伐から帰って来た日に似てるね。」

「我々はバラバラになって買い物をしているフリをしましょう。もし外に出ようとしてる人がいて、虫を放つ時に声をかけてください。」


(とはいっても・・・やり過ぎたかな。こんなに人が来るのは想定外だった。酒飲んで暴れてはいないが広場でどんちゃん騒ぎが始まったな。便乗して出てくるなら・・・今だ。)



庄野の予想通り、やたら背の高い男が城の外にこそこそと出てきた。


(来た・・・本命かどうかはまだわからん。)


男は外に出て何もしない。遠い空を見つめながらブツブツと何か呟いている。手の上にはトンボが留まっている。


(何をしているんだ?呪文・・・のような。)


突然、手の上にいたトンボが男の人間と同じサイズになる。男の右手には紫色の魔石がある。


(やつだ、止めるか。)


「止まれぇ!何を、やってるんだ!」


トンボを扱っている男の目の前に立ち塞がったのは庄野ではなく門番だった。


「・・・お金を渡しましたよね?黙っておけと。」


(あいつ、なにやってんだ!)


即座に庄野が駆けつける。同時にアルフとサクラも到着した。


「お前たち、何で!・・・。」

「・・・誘いに乗ってみれば西の都の落ちこぼれ達ですか。まぁ、良いでしょう。選びなさい。魔石になるか、灰になるか。」

「どっちもお断りだね!」

「フードを外しなさい!あなたは、誰ですか!」


「・・・誰だと思います?」

「ヤエ様の部屋に来た、ヌークさんですよね。」

「ホントかね!」

「そんな・・・。お姉様の・・・。」

「何で・・・ヤエ姫様の・・・騎士様が!」


男はフードを外した。

先日ヤエと会ったときに庄野に対して「ドブの匂いがする」と放った男がそこに立っている。


「・・・1つ確認させてもらう。ヤエ様を利用したのはお前だな?」

「ほぅ?頭が切れる男と聞いていたが、予想以上だな。」


「目的はサリアンへの復讐だな。あんた、異界人だろ。初めてあったとき『ネズミを部屋にいれるな』って言ったよな。ネズミはこの世界にいない。そして、犬の代名詞『ポチ』も俺のいた国の文化だ。何故ヤエ様が知っている?」

「・・・。」


男は黙って聞いている。


「ヤエ様を洗脳したか、本物はもう・・・。どちらにせよここでその悪巧みは終わらせるぞ。」


「んっふふふふ。これだから公務員は嫌いなんだよ。上の言うことに忠実な行動をとる。何より!それだけの知識、能力を国のために使って何になる!ただの偽善だ!それを!他人に押し付けて!国を盾ににやりたい放題しやがって!・・・サリアンは、私を、ゴミのように扱った。許せない。お前の姉の立場は利用させてもらった。流石王族の人間だな!今は魔石で動く私の人形だが。」


「・・・屑だね。」

「お姉様・・・そんな・・・。」


「よくも!サリアンへの侮辱は!俺が!サリアン国門兵、タリーが許さない!うぉぉぉ!!」


「地獄まで燃え続けろ。『呪いの炎』。」


ヌークの指から細長く黒い炎が回転しながら門番に近づいていく。


「なんだ!そんな炎は効かない!おりゃあ!」

「・・・『触った』な。さよなら。」


左腕で払ったように見えたら黒い炎は門番の体を少しずつ燃やしていく。


「うわぁ!何だ、これ!消えない!消えない!助けて、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!」


炎を消そうと触れた部分に火が移り、両腕が燃える。火の勢いは激しいように見えないが門番の腕はみるみるうちに灰になっていった。


「・・・可哀想だから明度の土産に話してあげよう。私の炎一度触れれば決して消えない。灰になるまで消えない。触れればそこが燃える。山火事のようにどんどん範囲は広がり、最後には・・・話が終わるまでに死んだか。」


門番は灰になった。白い粉だけがそこにある。


(・・・あいつが飛び出してなかったら俺が突っ込んで死んでた。・・・魔法に対抗する能力が無い。どうする・・・。)



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