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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
プロローグですわー
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私がワタクシになった日~出会い~(5歳)

 つまらないですわーつまらないですわー。領都で過ごす日々は退屈で暇で何もありませんわー。

 することといえば変装して街に繰り出して、やっすい串焼きを食べたり、帰化した蛮族とお話したり、蛮族の技術をパクったり、読ませてもらえないような平民向け娯楽本を買って読む以外なにもありませんわー。あとは蛮族を狩りに行くくらいしか……。


 私はこの国の大陸の頂点に立つ女ですわー。退屈は天敵ですわー、勉学に剣術に周辺国の語学、あとは軍事戦略に政治帝王学もなんでもござれですわー。

 暇すぎてもう編み物くらいしかできませんわー、絵画は乾くのが遅いから結局暇ですわー。彫刻はだるいですわ-。本でも書いてみようかしら?悩みますわねー……手が汚れるし編み物でいいですわー。毛糸の製品は公爵領では冬には必須ですわー。


 そんな退屈に日常を潰され続けたある日のこと、珍しく王都に来るようにお父様からお手紙が来ましたわー。第1王子との顔合わせの園遊会をするみたいですわー。

 お前が来いと言いたいですけれど我慢ですわー……私が大陸の頂点に立つまでの辛抱ですわー……我慢……我慢……体に悪いですわー!

 どうせ第1王子の婚約者には私が内定してますわー、お父様がなんかしくじってなければ大丈夫ですわー……じゃあ内定してないかもしれませんわー!


 普通に考えたら唯一の公爵家に唯一の令嬢、勝確ですわー。もう王国領土再編計画も産業育成計画も作ってありますわー。公爵家の発展のため頑張りますわー。

 どうせ、せいぜい密室で決まった婚約とかギャーギャー有象無象共が騒ぐから形ばかりの第1王子が見初めました、仕方ないですね。とかその程度のものですわー。適当に挨拶して第1王子に話しかけられてそれで終わりですわー。




 クッソつまんねぇですわ……。侯爵家しかいませんわ……露骨ですわー。まぁ、どうでもいいですわ。さーて王子が来たら挨拶して終わり……。


「こんにちは!ライヒベルク公爵令嬢のエリーゼ様!」

「こんにちは、どなたかしら?」


 いきなり名乗ってきましたわー……目上の者が話しかけるまで下位の者は話しかけるなって不文律があるのにコイツヤベー女ですわ……でも緊急の要件かもしれませんし……謀略のお誘いなら大歓迎ですわ!すべてが終わったら最後に切り捨ててあげますわ!


「お初にお目にかかります、ブランケット侯爵家のアーデルハイドです」

「ご丁寧にどうも、改めてライヒベルク公爵家、エリーゼですわ」


 案外普通ですわねー、もっとめんどくさい手合かと思ったんですけど。まぁいいですわ、どうせ退屈だし、無謀さに免じてちょっとくらい付き合ってあげましょう。


「こちらに良い場所がありますわ、どうぞ」


 あら、こんな東屋に誘導して……準備してたのかしら。並の令嬢なら罠にかかるのを恐れたり暗殺毒殺を恐れますわ、でも私はエリーゼ、この大陸の頂点に立つもの!未来で!

 罠食い破り毒を飲んでも生きてる姿を見せ相手の心を折る、それが流儀ですわ!

 と思ったけど会話は迂遠ですわねぇ……季節やら何やら……パッと話を終わらせてほしいですの、匂わせかと思ったけど全部関係ない話ですわね。


「皆様は私達のどちらかが第1王子の婚約者になるか賭けをされてるようです」

「あら?貴女にかけているのは何処の家かしら?」

「わかりませんわ、ただ感謝すると思いますわ。大金を手にするのですから」

「あらあら、見解の相違ですわね」


 来ましたわー!宣戦布告ですわー!大義名分ですわー!今月中にブランケット侯爵派閥とガチバトルの時間ですわー!表も裏も駆使して気がついたら没落させてあげますことよー!


「公爵家で決定していますの、政治的情勢もすべて」

「それが全てというわけではないでしょう?第1王子の一声で変わることも……」

「まさか、わざわざ公爵家を敵に回して?」

「…………」


 初戦は勝利ですわー!弱いですわー!言葉に信念がありませんわー!この程度で挑んで来るなんて20年早いですわー!はい、ネクストラウンド……開始ですわ!


「そもそもブランケット侯爵家に利はないでしょう?そこまで乗り気なのが不思議なくらい。伯爵家ならわかりますわ、今の有力大臣候補は軒並み伯爵が勢揃い、男爵や子爵は流石に選ばれないからいいとして……この園遊会には当家と侯爵家しかいませんのよ、あとめぼしいのは1,2人……ルーデンドルフ侯爵令嬢は欠席ですわね、お父様のほうが我が家が勝つのを見たくないのでしょう」

「…………」

「なぜそこまで第1王子の婚約者になりたいのかしら?次期外務大臣は確定しているはずですが……ただ恨まれるだけではなくって?」

「公爵家の権威を増さないためです……」


 はい、うっそー!絶対嘘ですわー!真剣さも迫力も何も感じませんわー!変装していった王都服飾店の試着コーナーで似合ってないのにお似合いですよって言ってる店員と同じですわー!


「嘘では聞く価値もありませんわね」

「嘘では……!では……公爵家はなんのためにこの婚姻を?」

「権威を増すためですわ」

「おや、それは聞かなかったことにしたほうがいいかな?」

「だ、第1王子殿下!」

「ごきげんよう、フリードリヒ殿下、いくら4つ下とはいえ淑女の会話に急に入るものではありませんわ」

「それは失礼、顔合わせがあるから直接呼びに伺いました、淑女のエリーゼ公爵令嬢、淑女のアーデルハイド侯爵令嬢」

「あら、一番先とは話が早いですわ。決まった話ならここで済ませてもいい気もしますが」

「見せることが重要なんですよ、エリーゼ嬢、もう30分くらいですかね?お茶をもう1杯は飲めますよ」


 一理ありますわね、冗談も上手いし当たりかしら?伴侶として栄光を味あわせてあげてもいいと思える程度にはよさげですわね。さて、この小物令嬢にとどめを刺して……。


「第1王子殿下……」


 これ……惚れてますわね……。そのために侯爵家の立場上リスクしかない婚約者に躍り出たっていうの……?私に喧嘩を売ってまで?正気かしら?恋は盲目ってことかしらね?恋と変って似てますわね、今の小物令嬢は変に近い恋って感じですわ。

 いや、放心されても困るんですの。鯉みたいに口を開けてますわー、無視されてますわー、この小さいお菓子入れちゃいましょう!えいっ!えいっ!

第1王子「(隠してるけどエリーゼ嬢ってクセが強すぎるんだよなぁ)」

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