第21話 推 理 ~結局目撃証言が一番~
「情報が欲しいんだったわね。ふぅ。ソーラは海底を調べたんだけど、何ていうか、今回の事件と関係あるかどうかわからない事が多くて。」
「些細なものでも良いので、お願いします。」
「サリアン国に面してる海域、勝手に調べさせてもらったんだけど。・・・明らかに実験に使用した量の魔力成分を含む汚水が流れてる。その近辺の深海付近に大量の魔石だったものもあったわ。」
「魔石だったもの?」
「魔石にも寿命があるね。しばらく使えば効果が薄くなるね。大きなものは一気に使う分減りが早いね。小さいものを何個も着けた方が長持ちね。」
「ま、そんな所ね。あとはあなた達に任せるわ。私たちじゃどうしようもないだろうし。あと、リーは別件で動いてるから貸せないから。・・・頑張ってね。」
「ありがとうございます。カエデ女王。」
「サクラ姫、庄野さんとワシは先に出てるからね。」
アルフと庄野は先に城の外に出た。
「・・・サクラちゃん。その・・・。」
「・・・また、遊びに来てね。私も、てつや様も待ってるから。」
「・・・うん!またね、サクラちゃん!」
「!・・・うん、じゃあね!カエデちゃん!」
「お待たせしました。行きましょう!サリアンへ!」
「とはいってもどうするね?振り出しじゃないけどね。」
「1人、心当たりがあります。」
「・・・カエデちゃんって・・・あたし、女王だよ?全く・・・。」
3人はサリアン城の門の前に立っている。ここサリアン城の警備をしている男、庄野に悪態をつく門番は今日も門番をしている。
「・・・何ですか?西の都の皆さまで。お出かけでしたか?そりゃお疲れ様でした。」
「答えろ。門の前で虫をはなった男が頻繁に現れているだろう。誰だ?」
「何ですか、そりゃ?そんな人間いませんよ。」
「その男は今回の魔石事件の犯人だ。本当のことを話してくれ。」
「・・・知らないな。」
「本当に知らないのか?それとも、知らないと言え、と言われているのか?」
「じゃあ逆に聞くがよぉ。門の前で虫を放った男がいたっていう情報は確かなのか?誰かが嘘をついたんじゃないのか?」
「ガラ王から聞いた。ぶん殴って本当のことを吐かせた。」
「・・・嘘ではないけど、そんな言い方しなくてもね。」
「ガラ王を、殴って・・・そういやこの前、ガラ王が異界人に喧嘩売られたとかって噂が・・・お前だったのかよ!」
「答えろ。」
「・・・あぁ!いるよ!変な男が夜になったら虫を放っていくんだよ。『見なかったことにしろ』っていつも言われるんだ。特に悪いことをしてるようには見えなかったし、何より何やってるかわかんねぇし。」
「その男、海岸に行ったりしてないか?」
「なっ!・・・わからねぇな。」
「海岸に行ったはずだ。サリアンの海岸の水質はソーラが調べて魔力成分を確認している。何をしていた?」
「・・・ちなみに、誰から聞いた?」
「カエデ女王に聞いた。サクラ姫とカエデ女王は幼少期からの仲良しだ。俺も仲良しだからわかる、嘘はつかん。」
「・・・間違ってはないですが、そうやって言い切れるのもある意味、てつや様の才能ですよね。」
「・・・そういえば、ソーラの女王の唇を奪った異界人がいるとか噂が・・・。お前なのか!」
「そうだ、答えろ。」
「てつや様?!もしかして・・・二人きりになったときに、キ、キ、キ、キスしたんですか!」
「ぐふぅ!・・・すいません、あれは事故なんです。」
庄野はサクラに喉元を絞められる。淡々と会話を進めていたのに余計なことを言った庄野哲也が悪いのは当然である。
「・・・あぁ。見えたよ。海に何かを捨てていた。ここからはよく見えるからな。」
「そうか。・・・ちなみに、その男が誰か知ってるか?」
「・・・知らない。」
「分かる範囲で良い。虫を放った人間の特徴を教えてくれ。」
「・・・男、眼鏡をかけていた。背が高い。それ以外はフードがついてるマントをつけていて何も見えなかった。あとはわからない。・・・。。」
「まだ終わっていない。本気で何とかしたいならお前も動くんだな。」
「諦めるのは全部終わってから、まだ早い、だっけね。精神論は嫌いだけど言葉は嫌いじゃないね。」
「行きましょう。この国の未来のために。」
「さて・・・あとはネズミを誘きだすだけですが。」
「何だね?ネズミって。」
「私も聞いたこと無いです。」
庄野はネズミについてアルフとサクラに説明するが全く理解を得られなかった。
(えっ・・・ネズミってこの世界にいないのか。)
「・・・ん?何で知らないんですか?」
「知らないものは知らないね。サクラ姫だって知らないね。」
「本でも見たことは無いです。言葉も聞いたことはありません。てつや様、その・・・ネズミが何か?」
(もし、知ってるとしたら・・・異界人だよな。ん?じゃああのときの言葉はどういう事だ?待てよ、と言うことは・・・。)




