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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王宮調査編ですわー!

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わからないってことがわかったってことですわ

「んで?どうだったんや?」

「だめですね~」


 しれっとエリーちゃんで返すと空気が固まったような気がしますね。

 なんでですの?ウケませんわね。


「エリー、それやめないか?」

「そんなに駄目ですの?」

「脳が理解を拒む(小声)」

「キモい」

「ちょっといやっす」

「ノーコメントです」

「ちょっと……いやかな……」


 クッソ評判が悪いですわね……。


「こちらはどうでしょうか?」

「んふっ……」

「淑女みたい(小声)」

「淑女ですが?」

「ふふっ……」

「ふっ……ふふふ……」

「一発芸か?面白いな!」


 なんでですの……?何が違いますの?何があなたたちの感情を動かしましたの?かわいいエリーちゃんとハイジに何の差があるというのですの?こちらは可愛い、あちらは淑女……そこに違いはないでしょう!


「じゃあこっちもやってみるっす……私はレズリー伯爵令嬢のクラウディア……よろろしくお願いします」

「んふ……っ」

「あーっはっはっはっは!はっはゲホオッ」

「ジーナのツボに入ったっす!」

「クラウの勝ち!」


 笑うのを我慢しましたけどこの感じはクラウの圧勝ですわね!悔しい!ワタクシがこの手のことで負けるだなんて!


「あの……報告会では?」

「ああ、そやったな……誰かが脱線するから」

「本当ですわ」

「エリーですよ」

「エリーだな」

「エリーっしょ」

「エリー……!(小声)」

「エリー……だよ……?」

「エリーっすね」


 え?ワタクシ!?明らかにクラウだったと思うんですけど!?

 気が付かぬ間に連帯保証人にされて逃げられた気分ですわ!


「とにかく各々の話をしましょう、まず私ですが……元次長検事子息の財産を引き剥がす派閥と助けて将来に備えさせようとする派閥分かれていますが……父がエリーにどちらがいいかと」

「子供を殺すのは趣味じゃありませんわ」

「では……」

「かといって財産を奪われても死ぬわけではないでしょう。マルバッハ男爵のように誰一人として悪くない被害者なら助けるのもやぶさかではありませんが……それ(子供)は助ける理由にはなりえませんわ」

「では……」

「助ける理由か懇願でもあれば助けますわ、宰相閣下はなんと?」

「どうでも良いから任せると」

「では放置でいいですわね、子供が不信感を持つなら横からかっさらえばいいし、言いなりなら適当に放っておけばいいですわ」


なぁ何をどうやってもどうにもならないようならそれこそ勝手に向こうが泥を被って処分しますわ。所詮は上も下裳蛮族ですもの。


「では元次長検事子息はこれでいいでしょう、裁判は?」

「始まれば勝訴確定、断絶あるね。そんだけ。暗殺者も裁判で殺せるけど王家に届かないのは前と同じ、口頭命令をメモってた紙が見つかったからね(小声)」

「ドジだな……処分しておけば良いものを」

「俺を殺す計画書だしな(小声)」

「まぁ、逆に消えましたからね……」

「他に何かございますこと?」

「一応だけどさー……近衛騎士からも聞いたけどマジで何もないね、第2王子が謹慎場所から出てこないってのは確かって感じ」

「軍としてはなにもないな、順調にロバツ国境に阿呆共を送っている」

「王宮でのお茶会で……最近第2王子の来客が多いと聞いた……でも……その分離れた人間も増えた……」

「離れた人間はどこへいきましたの?」

「急いで……寝返るために必死……」

「ああ、そういうことですのね……今更何を……」

「判断力がないから今になって何やろ、超法規的措置でとっとと逃げ出しただけ早かったな」

「ジーナの手腕を見ていたのか暗殺失敗で急いで寝返ったのかまでは知りませんが……」

「見切りを……ようやくつけたのかも……」

「遅いですね」

「商人にはなれんわ」

「戦場なら死んでるだろう」

「戦場外でも死ぬっしょ」


 ああ、暗殺失敗で寝返り開始ということもありえますね……。まぁこの判断の遅さでは寝返らないで動けない人間の方が可能性がありますが。

 寝返った人間がその人間を売ればそれで寝返らせてもいいんですけどね。


「ではまぁ……元次長検事の子供は放置、暗殺者達は何事なければ処刑、元次長検事の裁判は勝訴確定、暗殺者周りで王家に届かせる情報はなし……では本題に行きましょう。モレル伯爵です」

「国王陛下のマッサージ師で事実上王家派閥を率いているっす、王宮家令と王家家令を牽引するパド男爵が表で色々やっていたみたいっすけど……殺しに関係してるものはでてこないっす……」

「パド家令は……とにかく情報が漏れないように統制するのが……上手……そもそも王家家令として働いていたから……王宮家令の仕事は……まだ不得手……」

「暗殺するとしたら王宮家令の方を動かしたほうがいいな、王家家令の職務の範囲では不可能だ。暗殺者を雇うならいいが組織を作って運用するのでは王家家令では不可能だ。部署として設立して運用しなければならないし……そもそも王城の人間が入ってくることもある中で隠し通せるわけもない、できるのなら省庁掃除課やモレル前伯爵を使わないだろうしな」

「そもそも王家家令の職ってなんですの?」

「王家の人間の生活管理です、それ以外は不明ですね」

「領地などは……?」

「第1王子の……あっ!」

「第1王子侍従長がやってましたの?」

「ええ、王宮家令でしたので……。ですが領地関連は第1王子に任せていたはずですのでいまはどうなっているのか……権限を移譲して第1王子の職務範囲内になってたのですが……第2王子は領地運営をしてるんでしょうか?」

「できんの?」

「さぁ……?」

「えーつまり……領地運営は誰がやってるか不明?(小声)」

「ですね……」

「えー……王家家令の職務は王家の人間の生活管理以外不明。王宮家令は王家の領地運営、でしたが第1王子がその職務を代行していたが死亡。そして第2王子が職務をやっているか不明、そして王宮家令がそれに手が回っているか不明でいいんですのね?」

「わからないことがわかったっすね」

「クラウもわかりませんの?」

「他家の家令が何してるか把握するのはもう内部に入るしかないっすよ……入っても仕事が後ろ暗いとわからないかも知れないっすけど」

「じゃあパド家令とモレル伯爵がトップで王家を回してるんやな」

「モレル伯爵は前伯爵時代から国王派閥をまとめていたっす。ただ王家派閥のまとめまではしてなかったのであまり目立ってなかったっす。活動も意見の吸い上げと報告のパイプ役程度でそんな表に出てないっす。マッサージ中に報告してたので漏れてないみたいっす」

「なんでそれ知ってるんや……?」

「本人から聞いたっす」

「「「「「「「は?」」」」」」」


 なんですのそれ?

エリー「ワタクシ悪くないですわよね?」

クラウ「悪くないのではなくって?」

エリー「…………私~わるくないですよね~こわ~い」

クラウ「ブッ!」

エリー「勝ちましたわ!」

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