ゲームで語られない話~軍務省、司法省炎上事件~
宮中の噂はなんでも知ってるベス(噂が真実かはまだ調べてない)
「はぁ、軍務省がきな臭い?」
「そうだ、何だかよくわからんことをやっている、母上も気にしている」
「だ、そうですけどキャス?」
「知りません……マーグは?」
「え?あーしが軍のこと知りるわけ無いじゃん、一応別組織だよ?」
「ですよね」
アンから持ち込まれた軍がヤベェ!というお茶会でのトークテーマはあっさり行き詰まった。
エリーは何かを考えこんでるし、クラウとジーナは遅刻、シャーリーは数日買付で不在だ。まぁ明日には帰ってくるっとかいってた気がする。
と、いうことは事情通は不在か。まぁ仕方ないわね。
「それでアーデルハイドは?なにかないんですの?」
「ないわよ、あんまり軍の情報は知らないしね」
「まぁ、どちらかといえば私の担当だからな、それでもわからないから持ってきたんだが……率直に言うと軍務省がきな臭いのであって軍はきな臭くない。つまり……」
「陰謀の香りですわー!」
「そういうことだ、なにかわかったのか?」
「いや、それ分かるわけじゃありませんの」
仕方ないわね……ベスは何にか知ってるかしら?
じーっ……。
「……」
じーーーーっ。
「……(チラッ)」
じーーーーーーっ。
「…………軍務大臣が……王宮に働きかけをしてるらしい……」
「本当ですの!ベス!」
「軍務大臣自らがか!」
「大問題ですよ!」
「え、騎士団動かしたほうが良さげ?」
やっぱりベス知ってたのね?さすが、目線で分かる私たちは親友ね!
「それで、ベス。軍務大臣は一体何をしているの?」
「…………」
「ベス?」
「どうかしたんですの?」
「調子が悪いのか?」
「今日は少し暑いですしね、お水を持ってきましょう」
「じゃ、あ-しが汲んでくる、コップ借りるよ」
そうよね、今日はメイド長のモリーさんもいないもんね、だれか呼んで水持ってこさせると話しをしづらくなっちゃうし……。
「ベス?」
「…………その……あくまで噂だけど……あくまでよ?……噂、噂だよ?」
ベスがここまで念押しするだなんて……一体何が……。
「軍務大臣は……司法省に出向している王室典範の担当者に会っている……」
「そんな木端役人に会ってどうするんですの?」
「エリー、木端は流石に……」
「それがなんなのです?」
なんでそんな人間に?軍務大臣が……?王家に便宜を図るのかしら?蛮族に出兵する?フリッツを司令官にして攻めるのかしら?でもエリーは絶対拒否するわよね、いいとこ取りして利権を奪うなら王家相手でも平気で兵を挙げるでしょ、考えれば考えるほどやばいわね……エリーって。
「そこで王室典範改正を働きかけて……第2王子に継承を……」
「は?」
我ながらどすのある声を出してしまったと思う、でもこれくらい平気よね?
