表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
オーランデルク

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

496/561

エセル敗走記16

「キサルピナは取りなすと言ったのね?」

「はい、確かな活躍もあります、例の……西部山脈開拓においての功績も多く」


 キサルピナ騎士長が濁しているが私がいるからだろう。

 用心深いことだ、もう私には戦う力はないのにな。


「そうね、確かにグリーリーはよくやっていましたわ。でも気になりますわね、あなた公爵家に捕まったらどうするつもりでしたの?」

「一か八か全てを売って仕えるつもりでした」

「…………それでワタクシに仕えたのは?」

「シュライヒャー伯爵が……あ、いやシュライヒャー族長がそれを決めたからです。私は不安でしたがあまり顔を出さなくていいと呼ばれたので……周りに公爵家の人間がいると思ったのですが……」

「ワタクシ、侍女とか面倒で嫌いですからね。自分のことは自分でやったほうが早いし、わざわざ目立つ格好してウロウロする意味もないですしね」


 侍女すらつけないのは公爵令嬢として異質な気もするが、それだけ誰も信頼してないのかもしれないな。寂しいことだ。


「シュライヒャーには忠実ですのね」

「エリー騙されてはいけないっす、こいつは他人を売ることでのし上がる獅子身中の虫。ここで殺しておいたほうがいいっすよ」

「お許しを!レズリー伯爵令嬢様!何卒!何卒!」

「今は私の部下ですわ。それで?グリーリー、何を売る予定でしたの?今や王太女になったワタクシには教えてくれるわよね?」

「はい!蛮族支援は先代国王陛下のご命令であったことを!そしてグリゼルダ王妃の不義の証拠を!そして……そして……シャルロット・ライエン侯爵を暗殺したことを自白して許しを請うつもりでした」

「ああ、あれあなたでしたのね。そう本人が言うなら確かね。それでライエン侯爵暗殺の理由は?」

「公爵家に近いライエン侯爵を現国王陛下が、第1王子殿下が嫌っていたこととジョージ第2王子殿下がグリゼルダ妃と不貞を働いていたので遅かれ早かれ破綻するために……その……」

「ああ、ジョージ第2王子殿下の不貞を告発したのもあなたでしたのね?」

「は、はい……しかし、近衛もそうですがあれは遅かれ早かれ……私は先手を打ったに過ぎません!」

「他に不貞候補はいなかったのね?」

「え?ええ……いなくはありませんが目撃も皆無でしたし、まさか幽霊のように部屋出現するのでなければ私の耳には必ず入ります!シュライヒャー伯爵にもです」


 心の底からでろくでもない国だな……。

 上がこれでは下が規範を保てないではないか。


「…………そう、まぁそれはいいわ。当事者の証言があるからね。でもよくシュライヒャーが許したじゃない」

「王命であったこともありまして、それに、その、あれです」

「なに?」

「結局私が宰相になれなかったのだからお前に追い落とされたわけではないと」

「ふふ……そう、うん。シュライヒャーも冗談ができるとは思いませんでしたわ。諧謔趣味がありましたのね。良い返しですわ」

「いえ、本気でしょう。あの人は能力主義ですので……」

「なら生きてるだけ褒められてると思ったほうがいいですわ、それにしてもグリゼルダ妃の密通はそれほど知られてましたの?」

「はい、私は当時中枢でしたが王党派は一部は把握しておりました。シャルロット・ライエン侯爵にオドニー・バンサ伯爵子息、当時の宰相ホルガー・ランツィンガー子爵も知っていました。その会議で私もいくつか情報をあげたので」

「正式に知っていたのは?その会議のメンバーは?」

「先代国王陛下、シャルロット・ライエン侯爵、右腕のシュライヒャー伯爵、宰相のホルガー・ランツィンガー子爵、オドニー・バンサ伯爵子息、私です」

「本当にそれだけ?」

「は、はいっ!私が直接知っていること前提の会議ではこのメンバーでした!」

「確実でなく知っていると言えるものは?」

「先代陛下と密接に打ち合わせしていた司法大臣アルベルド伯爵は知ってはいそうでした!」

「当時の軍務大臣のヘス伯爵と相談役の一人であったパウエル子爵は?」

「し、知らないはずです。彼らはその会議の数回あと賜死が内密に決まったうえで呼ばれておりました。よりによって第2王子殿下はあのザマであったので……。なんとかジョージ殿下の子どもであっても王位につけようと」

「バカ王子は国王の子なのは残念ですわね」

「よりにもよってあのバカ王子がフリードリヒ殿下を殺害するとは」


 一瞬だけエリーゼ・ライヒベルクの口角が上がったように見えたが……。まぁ笑うしかないが笑えないだろうな。

 ん?フリードリヒは事故死ではないのか?


「あのバカ王子がやった証拠がありますの?」

「もしも血筋を公表すれば王位が変わる可能性があります!しかしそれでも黙殺される可能性があるからこそ殺害したあと王位についたあとい本当の血筋を公表するきだったに違いありません!今は阿呆を演じているようですがやつは狡猾です!この後で演じるほど阿呆ではありますが危険です。町中で問題を起こし問題児として潜伏していたのがその証拠です!」

「残念ですけど……アレは本当に阿呆ですわね」

「本当に阿呆なのですか!?本当にあんな事故が起きるのですか!」

「調べましたけど、近衛が落ちた岩の上に乗って警備してましたわ」

「近衛にそこまで阿呆を入れろとは言ってない!」


 本当に心底阿呆なのか。

 公爵家とジョージ第2王子派閥の目をかいくぐるとかでもなく本当にアホなのか。

 シャハトの言葉で少しだけ見直しかけたぞ。騙されるところだった。

 騙してないか。

 いや、近衛が無能すぎだろう。シャハトが入れ替えたとは言え質の低下著しかったのだな。

シャハト「家族を捨てたこと……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