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灰の預言者  作者: 吉越 晶
第3章
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24節 アマちゃん

 揺れ動く炭鉱。体の芯まで震わす衝撃。


 やがて収まり、少女はゆっくりと目を開ける。

 あたりを見れば、自分たちが生きていることに安堵する人々の姿。


 そして次に感じたのは、自身を抱き抱える、温もりと、()()()()()


「え……あ……あぁ……」


 顔を上げ、視界に入ったのは、全ての爆発を一身に受け、抑えた、傷だらけの赤髪のお姉さん──フラムの姿。


「な……なん……なん……」

「はー……くそっ。……本当最悪だよ」


 少女の無事を確認し、フラムは体を傾かせながら立ち上がる。

 先ほどとは違い、その表情には余裕が無い。


「な……なんで……なんで……」

「なんでもクソもねーよ。てか理由なんてアタシが知りたいわ」


 勝手に動いた自分の体に、フラムは怒りを覚えながらも前へと進む。

 だがその足取りは、フラフラと揺れており、とても頼れる様なものでは無い。


(あー本当……なんでこんな変なんだ)


 フラムが考えるその最中、目の前の機体、小型ミサイルを放ったエッグプラントから、無線機越しに声が聞こえてくる。


『クククク……あはははははハハハハハハハ!!!』

「……」


 嘲笑。その笑い声に、炭鉱内の全員の注意が向いた。


『なんだ!! まさか、まさか人質作戦が有効だとは!! ……ククク……所詮、アマちゃんの集まりか……!』

「「「!」」」


 言い終え、再びプリディスアはミサイルを人質に標準を合わせる。


『ん?』


 打つ瞬間、機内にある無線機が鳴る。

 取って聞けば、それは先ほど人質作戦を進言した分隊長の声だった。


「なんだ」

『お、お待ちを! ミサイルの標準先には、我々もいます!! どうか少しばかり時間を!!』

「ダメだ。このまま打つ」

『そ、そんな……何故──』

「貴様らの避難を待てば奴に猶予を与える。それは致命的だ」

『そ、そんな……。お待ちを! どうか──』

「切るぞ」


 無慈悲に無線の電源を切り、再度標準を人質へ。


「まずは……左腕からだな……」


 立場逆転。獲物を狙うプリディスアは、再びミサイルを射出する。


「……舐めんな」


 負けじと、フラムが魔法を展開──


『良いのか!? 爆発に巻き込まれて、他の者たちが死ぬかもしれんぞ!?』

「──ッ」


 躊躇い、再びミサイルが着弾するからその瞬間、フラムの左腕がギリギリ間に合う。

 

 またしても複数の爆発を抑えこんだフラムは、しかし、反応が遅れたことにより十全な対処ができず、左腕が機能不全に陥ってしまう。


「まずは左腕制圧……!」


 再び、プリディスアはミサイルを射出。

 今度こそ上手くやろうと動くフラムだが、しかし体のダメージで上手く動けず、今度は左足にダメージをもらい、動かなくなる。


『左足制圧、そして左半身制圧!!」


 湧き上がるプリディスアの嬉々とした声と裏腹に、その他の者は全員が恐怖に顔を引き()らせる。


 そしてそれは、フラムも同様だった。


(コレ……マジでヤバいかもな……)


 出血多量に半身不随。

 普通であれば死に直結する怪我も、かろうじて自身の魔力で補っているこの状況。

 何とか攻めに転じようとも、しかし人質に加え怪我の損傷が激しく行動に移せない。


(クソ……なんで……何やってんだ……アタシは……)

『発射ーーーッ!!!』


 巡りゆく思考の中、プリディスアから三発目が打たれる。


 死が目前に迫ったその瞬間、フラムの視界に入ったのは──


「──!!」


 魔法も、何もできない一般人。自分を窮地へと追いやった原因。

 

 ──青い髪の少女だった。


読んでいただきありがとうございます。

面白いと感じて頂けたら、ブクマ、感想、評価の方よろしくお願いします。


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