「ア、アーデルハイド?落ち着いてほしいんですの……」
「待て、待て、待て!」
「私は冷静よ?」
「私って言ってる時点で冷静さを欠いてますわ!」
「ベス、続きを」
「……キャスが……気を失ってるんだけど……?」
「じゃあアン、運んであげて」
「私も聞きたいんだが……?まぁ、後で聞くぞ」
アンはキャスをお姫様抱っこして運んでいった、絵になるわね。
「で?」
「第2王子を対立候補にして……宰相閥と渡り合おうとしている……」
「エリー?」
「知りませんわよワタクシは!軍務省なんてほっとけばアンの婚約者が取るでしょう!わざわざ手なんか回しませんわよ!」
「水持ってきたよ-。どったの?キレてる?」
「いいえ、私は冷静ですよ?」
「あ、キレてんね……」
「冷静です、続きを……」
「だから知りませんわよ!お父さまに聞いてくださいまし!」
「公爵閣下は今内務省?」
「そうですわ!お父さまがやったんじゃないですの!?ワタクシはやってませんわ!本当ですわ!冤罪ですわー!」
「わかった、信じるよ……エリーは」
公爵閣下にはぜひお尋ねしないといけないわね……。
「遅れたっす、ケーキ持ってきたっすよ……なんすかこの空気……」
「アンがなんかやったの?(小声)」
「ううん、なんでもないよ?」
「いや、絶対なんかあるじゃないっすか!」
「怖っ……(小声)」
やだージーナったら、私は怖くないわよ?エリーと違って優しいんだから。
「何があったっすか……?」
「軍務大臣が第1王子の失脚を狙ってるらしいって話ですわ……」
「いや、あんなのうまくいくわけないから泳がせてるだけっすよ……それにあくまで典範の改正だし……うまいとこ利用してやろうとしか思ってないっすよ?」
「え?え?え?クラウ今なんて言ったの?泳がせてる?フリッツの危機に?うまくいかない策でも注視して警戒するのは策士の基本よね?あなた諜報のレズリーよね?ね?証拠はあるのよね?」
「あ、あるっすけど……」
「出しなさい、司法省もグルでいいでしょう?出しなさい?」
「いや、流石に……」
「フリッツに提出を促しておいてもいいけどその場合レズリー家は次期国王を囮にしたって風評が出るわよ?」
「いや、そのへんの判断の裁量はレズリー家に……」
「フリッツが死んでもいいっていうの!?」
「そうはいってないっすけど……」
私がクラウとお話してるとエリーとジーナがそっと逃げようとしていた。
「どこへ行くの?」
「キャ……キャスの様子を見に……」
「(コクコクコク)」
「アンも戻ってきてないのに?」
「心配で……」
「(コクコクコク)」
そう、友人思いだもんね。
「クラウ、吐きなさい。この件はどうなってるの?私が婚約者のために動くことになんの問題があるの?」
「いや、まだ内定もでてない候補じゃ……なんでもないです……」
「で?動くことに問題はないのよね?」
「まぁ……法的なことはジーナに聞いてほしいっす」
「ジーナ?」
「えっ…………問題ない!」
「よし!解決ね!話し合いの時間よ!」
なんか皆嫌そうな顔してるわね、国家の危機だもん当たり前よね!
「うっわ……乙女モードのアンと違うベクトルでめんどくせえですわ(小声)」
「しっ!絶対聞こえてるよ(小声)」
「私達なんの片棒担がせられるの……?(小声)」
「知らないっす……(小声)」
「あーし関係ないよね?(小声)」
何を言ってるの?私達は一蓮托生、そうでしょ?
「はぁ……とりあえずキャス寝かせてきたぞ……」
「お疲れ様、アン……ねぇ?私兵どれくらい動かせる?」
「ん?私個人なら200くらいだが……」
「十分ね、私のも動かすわ」
「何をするのだ?」
「アン、聞かないでくださいまし(小声)」
「さすがねアン!謀反人を討つわよ!」
「えっ?」
「アンのバカ!」
「頭花畑!」
「婚約者バカ!」
「貧乳!」
「余計なことしないでほしいっす!」
「そんなに言わないでも……なんか関係ないこといってただろう!マーグ!」
「そんなことはいいわ、早く動かしてアン」
「え、えぇ……」
「早く!!」
「わ、わかった……公爵家につれてくればいいのか?」
「ええ!」
「えぇ……なんで我が家に……」
「さぁ準備して!エリー!私兵をありったけ出しなさい!軍務省へ差し向ける部隊で!キャスには起きたら宰相閣下に謀反人を討ったことを報告する用にメモを書いておいて!ベス!あなたも自慢の部隊を司法省へ!マーグ!騎士団を使って軍務省を差し押さえるように準備して!ジーナ!法的に無罪を勝ち取るようちゃんと書類を作って!クラウ!司法省の弱みと軍務省の弱み全部出して?今から潰すし、謀反で死んだやつはどうとでもなるでしょ?殺しちゃだめなやつを出せばいいのよ?簡単でしょ私は軍務大臣を捕らえに行くわ!エリーきてくれるわよね?」
「アイアイサーですわー……」
「あと、ジーナはマッセマー商会から油を大量に買い込んできて!」
「……わかった(小声)」
さぁ始まるわよ!フリッツを追い落とそうとするバカどもへの誅伐が!
