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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王宮調査編ですわー!

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皆さん、デフォルトでその技術持ってますの?

ララ「できますよね?」

モレル伯爵「できますよね?」

「正式に会うのは始めてですね、エリーゼ・ライヒベルク公爵令嬢」

「あら~違いますよ~」


先程の部屋に戻り、さて商談お話をしようというところでケルステン・モレル伯爵はワタクシにそう伝えた。

ひっかけか、それとも確信があってか。さてどちらでしょうね……。


「私はマッサージ師をしてましてね、見ればわかるのですよ。去年、第2王子の婚約後の謁見の場で拝見いたしましたよ。1年分の成長を加味しても肩の感じに全体の輪郭、歩き方のバランスでそれぞれが似てるところがあっても……こうも全てが似ることはありませんよ。私は王城で時々情報収集してるレズリー伯爵令嬢の変装だってわかりますよ、別段指摘する気もありませんが……」


体に関わる仕事してるとそんなわかるんですの!?ララといい恐ろしいことこの上ないですわね!ワタクシとクラウの変装術を見破られるとか危険極まりないですわ!

ワタクシこれには公爵令嬢の資質よりも自信があったんですけど、まだまだ甘いですわね。


「でも声も違いますよ~」

「ですが、足のサイズも同じですしね、顔の輪郭も同じ。繰り返しますが……ここまで同じ人間はいませんよ?当時のスリーサイズと今のスリーサイズを読み上げれば私の目の確かさを信じていただけ……」

「わかりましたわー!おやめくださいまし!」


それだけは絶対に言わせませんわよ?言ったら殺しますわー!絶対に!絶対に殺しますわー!!


「私はマッサージ師として身体のことはよくわかリますので……。顧客、ひと目見た人間が過去にあったことがあるかどうかもわかるのです」

「完全記憶能力みたいな話ですの?」

「いえ、顔とかは全く思い出せんませんが……数ヶ月前に来た4人目の客だとか、数年前にすれ違ったなこの人とかがわかるのです」


考えようによってはただのド変態ですわね……。

女性だけだったら流石に身の危険を感じますわ。


「それ、記憶力持ちますの?女性だけとか、そういうことですか?」

「いえ、顧客と嫌いなやつ、素晴らしい肉体美の人間、話したことがある人物を優先的に覚えています。ライヒベルク公爵令嬢は素晴らしい肉体美で覚えていました。女性とは思えぬ均整の取れた肉体、女性的でありながら筋肉の付き方の美しさと、そのバランス。片手でスイカを掴んで破壊できそうな白魚のような指……覚えてないマッサージ師はモグリですな」


めちゃくちゃ気持ち悪いですわね……。褒められてるのに……。何ならマッサージ師に偏見を持ちましたわ。

後、流石に片手でスイカは……どうかしら……?やってみようかしら、でももったいないですわね……。


「それで……?」

「ああ、失礼。仕事のことになるとつい……」


仕事……?

これが……?


「端的に言いますが……寝返らさせていただけませんか?」

「あら、それはまたどうして?」

「第2王子が内面も外面も最低最悪だからです。父の命令であれば従えましたが、私の美意識では仕える価値がありません」

「それは……内面はともかく外面とは?まさか筋肉の付き方とかですか?」

「え?そんなことで家ごと寝返るわけないでしょう?…………あ、ああ失礼。私に合わせて冗談を仰ってくださったのに思わず素で返してしまいました。いや、失敬しました」


わりとマジで聞いてましたわ。そしてその反応はワタクシにマジで効いてますわ。


「まぁ筋肉もイマイチではありますし、体のバランスも最悪というか……醜悪と言うか、内面がカスすぎて外面ににじみ出てると言うべきですか。まぁ醜いですね。ゴキ……失礼、油虫と比べてギリギリ勝ってるかなくらいのレベルですが、顔だけならまぁいいですけど脳みその中身を含めた付属品が価値を下げてますね」


Gという言ってはならぬ名前のときこそ睨みましたが……評価低すぎてちょっと笑えませんわね、若干の同情すら感じますわ。評される側も、評するほどの経験をした側も。


「まぁ外面というのは王族、未来の国王として取り繕えないその態度、内面でどう思っても外面では寛容さを出すなり苛烈さを出すなり何なりすればいいだけなんですが。内面のクソさをそのまま外に出す外面のクソさで、良いところを何も出さないとろですね。ないだけかも知れませんが。正直……貴族としても失敗作です。第2王子ならあんな程度でも使い道はありますが、王太子?国王?それこそ……犬にでも座らせたほうが愛嬌があってよほど良いでしょう」

「それは、まあ……否定はしませんわ」

「ええ、私は第2王子の元付き人ですからね。ライヒベルク公爵令嬢が謁見で言ったことが全て本当だろうと確信は持ってましたし、むしろ優しく噛み砕いて言ったんだろうとすら思いましたよ」

「まぁ、そうですわね」

「だから遠くない未来で公爵家に王家は潰されるんだろうと思ったのですよ」

「あら?どうしてかしら?」

「マッサージ師というだけで付き人にはならないということです」


まぁ、それはそうでしょうね。でもほらあの国王だし。お気に入りのマッサージ師を息子に付けたかもって……。


「まぁ父のゴリ押しと国王陛下の重用で付けられましたが……正直嫌がらせか、過労死しろと思われてるのかと思いましたね」

「いつ頃付けられましたの?」

「軍務省炎上事件で軍務省の権限が縮小しましてね、辞めることになったのですよ」


あっ……ワタクシは関係ありませんわね、そうでしょう?ねぇ……そうですよね?


「最初は第1王子殿下に付く予定だったのですが……司法省炎上事件の主犯が誰かは上も知っていたので……ええ、もちろん。あなたではないことも知っていますよ、そもそもそのときも目撃してましたしね」

「……」

「そもそも軍務大臣のヘス伯爵命令で典範改正関係で働いてましたし、あのような結果になって……ヘス伯爵の誘いに乗って別の仕事に就こうと思ったら父と陛下に第2王子の側近に付けられましてね。あれは人生最悪の日々でしたよ。終わりですね」


ご愁傷さまですわ……。

いや、本当に心の底から。

ヘス伯爵「私と逃げよう!ブランケット侯爵令嬢に処されるぞ!公爵派になろう!」

ケルステン・モレル「第2王子付きにされました……」

ヘス伯爵「うわ…………辞職したら来なよ……限界だったら辞職するんだぞ……公爵閣下には口添えしとくから」

公爵「OK(エリーは今回無関係だったし言わなくていいか)」


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