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黒翼契約譚《レイヴン・クロニクル》 ~終わりを選び、未来を奪い返せ~  作者:
第一章:固定された世界

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第7話:残響と新たな影

第7話です。


戦いは終わった――はずでした。


けれど、残った“歪み”はまだ消えていません。

ここから物語は、新しい段階へと進んでいきます。

静寂。戦いの跡だけが、そこに残っていた。


崩れた街、裂けた空、焼け焦げた大地。

クロエはその中心に立つ。

「……終わった、よね」

黒翼は消え、ノクスも沈黙している。


「一応な」

返答は遅いが、いつもより低く、違和感を覚えるクロエ。


風が止まり、セレナが少し離れた場所で空を見上げる。

「……消えていない」

空の裂け目は縮んでいるものの、完全には閉じていない。奥から“何か”が覗いている。


「……残滓じゃない」

セレナの声に、僅かな硬さが混じる。


その時、ノクティアが静かに羽ばたく。

高く、異様なまでに真っ直ぐに。クロエが目で追うと、空間が歪み、裂け目が広がった。


「嘘でしょ……」

さっき倒したはずの“それ”とは異なる。気配はより深く、重い。


「……来るぞ」

ノクスの声が警戒を帯びる。


空が完全に割れ、その奥から未知の存在が降り立つ。

人の形をしているが、人ではない。黒でも白でもない――

「…… 調整体バランサー

セレナが呟き、初めて明確な恐れが混じる。


「セラフィムの……最上位権限」

クロエが振り向き、息を飲む。

「――来ちゃダメなやつ」


“それ”はゆっくり地面に降り立つ。音はせず、世界そのものが沈む。視線がクロエに向けられる。


「観測誤差、修正対象を確認」

声は無機質で、ノクティアと同系統。

「対象:黒翼契約者レイヴン・バインダー


背筋に寒気が走るクロエ。ノクスも低く唸る。


セレナが一歩前に出て、明確に拒絶する。

「待って。その対象は――」


言い切る前に、空間が歪み、セレナが弾かれる。

「セレナ!?」

クロエが叫ぶ。だが“それ”はセレナを見ず、クロエだけを見ている。


「不要要素、排除開始」

その言葉で空気が変わる。クロエは黒翼を無意識に展開する。


「今までで、一番ヤバいやつだ」

ノクスの声は笑いながらも、緊張を孕んでいる。


「ようやく本編って感じだな」

クロエは小さく息を吐き、瞳に炎を宿す。


背後で傷ついたセレナがゆっくり立ち上がり、絞り出すように言う。

「……撤退、推奨」


だがクロエは即答した。

「無理。ここで逃げたら、たぶん終わる」


セレナは言葉を失い、その時、ノクティアが肩に降りて静かに“選ぶ”。


「……え」

クロエが呟く。セレナの瞳が見開かれる。


「……なぜ」

答えはない。だが“それ”は理解し、声にズレが生じる。

「観測補助、異常」


クロエは笑った。

「味方ってことでいい?」


ノクティアは答えないが、瞳はクロエを見つめていた。その瞬間、黒と白と観測――三つの力が重なる。


「……面白くなってきた」

ノクスが嗤う。クロエは一歩踏み出す。

「じゃあ――」

黒翼が広がる。

「第2ラウンド、いこっか」


“調整体”が動き、世界が歪む。新たな戦いが、始まる。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


新たな敵“調整体”が登場し、物語は一気に核心へ。

さらにノクティアの“選択”も、大きな意味を持ち始めます。

ここからが本番です。

面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!


次回、戦闘開始――。

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