「なにか御用ですかな?ライヒベルク公爵令嬢、ブランケット侯爵令嬢」
「いえ、ワタクシは関係ないですわ!」
「軍務大臣のご謀反と軍務省が何も動かなかかったことについて」
「……さて何のことですかな?」
「全部証拠は上がってるわよ!」
「クラウから全部吐かせましたからね(小声)」
「追って沙汰を待ちなさい、騎士団に軍務省は包囲されています!」
「は?どういうことですかな?ライヒベルク公爵令嬢!?」
「いや、だから私は知りませんわー……」
ふふ、エリーもとぼけるのがうまいわね。一番乗り気だったのに……。
「協力した司法省もすでに包囲されています!」
「えぇ!?はぁ!?どういうことなんですか!ライヒベルク公爵令嬢!」
「いや、私は本当に知りませんわ!今回はアーデルハイドが付き合えって言うから……」
「ブランケット侯爵令嬢!これは国家反逆ですぞ!」
「王家典範の改正をして第2王子の国王継承を推進することが謀反でなければ何なのか!」
「いや、継承法では別に第2王子も……病死や暗殺の事例に対してはしっかりしてますが戦死や事故死に関しての規定がないので入れたほうがいいんじゃないかと、たしかに影響力を行使したかったのは確かですが……」
「失脚は狙っていたでしょう!」
「いや、まぁ……第2王子殿下へのテコ入れはしましたが……第1王子殿下の足を引っ張るようなことは……」
「フリッツの継承を阻止しようとする行為は許しがたい!」
「ライヒベルク公爵令嬢!なんとかしてください」
「今日は空気が乾いてますわね……」
「ライヒベルク公爵令嬢!」
「なんとか出来るならワタクシがここにいるわけないじゃありませんの!諦めてくださいまし!」
「そんな!」
「吐け!他の協力者を!」
「仲間や部下を売れるわけ無いでしょう!」
「立派な心がけね、じゃあ殉じなさい!」
私はスカートの中から足にくくっておいた火炎瓶を出すと、父の部屋からくすねたライターで火をつけ書類棚にぶん投げた。
「はしたないですわよ!アーデルハイド!」
「うわぁ!正気か!ブランケット侯爵令嬢!」
「一つだなんて言ってませんよ!」
もう一本くくりつけていた火炎瓶を反対側の書類棚にぶつけて火災を起こす、うん!よく燃えるわね!
「えぇっ!ちょっとア-デルハイド!話が違う!」
「臨機応変に動きなさい!あなたトップ取るんでしょう!」
「このままじゃトップはトップでも断頭台のトップに立ちますわよ!」
「そんなの気にする人間か!」
「正当性は気にしますわよ!」
「何の会話をしてるんですか!早く逃げないと!」
「逃がすか!謀反人め!」
「ぎゃあ!」
得意の護身術で軍務大臣を伸した私は勝利宣言を高々と挙げる。
「わらわの勝ちー!」
「このままじゃ人生のほうが負けますわよ!」
「痛い!痛い!折れる!折れる!」
「早く逃げますわよ!」
「そうね、ほらキビキビ歩きなさい!」
「もう少し緩めてください!痛い!痛い!」
逃走しようとする謀反人を取り押さえるとマーグとアンがやってきた、遅いわよ!
