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ワタクシこそがトップに立つのですわー!  作者: MA
王都掃除記録

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戦勝宣言の後にて

「真ですか?」

「はい、敵は1万切って逃走中。戦果に間違いはありません。検分もすんでいるでしょうね」

「…………静粛に!本来の話に戻るとしましょう、それは臨時政務官としての報告ですね?」


 民衆を黙らせ、そう裁判長はそう聞いてくるが芽は真実であると理解してるように喜びが見えていた。

 そりゃあ15万を撃破したなんて夢みたいなことを言われればそうなるでしょうね。

 私でもそうなるでしょう、地位が狼狽しか許しませんでしたが。


「はい、臨時政務官としてエリーゼ・ライヒベルク王太女殿下の勝利と戦果を証言いたします」

「誓いますか?」

「宣誓をしましょう、私キャスリーン・イデリーはこの証言に虚偽はありません。虚偽の場合は罰してくださって結構でございます」

「死刑でもですか?」

「ええ、絞首刑でも火刑でもお好きなように」


 貴族がこんな簡単に言質を取られたら終わるのだが、逆を言えばそれだけ発言に責任を持つし、真実味が増す。

 迂闊であるという評価がつくかも知れないがそれだけ平民層が納得するのなら別にいいでしょう。

 そのためのメディアに使ったのがエリーです。おそらくこれで間違っていないはず。


「なるほど、ここまで言われるのでしたら仕方ありませんね。このように多くの人間の前で貴族令嬢が……臨時政務官殿が証言したのです。そうなるでしょう。死刑囚Aを火刑に処す」


 一応宗教に関して興味がない国でも火刑は重い死刑だ。

 遺体が亡くなるというのは恐怖でですからね、いくら信じていなくても教会を壊そうとする人がいないのと同じです。


「死刑囚A、改めて発言を認めましょう。二回目の死刑の分ですからね、最後の言葉を残したければ残してください。ただ無駄な話であれば即時執行に移ります。しかしながら火刑をするには材料が足りませんのである程度話していても構いませんよ」


 火刑をするには鉄製の拘束具と油が必要だ。

 拘束具は持ってくればいいが燃やすためになるべく古く、交換を目安にしているものを使いたいところでしょうね、後は油ですがそのへんにあるでしょう。

 まぁロープで縛ったうえで鉄の拘束具でもつけておけば仮に拘束具に何かあっても大丈夫でしょう。


「は、発言を訂正し謝罪いたします!火刑だけは!火刑だけはお許しください!」

「もう決まった判決です、無実の証拠でも持ってきてください」

「スペンサー司法大臣が仰っておられましたが処刑方法で全身を削ぎ落とす、大量に牛乳を飲ませて、頭手足が出る箱に閉じ込め全身に蜂蜜を塗りたくり森や山に放置する処刑法もありますが別のものをご希望ですか?」

「絞首刑!絞首刑を!慈悲をお願いいたします!」

「謀反人に慈悲を掛けるわけがないでしょう?無駄でしたね、執行まで抑えておいてください」


 再び猿轡を噛まされ暴れようとする中、死刑囚Aを取り押さえる刑務官はこの死刑囚があまりにも暴れるので顔面に一撃を入れて大人しくさせていた。

 まぁそうはなるでしょうね……。


「死刑囚B、最後に残す言葉は?」

「ありません、即座の執行をお願いいたします」


 流石にこの後で何か言いたくはないでしょうね。

 足早に絞首台に向かう死刑囚Bは、係官の案内よりも早く軽快に絞首台に登りそれを待っていた。


 ガタンと床が外れると文字通り死刑執行が完了された。あとは完全に死んだであろうと少し置いた後に柵の向こう側で晒すだけ。

 投石用のおもちゃとして首の部分が腐り落ち地に伏せるまで飾られ、落ちれば首はさらされる。今の陽気ならそう長くはかからないでしょうね。


「死刑囚C、最後に残す言葉は?」

「か、家族に感謝と謝罪を……」

「あなたは先程の判決を覚えていないようですね、あなたは天涯孤独の家族なしです。何を言おうと届くことはありません。誰に謝罪と感謝を述べるのかはわかりませんがあなたが謝罪を述べるのはエリーゼ王太女殿下でしょうに」

「いや、それだけはできない……。それだけは……」


 命を失うからか最後のプライドのようだった。

 どうせ死ぬのにエリーに頭を下げたくないという気持ちは正直わかる。


 死刑囚Cは罵声を浴びせられながら別の絞首台へ連れて行かれた。

 横の絞首台でぶら下がる死刑囚Bをちらりと見た後、階段を登っていく。

 やがて頂上に立ち、死刑囚Bをまた見ると震えているようであった、それもお構いなく縛られた縄をかけられた死刑囚Cはあっさりと床を外され死刑を執行された。


「死刑囚D、最後に残す言葉は?」


 後は消化試合だろう。順当に始末されるだけのことだ。

 あと処分しておくべきはきな臭い貴族が数人か。これは父に任せたほうがいいでしょうね。

 宰相閣下の領分ですから。


 馬車に戻ろうとすると慌てた係官が静止してきた。


「せめて死刑囚Aの執行は見届けていただきたい。あなたが変えさせたのですからその義務があるでしょう」

「ありませんよ、そもそもは王太女殿下を貶め国家の敗北を願う発言をしたことが悪い。私は王太女殿下の勝利を伝えたに過ぎません、それだけで命まで掛けたのにどうして私が責任者のようなことを仰るのですか?」

「少なくとも殺し方を指示したのは臨時政務官殿です、たしかに刑としては妥当でもそれを見守るくらいはしてくれてもいいのではないですか」

「私は忙しいのですよ、しかし臨時政務官が自分で命じた火刑に怯えて逃げたと言われると問題ですね。良いでしょう……見送るとしましょうか」

エリー「ワタクシに頭を下げるのそんなにいやかしら」

アーデルハイド「いやね」

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