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灰の預言者  作者: 吉越 晶
第4章
70/180

【前章のあらまし】

※注意※

前章のネタバレを含んでいます。

すでに前章をお読みになっている方、あるいはネタバレを気にしない方のみ目を通すようお願いします。

 ヤコブたちは、アルカディアが世界各地に持つ支部の一つ、採掘資源を生業としているヨハネスブルク支部に到着する。その中で、熱烈な歓迎を受けながら、支部の責任者でありヤコブの部下でもあるオブロスと、採掘責任者であるプリディスアと共に、町外れにある教会本部へと向かう。

 着いた先で英雄捜索の話をすると、プリディスアは自身も協力することを申し出る。早速捜索を開始しようと提案するプリディスアに、教会に残るセクアを除いたヤコブ、フラムの2人は、改めてヨハネスブルク支部の町へと身を乗り出した。

 だがその裏で、支部の責任者であるオブロスは、不穏な動きを見せていた。


 町へと到着したヤコブは、そこで奇妙な物を見つける。それは、アルカディアと敵対する大国、パスリエ帝国の兵器、対魔導士用決戦兵器〝エッグプラント〟だった。

 何故自国の中に敵国の兵器があるのか。問い詰めるヤコブに、だがプリディスアは尚もしらをきる。その態度を宣戦布告であると受け取ったヤコブは、その晩、夜食の知らせに来たオブロスと対峙する。

 オブロスとプリディスアの両方が裏切っていることを、証拠を提示しながら詰めるヤコブに、オブロスは初めから自分たちの計画がバレていたことを悟る。

 誤魔化しは無駄だと理解し、遂に本性を出すオブロス。予め2人が裏切っていたことをシュリアムから聞いていたヤコブは、何故裏切ったのかを問い詰める。だがオブロスは、まともに取りあうつもりがないのか、挑発紛いのことを繰り返すのみ。支部の責任者でありながら国民を裏切り、奴隷を用いて支部を運営しているオブロスを糾弾しようとするヤコブに、だがオブロスは、衝撃の事実を伝える。それは、奴隷を使い、パスリエ帝国と手を組んでいることを、ヨハネスブルク支部の住民のほとんどが知っており、その上で利益を得れるからと、黙認しているという事実だった。

 再び、自身が守る国民に裏切られた現実。精神的に疲弊するヤコブたちのもとへ、測ったかのように現れるパスリエ帝国の軍人とプリディスア。エッグプラントを操縦するプリディスアに、精神的に弱った自身を鼓舞して矛先を向けるヤコブ。奴隷を解放するために、フラムをプレミア鉱山へと向かわせ、その後自分たちを包囲する帝国軍人を、その卓越した魔法ですぐさま制圧し、形成を逆転。そして突如離脱したプリディスアを追うために、教会内部にいる敵をセクアに任せて、ヤコブも後を追うのだった。


 離脱したプリディスアのもとへと追いついたヤコブは、自身の持つ未来視の力で、ヨハネスブルク支部の住民に被害が及ぶことを知る。阻止するために動くも、しかし未来視の欠陥をプリディスアに突かれ、住民への危害を許してしまう。再び離脱するプリディスアに、しかし民を救うのを優先するヤコブ。そこで目にしたのは、我先に助かろうと、他者を押し除けてでもエゴを全面に出す住民の姿。先のオブロスとの舌戦で、自身の在り方に疑問を覚えながらも、しかし苦しむ国民を助けるヤコブ。アルカディアの国民を助けるのは間違ってないのだと言い聞かせど、しかしその心境は、確かに変わり始めていた。


 一方でフラムは、不当に働かせられる奴隷を解放するために、帝国軍人が占拠するプレミア鉱山へと到着する。圧倒的な力で瞬く間に制圧し、奴隷を解放するフラム。その最中、フラムは謎の少女と会合する。本来であれば気にも留めないはずの存在に、だがしかし、何故か気になってしまう自分の変化に、わずかばかりの戸惑いを感じていた。

 さらに同時刻、教会に潜む敵部隊を制圧するようヤコブに指示されたセクアは、帝国が抱える魔導士、エクリエイと対峙する。エクリエイの専攻魔法、「爆裂気球(エクス・バロン)」に防戦一方となるも、隙をついて反撃。見事を優勢を覆す。