「なにがあったし……」
「……わからんが軍務大臣の護送はやるから兎に角逃げろ!避難誘導をしろ!急げ!」
こうして私達は軍務大臣を捕らえた、悪は潰えた。
「うわ、軍務省が燃えてますわ……」
「あれはもう駄目だな……立て直すしかない……」
「一応書類も避難させてるけど……」
「うぅ……重要書類は金庫に入ってるので……多分大丈夫です……痛い……」
「さぁ、次は司法省のバカどもよ!エリー行くわよ!」
「えっ、ワタクシは……その……用事が……」
「あるわけないでしょ、舐めてんの?行くわよ」
「うぅ……恋する乙女は無敵と言っても限度がありますわよ……」
「王室典範を管理してるのはここですね?」
「はい……あのどなたですか?」
「あなたが担当者?」
「えぇ……そうですがあなたは?」
「謀反人め!」
「うわぁ!危ない!な、何をするんですか!」
クソッ!かわされたわね、護身は自信があるけど自分からの攻撃はいまいちなのよね……。打ってこい!カウンターで沈めてあげるわ!
「王室典範を改定し第2王子を国王にするためにこのような陰謀を仕立て上げるとは!」
「なんのことですか!改定位でそんなことできるわけないじゃないですか!」
「改定自体が不忠だ!そうよね!エリー!」
「えっ!ワタクシ!?」
「ライヒベルク公爵令嬢……とうとう乱心なさったか!」
「いや、私関係ないですわよー!……とうとう乱心……?それどういうことですの!」
怒ったエリーが詰め寄ろうとして台車で運んできた油瓶を、台車ごと思い切り蹴り飛ばしてしまった。
「あっ!」
「えっ!」
「へ?」
勢いがついた台車は担当者の机の前にある段差につまずき、その時にエリーが台車を止めようと台車の取っ手を掴んだ瞬間、よい感じで角度がつき……。
滑った油瓶が宙を舞い、油を部屋にぶちまけ。地面で砕けた際にまた油を撒き散らした。
王室典範を管理している部屋は油にまみれ、火の着いたタバコが置いてあった灰皿が燃え上がる!
「ちょっとエリー!話し合いの前に火をつけないでよ!」
「えぇ!ワタクシが火を付けたわけじゃないですわ!」
「まぁいいか、さぁ!エリーが怒ってるわよ!あなた達もここまでね!」
「え?私は別にどうでもいいんですけど!?」
「公爵家を敵に回して行きてられると思わないことね!」
「なんですか!なんなんですか!こっちのほうがよほど謀反じゃないですか!」
その瞬間窓が数枚割れた。
「うわぁ!矢が飛んできた!何考えてるんですか!ライヒベルク公爵令嬢!」
「ワタクシは知りませんわ!私は知りませんわー!きっとベスが勘違いしたんですわー!ワタクシは知りませんわー!!」
さすがね、エリーすっとぼけて相手を煽っているわ、火の付け方も偶然を装って見事だったわね!
「逃げたくば、わらわ達を倒すしかないわよ!窓は弓に狙われている!正面には私達がいるわ!護身術では男にすら負けたことないわらわと!なんでもありなら一度も負けたことのないエリーがお相手するわ!」
「なんでワタクシがぁ~!」
「さぁ!エリーはお怒りよ!あなたたちが手を煩わせるから!ここで火事で死ぬか降伏するか私達と戦うか選びなさい!」
「クソ!この頭のおかしい公爵令嬢め!」
「なんでワタクシですの!」
そういいながらエリーは相手のパンチを躱して、相手の首を右手の三本の指でつまんだ。
すると呼吸が苦しのか男は少し暴れるが、エリーはひょいと手を離し、その右手で顔を掴んで自分の膝に叩きつけ気絶させた。
「どうしてこうなるんですの~!」
「つべこべいわない!」
逃げてくる男を投げ飛ばしながら、あっ火のある方に投げちゃった!
