オーランデルク
オーランデルクのサミュエル王国には派閥がある。
ミュヘル2世のオーランデルクの血族主義によるオーランデルク至上主義、サミュエル王国はオーランデルクの下であり全て従うべきであるという派閥。
簡単に言えば他国から白眼視される方針である。
ただロバツですら引いているので多少の掣肘はしたが、戦争になるわけがない、我々が望まぬからとロバツと別だろうと様々な『勅命』をサミュエル王国に下し、サミュエル国王ウィリアムの精神を更に壊していった。
次に他国から白眼視されることを理解し、あるいは理解せざるをえなかった派閥。
一番の問題がサミュエル王国なのでサミュエル王国融和派と呼ばれているがあくまで他国に血族主義を押し付けるなという派閥である。
公国時代から王国時代になって国家的婚姻政策がうまく行かない理由を正しく理解してる派閥である。
公国時代であれば外に嫁いでも王国のほうが上なのでどこへ行こうとそれなりに上手くやれたのであるが、王国を自称、もとい王国と認められてからは同格、事実上宗主国に当たるロバツと関係がない場合は我々オーランデルクの血を入れてやろうかという態度を出して失敗する。
ロバツの威を借るオーランデルクはロバツの威を借れない相手には通用しないということを弱小国家だったオーランデルクはわかっていなかった。
特に外交関係者は相手にされずひどい目にあい、場合によっては家族が事故事件に巻き込まれ、開催したパーティーに全員が欠席するなどの対応でようやく王国の対応の不味さを知るという元オーランデルク至上主義者もいる。
ひとえにロバツが調子に乗らせるために自分の力が及ぶ範囲に圧をかけたのであるが。
なぜだからそれをロバツがオーランデルクの王位を認める事実上の勝利にさざるをえなかった強国オーランデルクにすり替わった。
目をそらすための方針が本気で信じてしまう嘘になった。
往々にして成り上がった国にして起こり得るそれは成り上がってすらいない国であれば裏で嘲笑しておだてておけばいいという判断すらできずにただ単に不快な害虫として扱われる。
そのうえ帝国や他の強国相手では公国時代のように下手に出るのであれば血族主義と虎の威を借る狐はどうしたと小馬鹿にされ、そのような対応をされない国は睨められていると余計に怒りを買う。
放置されているのはロバツがいるからであってそれ以外に理由はない。
そのうえライヒベルク公爵家に対しても前は同格だけど今は私のほうが偉くなってしまって申し訳ないという態度を崩さないのはまだ謙虚とも言える。
先代は狂犬で当代は王家と戦う気満々、その上娘は蛮族との戦線を支えている。
外交で情報を仕入れた彼らからしたらわざわざ敵対したくはない。それだけである。
本来であればサミュエル王家が息子なら分家の侯爵家も似たようなものだがこうして態度を使い分けながら血族主義を持ち出すところが嘲笑されることをわかっていないのがミュヘル2世であった。
オーランデルク至上主義というものは結局負け犬が自分を慰めるために作り上げた虚像に過ぎなかった。
そしてそれに関して我関せずなのが中立派である。
対決姿勢を出したくなかったためミュヘル2世存命時にミュヘル3世が率いていた派閥である。
父と真っ向から対立するのは血族主義的にもあり得なかったため苦肉の策として作り上げられたそれはミュヘル2世の急死後、ミュヘル3世の即位とともにサミュエル王国融和派に看板を変えた。
もっとも一部は中立派として残り両者の仲介をしている。
その中立派を今率いているのがミュヘル3世から任命された外務大臣プラグドル・ジマーマンであった。
彼自身は本気で中立派でありどちらに転んでもろくなことにならないのである意味ではもっとも無責任とも言える。
だが外務大臣という職で何ができるかといえば……。
他国であしらわれてサミュエル王国融和派と言うなの普通の国家外交に戻そうという連中に変わった尻拭いしかない。
尻拭いをしようにも受け入れ拒否する国すらあり、ロバツですら救いの手を伸ばしていない、。というよりロバツは初期は頑張っていたがあまりにも酷かったので高等弁務官を1年で撤収した。
お陰でオーランデルクが更に調子に乗ったのであるが。
少なくともミュヘル2世の認識はオーランデルクは強国であり、ロバツに負けたものの心胆を寒からしめる成果で王国と認められ頼りになる同盟国であると認識されたので高等弁務官を撤収させ、クーゲンホルフの監視を任されたということである。
なお実際にはロバツを蛮族との罵り挑発行為を連発した後、数度の敗戦で領地を削れられ、サミュエル王国と手を結ぶためサミュエル王国中枢を引っ掻き回した挙げ句、あっさりと敗戦した後サミュエル王国に命令に従えと寝返り、他国に無自覚で喧嘩を売り始め、ロバツが尻拭いのためサミュエル王国隣国のクーゲンホルフを滅亡させて管理させようとしたら思った以上にオーランデルクに対する敵愾心と協力したロバツにハラスメント攻撃などをされ統治不可能とされ、クーゲンホルフの管理を任されたもののまた反乱を煽るだけだったので指示以外するな!と言明された結果クーゲンホルフが事実上独立が復活してい結局どっちも役にはたたないという扱いである。
ロバツありきで立っていおることはミュヘル3世は自覚しており、またロバツがサミュエル王国に勝ったあとはこの国はどうなるにせよ滅びるか今より悪くなるからこそ必死に立て直してる最中であった。
つまりロバツ敗戦どころか国王誅殺、新国王捕縛、軍壊滅という状況ではオーランデルクはすでに詰んでいる国家ということだ。
デルスク共和国「王すらいない底辺国家と挨拶された、殺す……」
ロバツ「クソが!(尻拭い戦争開始)」