 追い詰められたエクリエイは、自爆特攻を敢行。だがセクアはそれも凌ぎ、先に逃げていたオブロスも捕まえ、見事教会の制圧に成功した。


 プリディスアを追うヤコブは、未来視を使い、不吉な未来を予見する。それは、プリディスアによって満身創痍となったフラムの姿。胸騒ぎを抱えて急ぐヤコブに、一方でプレミア鉱山を制圧したフラムのもとにプリディスアが舞い降りる。周りの被害など考えぬ両者の戦いに、解放された奴隷や投降した帝国軍人は、次第に不安を覚え始める。しかし両者の戦闘は、序盤からフラムの優勢で進み続ける。圧倒的な力の前には、プリディスアの小手先の戦術はことごとく突破され、決着は時間の問題だと思われた。

 だが、プリディスアの放った攻撃が、偶然周りの者たちへと向かう。その攻撃に、フラムは周りを見捨てようと判断するも、しかし体は真逆の行動を取って奴隷と帝国軍人を庇い、形成が逆転してしまう。ヤコブの予見した未来が実現しそうとなる瞬間に、しかしプリディスアは容赦なく攻撃を放つ。

 絶対絶命のピンチ。その最中、突如フラムの前に現れたのは、助けた奴隷の1人であり、自身が心を惹かれた謎の少女。魔法の使えぬ少女の行動に、フラムは最後の力を振り絞ろうと立ち上がるも、その瞬間、突如謎の少女が魔力を放出。戦いの中で見せたフラムの技を再現し、プリディスアの攻撃を塞いで見せた。

 突然の事態に、フラムも、プリディスアも、周りの人々も動揺する。だが、プリディスアは務めて冷静に、もう一度攻撃を放つ。謎の少女は力尽き、最早その攻撃を防ぐ手段はない。遂に訪れる決着に、だがフラムは、確かに『奇跡』の魔力を感じた。そしてそれに応えるよう、ヤコブが到着。すぐに周りの人々の傷を癒し、フラムの怪我も治してみせる。その時、ヤコブはフラムと共にいる謎の少女を視界に収める。その姿に、ヤコブも、そして少女も、確かな運命を感じていた。

 その隙をついて、プリディスアはその場を離脱。最初の襲撃でヤコブとの力量差を見抜いていたプリディスアは、ヤコブとの戦闘を考えていなかったのだ。ヤコブの力の弱点を見つけ、そしてフラム相手にも善戦した。その時点で、十分帝国は受け入れてくれるだろうと考え、プリディスアは真っ先に逃げの一手を選んだ。

 だが、ヤコブはもちろん逃さない。プリディスアの逃走経路を完全に防ぎ、遂にプリディスアを捉える。追い詰められたプリディスアに、ヤコブは投降するよう助言する。

 だがプリディスアは、戦闘を選択。悪あがきをするように襲いかかるプリディスアに、ヤコブは無常に一撃を、だがせめてもの慈悲に、一瞬でこの戦いの幕を閉じた。


 魔導士が優遇される国。そんな現状のアルカディアの体制に不満を持てど、しかし改善の兆しは見られない。だからアルカディアを裏切り、パスリエ帝国へと身を移そうとした。それが、オブロスの裏切りの理由だった。そのためにプリディスアを(そそのか)し、今回の事件を起こしたのだ。

 裏切り者を倒し、ヤコブはヨハネスブルク支部を見渡す。そこには、裏切り者であるオブロスを糾弾する住民の姿ばかり。自分たちもその体制に乗っかっていたのに、流れが悪くなった途端、裏切って、手のひらを返す愚民の姿。


 それを受けて、ヤコブは思う。

 助けなくていい人も、いるのではないか?


 心境の変化は、フラムとセクアにも起こっていた。フラムは、以前まで気にならなくなっていたことに興味を持ち、今まで以上に充実した生活を送る。だがその裏で、自分の変化に違和感を拭えないのも事実だった。

 そしてセクアは、今回の事件後のヤコブの振る舞いに、考えたこともないヤコブの一面を目の当たりにし、自分の中の価値観が崩れ始める。

 ヤコブ、フラム、セクア。それぞれが三者三様の変化を見せる中で、フラムを救い、ヤコブに運命を感じさせた謎の少女、ローサを新たに仲間に、彼らはヨハネスブルク支部を後にした。

読んでいただきありがとうございます。

面白いと感じて頂けたら、ブクマ、感想、評価の方よろしくお願いします。


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