「ぎゃあ!!」
「ヒェェ……わかった!降伏します降伏しますから!」
「ふん、これで終わったわね!」
「エリーゼ様!公爵家騎士団、救援に来ました!」
「やはりあなたの差し金ではないですか!ライヒベルク公爵令嬢!」
「ち、違いますわー!ワタクシ本当に関係ないんですのよー!なんてタイミングで来たんですのー!」
「はっ、申し訳ありません!エリーゼ様なら一人で何とかなるとは思ったのですがアルベマー伯爵令嬢が様子が変だから見てくれと!」
「理由がまともで怒るに怒れませんわー!なんでですのー!避難誘導をしなさーい!」
「はっ!お前たち、ここの罪人をすべて捕らえよ、残ったものは司法省から非難させろ!」
こうして悪を滅ぼした私達は勝利の余韻を味わうため炎上する司法省を眺めた。
公爵家の騎士団員が書類を入れた箱を上の階の窓からぶん投げている。
手際が良いわね、さすがエリーの騎士団!
「どうしてこんなことに……」
「さすがエリーね、敵には交渉より先に一発いれるの嫌いじゃないわ。もう宣戦布告されたようなものだしね」
「何を持って宣戦布告なんですの……?」
「フリッツに迷惑をかけた、つまり死」
「…………ベスー!どこにいますのー!」
「書類の回収をジーナと一緒に手伝ってるよ、あとジーナが軍務省と司法省の謀反だって法的に証明できるってさっき法の穴を突けるからから安心だよって言ってたわよ!」
「逃げたわね……覚えておきなさい……(小声)ん?じゃあさっきの軍務省の時点では無罪も謀反も証明できてなかったんですの……?」
え?ジーナがやったんだしどうにか出来るでしょう?ね?
エリーに笑顔を見せるとなんだかげんなりしている顔だった。
「えぇ……仕事早めに終わって戻ってきたら油瓶搬入させられるしなんやこれ」
「謀反人を誅殺しようとしたらエリーがまどろっこしいから火を放ったの」
「してませんわ!やめてくださいまし!冤罪ですわ!?」
「ほんまか?エリーならやるかやらないかではやるやろ?」
「いくらなんでもいきなりそんなことしませんわよ~!どうして信じてくれませんの~!もう愛が関わる事件は懲り懲りですわ~!」
ふふっ、私が軍務省を燃やした時もはしたないって優雅さがないことを指摘したものね。
でも司法省は油瓶なんて優雅じゃないって思ったけど流れるように追い詰めたわね、やっぱりエリーってすごいわ、さすが私の……わらわの親友!
「前の功績により加味した結果アーデルハイド・ブランケット侯爵令嬢を私の婚約者として内定する。正式な書類だ、後はサインするだけ……」
「フリッツ……」
「アーデルハイド……」
「今回のことはアーデルハイドがすべて解決したことになったよ」
「え?エリーたちは?」
「……まぁ評価はされたんじゃないかな。悪くはならないよ。来年は王太子の儀がある。婚約者も出来て正式に王太子になればもう大騒ぎはしなくていいだろう?」
「フリッツ……そこまで私の……わらわのことを……」
「うん、改めて……始めて会ったときから好きでした。私の婚約者になっていただけますか?」
「はい!喜んで!」
これは私が友人たちの協力で婚約者になった日の話。
この後のお茶会で散々からかわれ、幸せな日々を過ごしていた。王太子妃になったら学院に行けないのは残念だけど……。
エリーが戸籍をでっち上げて平民になればいいじゃないですのなんて言って……。
「こんにちは、リーゼロッテ。一緒に学院に通えて光栄ですわ」
「こんにちわ、エリーゼ・ライヒベルク公爵令嬢、私こそあなたに出会えて光栄ですわ」
「この後お茶会をするんですの、ご一緒にいかが?」
「喜んで!」
私《平民リーゼロッテ》の短くて、それで長くて楽しい学院生活が始まる。
エリー「どうしてワタクシが主犯扱いですの~~~!」
エリー「どうしてリーゼロッテなんですの?」
アーデル「エリーゼから取ったの」
エリー「(愛が重いですわね)」
アーデル「女官名のハイジはどこから取ったの?」
エリー「アーデルハイトの愛称がハイジだから、アーデルハイドとアーデルハイトってそっくりでしょう?」
アーデル「(愛が重いな)」




