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6月16日 ②

俺は村川が教室から出て行くのを見送ると、自分の席に座って外を見た。強く降り続ける雨、そしてその雨音が鳴っている。


村川の死にたい理由は注目されるから、普通に暮らす事が出来ないから、そう言っていた。

しかし本当の理由が別にあるのではないか。たかが注目されるからと言う理由で死にたくなるものだろうか……

まだ村川とは二日目の付き合いだ。彼女の事は知らないことの方が多い。だからこれから彼女の事を知らなければいけない。


ホームルームが始まる前に村川が教室に戻ってきた。

上下学校指定の赤色のジャージ、足元は裸足に上履きを履いてる。髪の毛は普段下ろしているが、今日は一つ結びにしていた。


村川は教室に入ると、トテトテと小走りで俺のところに来た。


「ありがとうね、真紀君。私あのままだったら風邪ひいてたかも」

「まぁ、流石にあんなに濡れてたらほっとけないから……」

「うんうん、流石真紀君だね。真紀君も風邪ひかないようにだけどね。今日、放課後一緒に帰れるよね?」

「わかった。じゃ放課後な」


あれ……? 俺今しれっとさらっと一緒に帰る約束したの……?なんてスムーズな話の流れ!まさか学校一の美少女と一緒に帰ることになるなんて、日頃の行いが良いからかね。


今日は、というか今日も授業はまったく頭に入ってこなかった。先生の声が右耳から入って左耳から抜けて行く感覚だ。

気付けば四時間目終わりの方になっていた。

そろそろお腹が空いてくる時間で、周りを見ても空腹と戦って授業に集中している生徒は殆どいなかった。

その中にただ一人、ひたすら黒板の文字をノートに書いている生徒がいた。村川だ。

普段でも目立つ存在だと言うのに、今日の村川は一人だけジャージなので、余計に目立つ。

しばらく彼女を見ていると、向こうも俺に気づいたようで小さく手を振って来た。俺も小さく手を振ると恥ずかしさで目線をそらしてしまった。クラスの奴らに見られてた?

そして昼休みの時間に迫っていた。



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